師匠大躍進
「よし、今日はアトラさんの所に一度寄って、女王の王笏を直して……」
「おっ!ハチ君ハチ君。ちょいちょい」
「あれま、モルガ師匠。どうしました?」
城から出て行こうと思ったら待っていたモルガ師匠に止められた。なんだなんだ?
「いやいや、前に言った事を忘れてるみたいだからこっちから来たよ」
「あぁ、そうでした。ちょっと忙しくて顔を出せませんでした。何か試してるみたいな話でしたよね?」
「そうそう。装備品の特殊能力の効果だけを使えるーみたいな事なんだけど」
おっ?イドエゴのスロット枠みたいな感じで特殊能力だけ使用出来るのは嬉しいぞ?これ、装備品の形も関係無く使用出来るみたいな物だとかなり嬉しい技術だ
「多分、何か必要なんですよね?」
「うんうん、分かってるねぇ?それでさぁ。城の屋上を使わせて欲しいんだけど。良い?」
「城の屋上……何かを置きたいんですかね?それなら別に構いませんが、一緒に行っても良いですか?」
「いーよいーよぉ!私の新しい研究成果を見せてあげよう!」
ほほぉ、それは楽しみだ
「よしよし、ハチ君。そっちにその丸い奴取り付けてくれる?」
「はいはーい。にしてもこれ……かなり大きいですね?」
何だろう。望遠鏡の様な物やら、プラネタリウムに付いてる球体みたいなパーツが2つだったりパラボラアンテナみたいなパーツもある
「うんうん、そりゃあこれは収集機だからねぇ。小型化するのはまぁ難しいんだよ。これでも頑張った方だよ?」
小型化しても見上げるくらいの大きさだが、いったい何の収集機なんだ?
「あの、これって何を収集する道具なんですか?」
「ふっふっふ!良くぞ聞いてくれた!」
だってめっちゃ聞いて欲しそうな顔してるんだもん。そりゃあ聞いて説明してもらった方が楽だよね
「ではでは、ハチ君に説明してあげよう!」
何処からともなく黒板が現れて、『良くわかるオービタルグラスパー』と書かれていた。なんかモルガ師匠丸眼鏡も付けてる。講師モードだ
「これはオービタルグラスパーっていう私が作った新しい魔道具!簡単に言うと、星空のエネルギーをキャッチ出来ちゃう道具なのだ!」
「星空のエネルギーをキャッチ?」
今のところよく分からないぞ?
「ハチ君、星座魔法って使ってたよね?」
「はい、お世話になってます」
星座魔法は確かによくお世話になる魔法だ
「あれについて個人的に調べてたんだけどさ?どうやら、普通に魔力を消費して発動するだけじゃないみたいなんだよねぇ」
「ん?魔法なんですし、自分でも魔力を使って発動してる感覚はちゃんとありますが……何か違うんですか?」
もしかすると、今後に影響する可能性もあるしこれはしっかり聞いておこう
「普通の魔法は自分が使う魔法に発動に必要な分だけ魔力を使って魔法に変換するんだけど、星座魔法は魔法を発動する時に自分以外の要素も何か絡んでるみたいなんだよねぇ」
「星座魔法を使用する時は何かに手助けしてもらってると」
となると、星座魔法の消費MPが一律で同じなのは、この星座魔法使いたいですって使用料を払って、使わせてもらってる感じなのかな?
「そうそう!それで色々と調べてたらこの空の更に向こう。そこには沢山のエネルギーがあるみたいなんだよねぇ。それのせいもあってか空の上に飛ぶのは邪魔されて行けないみたいなんだけど……」
「なるほど?」
それって暗に高度制限みたいなのが有る様な物なのでは?まぁ、宇宙に行けない様にみたいな物なんだろうけど……場合によっては宇宙じゃなくて、天界とかに繋がる場所とかになってるんだろうけど
「この空にはバリアが有るって事ですかね?」
「んー、それはちょっと違うね。単純にエネルギーが凄いスピードで動いてる感じ?ほら、ハチ君だって、走ってる人に触ろうとしたら弾かれるでしょ?」
「それは確かにそうですね」
オゾン層みたいな目には見えないけど、確かにそこには何かがあるみたいな物かな
「で、そのエネルギーをほんのちょっとだけ集める事が出来るのが、このオービタルグラスパーなのだ!」
「おぉ……それは凄い」
「星座魔法を使う時に魔力以外に外部からエネルギーを受け取ってるみたいだし、それをこのオービタルグラスパーでほんの少しだけ再現をして、ほんの少しだけど、エネルギーを集める事が出来ちゃうのです!」
つまり、このオービタルグラスパーを使用すれば、宇宙のエネルギーを入手する事が出来るって事か?
「では試しに起動!」
「おぉ、動き出した」
球体やらアンテナやら望遠鏡みたいなパーツは回ったり伸びたり縮んだりして稼働している
「ほらほら!あれだよ!あれが例のエネルギーだ!」
機械の真ん中辺りに何かキラキラした液体の様な物がある
「やっぱりやっぱり!空に近い所の方が溜まりやすいんだ!で、これを使えば、装備品を装備しなくても能力を使用出来る様にする事が出来るんだよ。あれだけじゃまだ足りないけどね」
「なるほど。とりあえず見た事無いアイテムなんで一回取得させてください」
「ほいほーい」
許可を取り、そのエネルギーの入った瓶を手に取る
『コズミックエナジー 宇宙のエネルギー。魔力とは少し違うようだ』
いやぁ、良いねぇ。謎のアイテムって心が躍るなぁ……




