お帰りイドエゴ
「ヘックスさーん。ヘックスさんやー」
「おぉ、来たかハチ!」
オートマトン島に来て、ヘックスさんを探したら、丁度かち合った。実にベストタイミング!
「おや、もしかして?」
「あぁ、無事に成功したぞ!まぁ、現状のイドとエゴは防具としての能力上昇はしていないが、しっかりとハチが所望していた機能を追加する事は出来たぞ!それと……すまん!」
何だ?成功したなら別に謝る必要は無いと思うんだけど……
「ん?何か謝る様な事でもありました?」
「あのベルトなんだが……」
「え?もしかして壊れたりしちゃいましたかね?」
バッタジャンプやゴキダッシュとか有能で助かってたんだけどなぁ……壊れちゃったなら諦めるしかないかぁ……
「ちょっと、興味深くてねぇ……やっちゃったね!」
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アウトキャスター・ベルト
レアリティ ユニーク
AGI +400
耐久値 破壊不可
特殊能力 排斥者の逆襲 人に害を成す生物の力を利用出来る(同時に3種類まで)
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「一応、能力の使用感は変わってないはずだ。試験管の交換は無くなってしまったが、ベルトのバックルを叩けばセッティングをチェンジ出来る。いやぁ、楽しくて色々やってたら能力使用時の消耗量まで減らせてしまったぞ!はっはっは!やはり私は魔改造の申し子だ!」
魔改造とは言いますが、完全に物の名称まで変わってますやん……ヴァーミンズ・ベルトからアウトキャスター・ベルトに名称が変わってる……害虫から除け者……使える能力の範囲が増えたって事で良いのかな?
「んで、イドとエゴは能力自体は変わっていないが、新たにスロットが2つずつ用意する事が出来た」
「一応、説明してもらっても良いですか?」
何となく予想は出来るけど、これは聞いておいた方が良いだろう
「Nマターを新たに配合した事により、球体に近い物ならスロットに装着する事が出来る。これにより、そのアイテムによって上昇するステータスの恩恵は得られないが、特殊能力の能力は発動可能だ。これは凄い進歩だぞ!」
確かに物凄い進歩と言っても良いだろう。能力が上昇しないと言っても、特殊能力は発動すると言うのなら、実質装備アイテム数が上昇したと言っても良いだろう。今の所、僕は色々な効果によって装備品の数が増えている状態で更に追加で装備出来る様な物……そりゃあとんでもない技術革新と言っても良いくらいだろう
「ほら、早速嵌めてみろ」
「うおっと!?」
輪転玉を放り投げられ、イドの手の甲部分に有った窪みの部分で受け止めると輪転玉はカチャッと音を立てて装着された
「それで輪転玉の修理関係の力は使用出来るだろう」
「なるほど……これって外す時ってどうしたら良いんです?」
着脱方法はちゃんと知っておかないと困る事があるだろうし、場合によっては戦闘中に装備していたアイテムを奪われる可能性だってある。ここはちゃんと話を聞かないとね
「外したい時はハチが外したいと思えば外せるはずだぞ?」
「外したいと思う……あ、ホントだ」
確かに輪転玉を外したいと思ったらちゃんと外れた。凄いなぁ……僕の意思を感じ取って……ん?
「あの、1つ聞きたいんですけど、もしかしてNマターって人の意思を感じ取ったりとかもするんですかね?」
「ほほぉ?もう分かったか。あぁ、その可能性が充分高い。とにかくこの物質は意思の影響受けるとも言えるし、意志の力で影響を跳ね返す事も出来るとも言える」
意志の力で影響を跳ね返す……つまり外的影響よりもNマターに対して何かしらの意思が働いていれば、そっちの方が優先されるのかな?
「やっぱり難しい物質だなぁ……あ、Nマターをまた作って欲しいんですけど、何とかなりそうですかね?」
「……一応聞くが、どのくらい必要なんだ?」
「そうですね……多分5キロ位あると助かるんですが……」
「5キロか……相当急いでいるみたいだから生産に全力を尽くす。3日くれ」
となると現実時間で1日必要か。まぁ、こればかりは仕方ない
「分かりました。じゃあ3日後お願いします」
「あぁ、完成品はちゃんと見せてくれよ?」
「それは勿論」
というか、普通に流したけど、今はイドとエゴの能力は変わってないって言ったが、これってリミッターが掛かってるからレベルを上げて解除していくと性能が更に上がる可能性があるのか……
「あと、図々しくて申し訳ないとは思うんですけど、ピュアルの時みたいなコアになる物って作る事とか出来るんですかね?」
「コアか……」
これは……大分時間掛かってしまう系か。うーん、出来れば欲しい物だけど、無理そうなら諦めるしかないか
「時間掛かっちゃうなら諦めます」
「いや、作り方によってはそこまで時間は掛からないが、ハチなら多分無属性な物の方が良いのだろう?」
いやはや、皆なんで僕の事分かるんだろう?
「はい。可能なら無属性が良いんですけど……やっぱり難しいんですかね?」
「分かった。手伝おう。但し、今何をしようとしているか、事細かに話してもらうぞ?」
「分かりました。じゃあヘックスさんには完成前ですが、教えましょう」
ヘックスさんなら手助けしてもらえそうな気がするし、話しておくか!




