紹介ついで
「まぁ、まずはボンドさんに聞きに行かないとね」
敵の情報を伝えて、まだ居るかどうかの確認だ。今は居ないとなったら、ちょっと計画を変える必要があるかもしれない。まぁ、情報を入手出来たとしても、先にネストの方に行くんだけどさ
「ボンドさんやー。居ますかー」
「はいはいはい!どうされましたか!」
城に戻り、呼んでみたら来た。ボンドさんも凄いなぁ……まさか何処かで待機とかしてないよね?
「ちょっとボンドさんに聞きたい事が有るんですけど……」
「今回は何の情報をお求めでしょう?」
「今回は魔物の情報なんだけど、エルフ殺しって言われてるらしいデビリングミラーと、魔鉱石が採れる鉱山やら廃坑に出るらしい魔吸虫っていう奴の情報を探してるんですけど……ありますかね?」
「なるほど……デビリングミラーと魔吸虫ですか。確かに難しいですね……」
やっぱり難しいかぁ……これは計画変更かなぁ
「ですが!このボンドの情報網をもってすれば!デビリングミラーと魔吸虫が居る位置はこちらにあります」
本を取り出し、何処かから取り出した眼鏡を付けて蔓の部分を持ち上げてカチャッとする。なんか秘書っぽいなぁ?
「クオン、ちょっと出て来て」
「了解です」
まぁ、ここはクオンを使ってササッと情報を得るか
「ん?そちらの方は?」
「前に起動方法とか聞いたよね?」
「まさかっ!?」
「どうかな?」
「お納めください」
特に説明はしてないけど、ボンドさんがすぐに情報を出してくれた。いやぁ、理解が早くて助かる
「この人も君の誕生を祝ってくれる人?ハムスター?のボンドさんだよ」
「こんにちは。クオンと申します」
「ど、どうも……素晴らしい」
ボンドさん放心状態に近いなぁ?
「とにかく情報ありがとうございました。後で、ここに書かれた所に行ってみたいと思います」
「あ、はい!行ってらっしゃいませ!」
「折角出て来てくれたのにゴメンね」
「問題ありませんマスター」
どうしても今はクオンと一緒には外を歩けないからインベントリに戻すしかない。イベントが終わったら自由に歩かせてあげられるんだけどなぁ……
「という訳で、次はネストだな。まずはナーセイブに行って、ネストに入る許可を得ないとなぁ……」
またあの独立部隊の人達にお願いしないと
「どうもどうもー。またネストの方に行きたいんですけどー……ってあれ?」
「む?ネストに行くのか?それならば同行するが……」
あらまぁ、あのゴツいパワードスーツの人こっちに来てたんだ。独立部隊の建物はなんか集合したりするのに便利に使っちゃってるけど、まぁ問題無いだろう
「いえいえ、まぁネストの外側に出て来る奴について知りたい事もありますが、第一の目的としてあなたに例の物の成果が出たので、一度見せようかなと思ったので……」
「何?例のあの話か!であれば、早速見たいのだが……ここでは良くないな。やはり、ネストに行ってからの方が……」
「なんだ?何か秘密にしなきゃいけねぇ事か?だったら奥の部屋を使いな。大丈夫だ。音が漏れたりはしない」
流石苦労コホン……クロウ団長。それが大丈夫ならここで見せちゃっても問題無いな
「じゃあ、奥の部屋を使わせてください」
「おう」
「じゃあ、こちらにどうぞ」
奥の部屋に通してもらってサクッと今回の要件を終わらせてしまおう
「では、成果ですが……この子です」
「おい、冗談はよせ」
「いえいえ、冗談でも何でもありませんよ。これが僕の持っている能力の限りを出した結果です」
クオンを見せるが、どうやらまだ信用しきれていないみたいだ
「ほ、本当にそうなのか?」
「マスターハチの手によって生み出されました。クオンと申します。お見知り置きを」
「あ、あぁ……これは丁寧にどうも……じゃなくて!どういう事だ!?パワードスーツを持って行ったハズだよな?」
まぁ、確かに貰ったのは壊れたパワードスーツではあった。でも、それは素材だってちゃんと言ったはずだけどなぁ?
「そんな事言われたとしても……実際に素材として使用して、クオンが生まれてますし……」
「はぁ……こんな物予想出来るか!?全く、クオン殿はキチンと会話が出来るのだな?」
「ええ、大丈夫ですよ。但し、歴史の話とか、そう言うのは多分答えられないと思うんであしからず」
「はい、お答え出来る範囲には限りがあります」
クオンが生まれる前の事を聞いたとしても、多分答えてはくれないだろう。別にそういった知識を詰め込んだりはしてないはずだし
「そうか……可能ならば再現を試みようとは思って居たが、これは流石に無理だな。例え再現出来たとしても、完全に私個人の能力ではこの者を活かせない」
まぁ、クオンを真似して作りたいと言っても、素材を集めるのはまず無理だろうなぁ
「あ、そうだクオン?もし、現状で何か小さくても良いから武装を出す事って可能かな?」
「【変異武装】を限定展開でしたら、その要望に応える事が出来ます。使用しますか?」
「オッケー。ちょっとやってみてくれる?」
「分かりました。【変異武装】を使用します」
クオンがスキルを使用したのか、前に突き出していた右手は生身の手からまるで鎧に覆われた様な状態になっていた。おぉ……これが【変異武装】か




