違う道
「わぁ、抹茶ラテにしっかりラテアートも施されてる……」
ネコちゃんのラテアートが施された抹茶ラテ。お茶ならなんでも出来るのか?お茶ジャンキー……茶ンキーリッキューさん。いやはや凄いな
「で、どうだいハチ君。良ければ話を聞かせてくれないかい?」
「話というと、今度のイベントの話ですかね?」
まぁ、ハスバさんの事だ。息抜きと言いつつ、その辺の事を探りに来るのもなんとなく分かってた
「そうですねぇ……一応出ようとは思ってます。で、ハスバさんが聞きたいのはチームを組むかどうかって事ですかね?」
「流石ハチ君。話が早い。で、どうなんだい?」
勿論、ここでハスバさんの協力を得られるのはデカい。もっと言えば、トーマ君とかも協力してくれればもっと良い……でも、だからこそここは言う
「そうですね。もし可能なら……僕はハスバさん達と戦ってみたいです。だから、僕は頑張って1人で今回はやってみようかなって」
「なるほどね。そういう事ならこちらも全力で頑張ってみよう。ハチ君が1人という事は、他の人はこっちで集めて、倒しに来い。そういう事で良いんだよね?」
うーん、流石にそこまで言うつもりは無いけども……まぁ間違いではないか
「はい。そうですね。むしろ僕の知り合い達が力を合わせたらどんな物が出来るのか見てみたいですし」
このイベントは言ってしまえば技術力のぶつけ合いと言っても良い物だし、強い人が集めた素材やら、錬金術やら調薬やら、色々組み合ったらどういった物が産まれるのか。気になる!
「分かった。それじゃあハチ君がそういう風に考えてるって皆に伝えておこう。そうなったらハチ君とはライバルだ。これ以上相手の事を聞くのは野暮って事かな?」
「いやぁ、どうしようか迷ってるんですよねぇ?作ってみたいのは巨大ロボだったり、合体ロボだったりですけど……そういうのってロマンですよねぇ?」
今回造ろうと思ってるのはそう言った物とは違うけど、こういう風に言っておけばハスバさんとかなら皆に伝えてくれて、巨大ロボとか作ってくれたりしないかな?
「なるほどね。分かったよ。ここの払いは私が払おう」
「あ、ハスバさん」
「ん?何だい?」
ハスバさんがカッコつけてこのお店から出て行こうとしていたので、呼び止める
「タテさんは絶対に入れてあげてください。あの人の力は絶対に役に立つと思いますよ」
「あぁ、無論だ」
さ、これでその辺の人達が作ったのには負けない奴が出て来るだろう。タテさんが入るという事はミスリル筋が入った機体、もしくはゴーレムが出て来るだろう。そうなれば、単純な防御力は恐ろしい事になるだろう。自分で作った壁になるが、それを越える物が完成したら……考えるだけで楽しくなってしまう
「つ、疲れた時はお呼び頂けたらお茶を……」
「あ、そうだった。リッキューさん。良かったらフレンド登録しましょう。僕のフレンドはいつでも空島に来る事が出来ますから今までより簡単に行き来出来ますよ」
「あ、あざます!」
茶人ェ……
『旅人 リッキュー とフレンド登録しました』
「これからよろしくお願いしますね」
「は、はい……あ、あの……こんな重要な時に言う事ではないとは分かってるんですが……」
「ん?何かありましたか?」
何だろう。正直ちょっとこのお茶屋さんで飲んでリラックスして思考も少し纏まったから素材集めでもしようかと思ったら、リッキューさんが何か言いたげだ
「実は……今の期間だけ生えると言われているコトブキチャノキと呼ばれるお茶の素材になる木を取りに行きたいのですが……」
「えぇ……今か」
「あ、じゃあ僕が行きますよ。リッキューさん。行きましょう」
このタイミングでの採取のお手伝いは確かに止まるのは分かるけど、僕としてはこれは正直見逃せない。リッキューさんの作ったお茶には回復作用が有ったし、ブレッシングドロップの強化の可能性も秘めている。そうなれば、ある意味強化をする事にも繋がるかもしれない
「ハチ君。それは別に勝負を捨てたという訳では無いんだね?」
「勿論。むしろ勝負に勝つ為位まであると言っても良いくらいですね。というか、ほらほら早く行かないと人集めに遅れますよ」
「おっと、最低限あの面子は揃えないとハチ君には勝てないから急がないと……じゃ、ハチ君。負けるんじゃないぞ☆」
「……」
「おぉ~、この冷たい視線たまんねぇ~!」
「ほら、さっさと行く!」
このままここでごねられても仕方ないのでハスバさんの尻を叩く
「あひぃん!この愛のムチ!ハチ君を倒すからねぇ!」
「これが……ハチさん」
ハスバさんを送り出した後の空気最悪になっちゃったなぁ……
「ところで、そのコトブキチャノキって何処で取れるんです?」
「魔蟲の森の奥地にそのお茶の木が有るらしいんですが、虫は問題無いんですが、生えてる場所がとてつもなく険しい所らしくて……虫除けの匂い袋は有るので!」
「じゃあそのコトブキチャノキの採取に行きましょうか!」
良い感じにそのコトブキチャノキを持ち帰れば新しいお茶を飲めるかもしれないし、これはちょっと楽しみだな!




