まずは1つ
「あ、どうも。お久しぶりですー」
「あぁ、君か。その節は世話になったな」
良かった。ちゃんと覚えていてくれたみたいだ。これで誰だお前と言われたらかなり危なかった
「いえいえ、覚えていてくれて何よりです。今ってお話出来ますかね?」
「話か。良いだろう。ではこちらについて来てくれ。おい、ここは任せたぞ」
「はっ!了解しました」
他のパワードスーツの人に任せて僕と会話してくれるみたいだ。良かったぁ敵対感も無いし、これなら何とか行けるかな
「それで、話とはなんだ?」
「えっと……パワードスーツが1着欲しいんですが、無理なら動力源1つ」
一旦ここは図々しく言ってみるか!
「ふむ。それで、そっちは何を出すつもりだ?」
「逆に何が欲しいか言ってみてよ。用意出来る物なら用意するよ?」
「む?お前……あの時と雰囲気が違くないか?」
「あの時は大事なお話でしたからね。そりゃあ気を付けますよ。でも今は個人的なお話ですから。別にそこまで堅苦しくなくても良いかなって。ダメでしたかね?」
もう少しちゃんとした口調で行くべきだったかな?
「いや、それで構わない。そうだったな。確かにあの話が終わりかけの時には砕けていたな。で、パワードスーツだったな。それで言うのなら、確か君が着ていたスーツはどうしたのだ?」
「あぁ……ゲヘちゃんとポン君ちょい手伝ってー。前やったスーツの奴をやるから」
2人を呼び寄せて、テアトルクラウンの服と合せて疑似パワードスーツを完成させる。実際ゲヘちゃんの防御力とポン君の筋力が有るからパワードスーツと言えない事も無いけどね
「これ、僕の服と仲間の魔物で出来てるんですよ。だからパワードスーツ要素はほぼ無いんですよねぇ」
「……向こうで魔法の事等色々学んだつもりだったが……いやはや、見事な物だ。それは向こうでは誰でも出来る技術なのか?」
「一応、僕と同じような事が出来る人が居るかどうかはちょっと分かんないですね。僕は出来るからやってるだけなんで」
「なるほど……隠していた訳では無く、単純にイレギュラーか……そうか。良いだろう!」
「ん?」
なんだ?何が良いんだろう?
「よし、ではついて来い」
「え、はい」
ついて来いと言われたらついて行くしかない。これどっちだ?くれるパターンとふざけんなからの戦闘パターンがあるが……
「入れ」
「はい……これは、壊れたパワードスーツ?」
通された倉庫の様な所には水中に浮いているパーツが足りていないパワードスーツが置いてあった
「これ自体は個人的に入手した物だ。修復を試みていたが、素材が分からなくて修理する事が出来なくてな。一応、まだ動力炉は生きているが、スーツとしては使えない。こんな物で良ければくれてやっても良い」
「良いんですか!いやぁ、こういうのが丁度欲しかったんですよ!」
修理出来ないと聞いて、これを修理したらパワードスーツとして使えるとは思うけど、多分僕にとってはこの壊れた状態が一番良いと思う
『破損したパワードスーツ 何やら特別な素材で出来たパワードスーツの様だが、破損部位が激しくてこのままではスーツとして使用出来ない』
良いねぇ。特別な素材で出来てるだって。これは素晴らしいぞ!
「やっても良いが、それを何に使うのか。教えてくれないか?」
「うーん……正直完成するまでは誰にも教えたくは無いんですけど……これを使って新しい物を作ろうとは思ってますね」
「修理ではなくか?」
「はい。素材として、パワードスーツが欲しかったんです」
「素材としてか……くっふっふ。よもやこれが素材として使われる様な技術まであるのだな……よし、これはもっとそちらの技術を学ばなくてはな!よし、持っていけ!」
やったぜ。これは中々デカい収穫だ!
「ありがとうございます!失礼なのは承知ですが、ここで失礼させてもらいます」
「む?そんなに急ぐ物なのか?」
「1週……近日以内に形に出来なければお披露目する事もなく、闇に葬られる。とでも言えば良いですかね?」
説明として間違いでは無いと思うんだけど、どうかな?
「そうか……分かった。行ってくれ」
「はい。もし完成したらその時は……」
「あぁ、その時はその技術力を見せてくれ」
技術力……どっちかと言うと大分運が絡む事になるんだけどねぇ……
「分かりました。では!」
よし、多分今回一番集めるのが大変だった所をクリアしたと言っても良い気がする。よーし、追加で色々集めて行くぞー!
「というかそろそろどうかな?預けた装備品の解析とかその辺終わってたりしてないかな?」
出来れば今日中に集められる物を集めておきたい所だが……どうかな?
「とりあえずヘックスさんの所に行ってみるか」
イドとエゴ辺りはそろそろ戻ってきて欲しい所なんだけど……まだ無理かな?まぁだとしても欲しい物は他に有るから行く事には変わりないけど
「さぁ、今まで以上に今回は行ったり来たり忙しいぞぉ!」
集める素材は多いし、最終的には【フュージョナー】を使って形にするつもりだから結果としてどんな形になるかは分からないのが結構怖いけど……集めるしかないよね!




