武器素材の情報
「新しい可能性はあるけど……多分、普通に使う分にはアダマンタイトの装備の方が良さそうですよねぇ」
能力を向上させる事が出来るのは良いけど、それには魔力が必要である事。で、多分その性能をフルに発揮する為にはとてつもない量の魔力が必要になる事。それを考えると、普通に単体性能はアダマンタイトの武器や防具の方が良いだろう。Nマター武器や防具の能力を十全に使う為には攻撃魔法どころか補助魔法も使うのが難しいのかもしれないなぁ……あっ
「あの、このダガーの作り方。教えていただけませんか!」
「まぁ、それは構わないが、どうした?」
「この武器のその能力って特殊能力ですよね?」
「そうナノネー」
つまり、その能力をミスリルとかアダマンタイト製の武器とかに移せば、武器の基礎値が上がって消費する魔力を減らす事が出来たりするんじゃないかな?まぁ、今の僕にはアダマンタイトよりももっと移したい物があるんだよなぁ?
「おいおい、若いモンがする顔じゃねぇぞ?」
「おっと、顔に出てましたか。いやぁちょっとした悪だくみ……いやいや考え事を」
「それ、ほぼ全部言ってるノネー……」
「おいおい、何をしようとしてるんだ?」
欲しい物を形にする為に必要な物は何個かある。これはある意味必要では無いけど、追加されたら嬉しい物だから作り方は教えてもらおう
「そうですね。ちょっと新しい武器を持たせたい子が居まして、その子の為に今色々と考えてるんですが……そうだ!」
持ってる素材とかの情報も纏めつつ、五鍛冶に想定している武器の設計図をその場で書き上げて、見せる
「今、こういう武器を作ろうかと思ってるんですけど……なんとなく色々考えてたら魔力供給が足りないかなって……だから、設計図段階で何か改善案とかあったら一緒に考えて欲しいなと」
僕が想定する今の段階で、何か修正するべき所とかあるかを聞きたい
「ほうほう」
「これが……」
「形にするのはかなり難しいと思うノネー」
「なるほどな……若いモンの発想が色々詰まってんな?」
「面白れぇ……これが本当に形になるならすげぇ武装になるぜぇ?」
一応、提案している設計図見せた感じでは良さそうだ。能力的には結構問題無いと思うんだけど……どうかな?
「どうですかね?色々考えてみたんですけど……」
「そうだな……この能力を考えると、アイツの素材は要るかもしれんな」
「アイツとは?」
何か居るのかな?
「まだ居るかは分からないが、エルフの国の近くで、エルフ殺しとも呼ばれる存在が居たんだ。ソイツの素材を入手出来ればこの辺の機構は入れる事が出来ると思うよ」
なるほど……エルフの国の近く……
「具体的にはどういう存在なんですかね?」
今も居るかどうかは分からないけど、これは聞いておいて損は無い。まだ居れば戦いに行って素材を取りに行けそうな気がする
「エルフ殺し。デビリングミラーと言う魔物だ。魔法は反射されるから絶対に使ってはいけない。そして、並みの物理攻撃も通じないという、魔法に重きを置いているエルフにとっては天敵とも言える存在だ」
「おぉ!それは是非とも欲しい……」
「だが、普通に周りの森に住む熊等の魔法を使わなくても物理攻撃が強い魔物に狩られる事もあって、今もそこに居るかどうかは分からないね。何せもうそこには住んでないからねぇ?」
「「「「はっはっは!」」」」
おう、死者ジョーク……
「そういう事なら、魔鉱石の鉱山や廃坑に居るだろう魔吸虫も素材になりそうだな。アイツらは人気の無い所で魔鉱石から魔力を吸い取って蓄えた魔力を使って何年も生きる虫で、場合によって大量に魔力を蓄えている時もあるからな」
「なるほど、それは確かに素材に良さそう……」
デビリングミラーと魔吸虫。この2体の素材は頑張って探してみよう!
「まずはその素材を集めて来るノネー。その時についでにダガーの作り方をメモに纏めておくから多分現世でも作れるノネー」
「そうだな。話を聞く限り、多分その素材をそのまま使うより、ここで一度加工してから素材にした方が良さそうに思えるぜ」
「分かりました。じゃあさっきの2体の素材を入手出来たら持ってきます!それでは!」
「おうおう、若いモンは忙しいなぁ?」
「まぁ、それがハチ君でしょう」
五鍛冶に見送られて、空島に戻る。今の所、その2体に関する情報はエルフの森に居るかどうかと、魔鉱石という鉱石が掘れる鉱山か廃坑に居るかもという大分不確かな情報だし、ここはボンドさん辺りに聞いてみたら意外と情報を入手出来るかもしれないなぁ……あ、それで言えば、ネストにクオン誕生の報告を行くついでに、ネストの外側の生物の素材とかも何かしら役に立つ可能性もあるから、聞いてみるか
「マスターはいつもこんなに忙しいのですか?」
「まぁ、今はやりたい事があるから忙しいかな?でも、この忙しさが楽しいんだよ!」
人によってはこの状態はお使いクエストみたいでつまらないと言う人も居るかもしれないが、自分の手で今作れそうな武器を作る為に素材集めにあっちにこっちにと集めてる時が一番楽しいと思うんだよねぇ




