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託される思い

「なんの為、かぁ……」

 うーん、包み隠さず言っちゃって良いんだろうか?


「貴方の……本当の気持ちを…教えて欲しいん…です」

 メリアさんがそう言うのなら言ってしまうか


「多分、本当の根底の部分で言うのなら僕は楽しみたいから戦ってるんだと思います。あっ、戦う事が好きって意味じゃないですよ?」

「「?」」

 メリアさんとコピーメリアさんが頭に疑問符を浮かべている。楽しむ為に戦うって言っておきながら戦う事が好きという意味じゃないと言われれば当然か


「うーん、例えば誰かを守りたいって理由はその守りたい人が居なくなったら悲しいからとかその後の人生がつまらなくなるからだと思うし、最強になりたいとかは負けるのが嫌、とか負けたら面白くないとかそういう気がするんですよね?」

 どんな想いでも根底の部分は自分が楽しくない思いをしたくないって考えが僕の持論だ


「自分が嫌な思いをしなければ極論自分に関係無い人や、嫌いな人が困っていても手を差し伸べるとかしないと思います。まぁ、困っている所を見ちゃったら手助けくらいはしたいんですけどね……だから誰でも助ける聖女様の話を他の人から聞いた時は僕みたいな人よりずっと凄い人だなぁ……と思いましたよ」

 僕の手も目も届かない所で困っていても助ける事なんて出来ないし、嫌な相手だったら困っていても助けないかもしれない


「……」

 メリアさんは黙って僕の話を聞いてくれる


「自分に力が無ければ自分の意思を押し通す事も出来ない。だから僕は自分に正直に、楽しく生きられるように……言い換えるなら自己満足の為に戦っていますかね?」

 包み隠さず言うのであれば僕は自己満足の為に戦っているんだろう。これはゲームに限った話では無い気がする。現実だって自分が満足出来る生活を手に入れる為に勉強したり、仕事をするんだろうから


「ありがとう…ございます……貴方の嘘偽りの無い…正直な気持ちを…聞かせてもらえました」

「普通の人じゃないとは思っていましたけど、ここまで正直に話すとは……」

 なんか酷くない?正直に話してって言うから話したのに……


「だって、取り繕った所でトレントとかいっぱい倒した後だし……」

「「ふふっ」」「ぷふっ」

 なんで笑うかなぁ?というか噴き出した声が聞こえたぞ?モニクも居るなこれ?


「モニクさん…」

「ふふっ……はい」

 まだ口元が笑ってるモニク。またデコピンしてやった方が良いだろうか?


「さっき話した…あれを……持ってきてください」

「分かりました」

 僕達が外で待っていた間に3人で色々と話したんだろう。モニクが何かを取りに何処かに行く


「ハチさん…私も……貴方と同じです」

「僕がメリアさんと同じ?」

 どういう事だろう?


「私も…助けるのが楽しいから…色んな方を……手助けしてきました…その結果……聖女と呼ばれた…だけなんです」

 それはそれで普通に凄い事では?人助けが趣味みたいな物でしょ?


「でも…私には……生きる力が…足りなかった……でも…ハチさんなら……私よりももっと…立派な人に…なれる気がします」

「何となく私もハチさんには他の人と違う何かを感じていました。それこそメリアの様な他の人では出来ない何かを成す力を持っていそうだと」

「持ってきました!」

 メリアさんとコピーメリアさんが僕にエールを送ったと思ったらモニクが何か箱を持ってきた


「ふふっ……どうぞ」

 手渡された箱を開けてみると中には修道女(シスター)の服が入っていた


『聖女の戦闘用修道服 を入手』


「あの……僕男なんですけど……」

「まぁまぁ、似合いそうだから良いじゃないですか?」

「その…嫌でしたか?……私が…持っている物だと…これくらいしか……残っていないというか…」

 ちょっと待って?これメリアさんの服なの?


「メリアさんの服ならちょっと貰い難いんですが?」

「私では…もう着られないので……色々と加護も付いていて…捨てるのも…勿体無いので…出来れば貰って欲しいなと」

「ならモニクが着た方が良いんじゃ?」

 僕よりはモニクの方がシスターとして教会に居る分、持っていた方が良いんじゃないか?


「この服の性能を考えたらボクより師匠が着た方が良いです。それに、こんな聖属性の強い物を身に纏ったらボクじゃまだ耐えられないです」

 あぁ、そっか。元々は聖女(メリア)さんの物だからそういう事があるのか。その可能性は失念してたな


「うーん……でもなぁ?」

「生きてた時の…服ですし…その服は着た事が…無いので…気にしなくても……良いですよ?」

 あ、着た事が無い服なんだ。そういえば戦闘用って書いてたな?戦う訳じゃ無いのなら着てないのも納得だ


「出来れば男物の方が良いけど……一回着てみようかな?」

 試しにローブから戦闘用修道服に着替える。白いローブから黒い修道服に変わる。戦闘用だからか、ぱっと見スカートかと思ったけどちゃんとズボン状になっている。これなら回し蹴りとかしても気にならないな?というか頭のダブルヴェールまでセットなんだ……目元を隠す方のヴェールは特殊な模様が付いていて、ちょっと普通のヴェールよりも布っぽく、僕の顔が見えないのもポイント高い。これなら僕が着ても結構違和感無くて良いかもしれない


 ---------------


 聖女の戦闘用修道服


 レアリティ ユニーク


 MIND +300


 耐久度 破壊不可


 特殊能力 精神防壁(※1)聖女の祈り(※2)聖域展開(※3)聖属性付与(※4)

(※1 MINDの数値を元にしたシールドを出す事が出来る)(※2 祈りを行う事でMPとHPが回復する)(※3 1日に1度自身と周囲の味方に、展開後即時HP全回復し、HP・MPの自動回復を付与し、DEF、MINDを50%アップし、状態異常を解除した上で無効化する聖域を10分間展開出来る)(※4 攻撃時と防御時に聖属性を付与する)


 とある貴き聖女の為に作られた加護の込められた戦闘用の修道服。だが、心優しき聖女はこの修道服を身に纏う事は無かった


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 着ても良いかもしれない?着させて下さいというレベルの装備だった



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― 新着の感想 ―
[気になる点] ハチ君は男の娘なんですか⁉︎(←超重要)
[一言] 野生ハチ>村ハチ>じょそう...じゃなくてシスターハチ(今ここ!)
[良い点] たたかうシスター!! [気になる点] 首輪、手枷、足枷をつけたシスター……なんだろう、すごい背徳的ですね。 攻撃に聖属性なるなら投げ銭が聖魔属性4回攻撃に!? このシスター服着て…
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