修復クエスト完了!
「んー、やっぱり材料が多いし、穴を塞ぐってより壊れた周辺も外して綺麗にしよう」
壊れた場所の上から板を打ち付けるんじゃなく、壊れた場所の周辺も切って多めに材料を使って修復する
「中々良い出来じゃないかな?」
修復した壁の出来栄えを見て、結構違和感無く修理出来たと思う。皆は木材を僕に渡して教会のシスター達に挨拶しにいった。壁を歩いていた僕を見た皆は「非常識過ぎる」だとか「やっぱりハチ君してる」とか色々言われたけど便利だからなにか言われても別に気にしない。気にしないったら気にしない
「これでラスト!」
無心で壁を修理して最後の穴を修復したら教会が一瞬光った気がした。この感じ……ヘックスさんの家が完成した時みたいだ。これは修理が完成したっぽいな
「皆はもう他の教会に行ったかな?僕も挨拶して行くか」
教会も楽しかったけどそろそろ先に進もう。戻ってこようと思えばいつでも戻ってこられそうだし、暇というか時間があったらまた来よう
壁を降り、教会に入る。そういえば任意で像を作るのがあったんだっけ?一応聞いてみようかな?
「ミリアさん、壁の修理終わりました。そういえば像ってどうします?」
「像?」
メリアさんが疑問を呈している。そういえば像を作って欲しいって言った時メリアさんは居なかったか
「メリアさんの像を作って欲しいってミリアさんが……」
「そんな物…やめてください……恥ずかしい……」
まぁ、自分が居るのに自分の像を立てるとか王様みたいな感覚でもないと嫌だろう。ましてや聖女様と言われていたメリアさんなら……
「ハチさん、あの事はもう忘れてください。私はメリアがもう居ないと思っていたから頼んだだけですので……」
この世から居なくなった100年前のメリアさんを忘れない為に像を作って欲しいって話で、幽霊とはいえ、メリアさんが居るから前提が崩れてしまって像は作らなくても良いみたいだ。これで無理矢理に像を作ろうとしたらメリアさんに嫌われてしまうだろう
「分かりました。これで教会の修復は終わりですか?」
「はい!ボロボロだったのにとっても綺麗になりました!ハチさんありがとうございました!」
これで教会の修復も終わっちゃったかぁ……
「あぁそうだ。どうしてこんな所に教会を建てたのか聞きたかったんですけど……聞かせてもらえますかね?」
荒野の果て、霧の森の中に建っている教会。何故こんな所に教会が建っているのか知りたい
「元々は…近くに鉱山で生計を立てていた村があったのです…ですが……何者かによって…この教会以外は…全て……破壊されて…」
「村は崩壊して、村人は教会に逃げこんできましたが、全員が重い病に罹っていて……あそこまで進行してしまっていてはメリアの力でもどうしようも無かった……」
ふーむ……じゃあモニクが居た廃坑はその村の名残か、何者かっていうのが結構ヤバそうな雰囲気だけどこの教会はその頃は機能していたから結界の力とかでなんとか保っていたのか
「メリアもその何者かが居なくなるまで懸命に癒しの力で皆を治癒していたんですが……皆を救えずに傷心のメリアがセカンドラの教会に向かって……帰ってきませんでした」
森の中で命を落としてしまい、そのまま霊体となってずっと彷徨っていたのか……それは辛かったろうに
「あのように…破壊の限りを尽くす……存在を見ると…ハチさんの様な…優しい方は……何故戦うのかと…あの時…質問しました」
「結構……重い話だった」
そんな過去があったのか……自分の力が及ばないって辛いよなぁ……
「ボク、ここに居て本当に良いんでしょうか?」
モニクが凄く不安そうに言う。もしその何者かというのが悪魔だった場合とかを考えると不安なんだろう
「今の貴女の居場所は…ここですよ……安心してください」
そしてメリアさんのその言葉は100年の重みを感じるような気がした
「はい!この教会のシスターとして頑張ります!」
『修復クエスト 蘇る教会 をクリア』
シスターが居て、聖女様が居て、教会が修復されて教会としての機能も取り戻したから修復クエストは終了したんだな
「教会の修復も終わったし、モニクも頑張れそうだね?」
100年も前だから今も居るかは分からないけどもしかしたらその何者かというのと戦う可能性があるかもしれない。先に進んで力を付ける事に損は無いだろう
「ハチさん、これから教会を使いたい事があったらいつでもここに来てください。ハチさんなら寄付無しで良いですよ?」
「流石に何もしないのは僕が嫌だから使う事があったら掃除でもさせてもらうよ」
教会が無料で利用出来るのは嬉しい。これが報酬かな?
「次ここに来た時には立派な叛逆の悪魔になってますよ!」
「モニクなら立派な叛逆の悪魔になれるよ。でもさっきの分ね?ていっ」
「いたたっ!」
2発分のデコピンを喰らうモニク。若干弱めにした
「また喰らいたくないんなら解呪が出来る様に頑張るんだぞー」
「あー!悪魔に解呪が出来ないって分かってながらそんな事を!」
そういえばそうだっけ?まぁいっか
「ミリアさん?」
「なんですか?」
「ウルフポンチョ気に入った?」
「えっ?あっすいません。返します」
「良いよ、あげる。それは手伝ってもらって作った物だから今度は自分一人で一から作ってみようかと思ってたしね?」
ドナークさんと協力して作ったウルフポンチョはミリアさんの祭壇に置いてあるから一応いつでも返して(貸して)もらえるだろう。修道服と交換したと思えば良い
「あぁ……そうだ。今日は泊まっても良いかな?流石に疲れちゃって……天井の所で良いから」
色々やって時間もかなり大変な事になっている。明日ちゃんと起きられるかなぁ?
「まぁハチさんなら良いですよ?」
ありがたい。今日は安全な場所でログアウト出来る……
明日はセカンドラの方に行こうかな?