戦女帝
「一旦宮殿の方に……お?」
イクサバンに行き、宮殿の方に向かうと、以前お世話になった銀髪のあの人の姿が見えた
「こんちわー。お久しぶりですニーニャさん」
「あ、ハチ。久しぶり」
ニーニャさんに話しかけて街の現状でも聞いてみよう
「イクサバンの街はその後どうです?」
「あれから鍛錬を積んで、奴らには負けない。これも水をくれたハチのお陰」
温泉の機構を作るついでにここに水が出る装置をあげたからそれのお陰で色々とこの街の人達も豊かになって戦力拡充とかしたのかな?
「まぁ、前に来た時よりも色々と建物が良くなってたりしてるから本当に発展したんだろうねぇ……」
「そうだ。陛下がハチに会いたがってる」
「あの人が?」
イクサバンの女王って滅茶苦茶バトルジャンキーだったし、今の僕には丁度良い練習相手になってくれるかな?まぁ流石に女王様と手合わせさせてとは言わないけども……
「そのまま宮殿に来て」
「まぁ、呼ばれてるなら行きますか」
何かあるか分からないけど、宮殿に入ってみよう
「陛下。ハチが来た!」
「待っておったぞー!」
「うおっ、あぶなっ!?」
玉座らしき所から飛び、僕に対してライダーキックで突っ込んで来たイクサバンの女王様。一歩引き、両手で女王様の足を掴み、そのまま回転してキックの威力を殺して女王様を目の前に降ろす
「流石だ!このような応対が出来る物は早々居ない!うむ、やはり我が婿に相応しい!」
「それはお断りさせていただきますが、何か御用でもありましたか?」
とりあえず、用があるなら聞こう。何か本当に重要な事があればモルガ師匠経由で僕に伝えられるだろうけど、そうじゃ無いなら意外と些末な事なのかもしれないし
「むぅ、やはりダメか……まぁ良い。ハチよ。我らが開くイクサバンの闘技大会に出ぬか?」
「イクサバンの闘技大会ですか……」
普通にそれは良い経験になりそうだけど……
「あの陛下?それって対戦相手は全員女性だったりするのですか?」
「そりゃあ、このイクサバンでの戦いだぞ?当たり前だ」
や、やりづらい……
「それはちょっと勘弁して頂けないですかね……別に女性を殴ったりするのは趣味ではありませんし、闘技大会にはあまり良い思い出が無いので……」
僕は好きで女性の髪を引っ張ったり、目潰ししようとしたり、心臓を抜いたりはしない。今でこそ許してはもらったけど、あれは無かったよなぁ……
「そうか……我らに繁栄を齎してくれたとも言えるハチとやり合える事を楽しみにしている者達も居るのだがなぁ……主に私とかな!」
これが国のトップ……いやまぁ、強い王に付いて行くって感じはイクサバン全体から感じるけども……それで良いのかと言いたい
「分かりました。陛下、それなら出来れば人に見られない所でしたら、お手合わせ位なら出来ますが……」
「よし、早速準備しよう!皆の者!急いで支度せよ!」
「「「「「はっ!」」」」」
急いで支度……あれぇ?おかしいねぇ?どんどんこの場で戦いやすそうに邪魔な物が片付けられていくねぇ?
「よし!では早速やろう!ハチよ!」
「分かりました。どちらかが「参った」と言うまでにしましょう」
「あぁ!ここは別に幾ら壊しても構わんぞ!」
「なるほど、陛下。1つお願いしてもよろしいですか?」
「ん?なんだ」
「もし、陛下が怪我された場合は私がすぐに治療いたしますので、よろしいですね?」
「ほう?怪我を負わせる自信があるのだな?良かろう。皆の者、手出しはするなよ?」
一応、前に手合わせした時みたいにデコピンで済ませるみたいな事はしないぞ?と忠告を入れておく。今の僕には【闘気開放】があるし、その辺も練習したい事を考えたら、怪我の1つや2つは覚悟してもらわなければならない。それを考えると、相手が出来そうな相手は確かに陛下だけかもしれないけど……これを許可するのはマトモな国ではないとは、相手してもらう立場だし、この場では口が裂けても言えないな
「ハチの本気を一部でも見せてもらえるのだぁ!これはまたとない好機!さぁ、始めよう!」
パワー系という面で言えば、あの道場の姉弟子とも似たタイプではあるだろうけど、あの人は道場に居たからか、ある程度型があるパワー系。こっちはどちらかと言うと、虎みたいな獣を相手にするかのような野性的パワー系とでも言えば良いだろうか?
「ええ、始めましょう」
いきなりだけど、面倒な説明とかしなくて良いし、こっちとしても好都合だ
「はっはー!」
「いきなり元気ですねぇ!」
飛び上がり、空中で縦に3回転しながらの踵落とし。間違いなく防ごうとしたらその防御の上から破壊されかねない威力があるだろう。基本的にこの人の攻撃は1撃でも喰らうと戦闘を継続する事がとんでもなく厳しいだろう。だからこそ絶対に直撃は回避する必要がある。でも、大きく回避すると反撃する時間がないから紙一重の回避をしなければならない
「な、なんだその動きは?」
「さて、どう見えますか?」
だからこそ、ゆらゆらと揺れ動く葉の様に、波の様に動く。ふざけてる様に見えるかもしれないけど、これで良い。喰らうとタダでは済まない一撃。だからこそ、システマで行く!




