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温泉エリアの先輩

「どう?やっぱり全身が水の中に入れる方が良いかな」

「ん-、体の何処かが、触れてれば良い?」

 疑問形だけど、上半身が水から出てたりしても問題無いみたいだ


「そうだなぁ、温かい水とか大丈夫かな……」

「分かんない……温かい?」

 まぁ、そうなるよねぇ……とりあえず一旦川に連れてきたけど、どうするかなぁ?クラリさんを宝石大好きなヴァイア様の池の方に紹介すれば身の安全は保障されるだろうけど、宝石をいっぱい出せって言われるかもしれない。温泉の方は……どうかな?まず適応出来るかどうかが怪しいか


「よし、じゃあ行ってみるか。へい」

「わかった」

 また泡沫バッグに顔出しの状態になったクラリさんを連れて、温泉に向かう


「確か、この辺が一番温めだったかな。ここの水に触ってみて」

「……これが温かい?」

「大丈夫そうなら入ってみて」

「はふぅ……」

 促すと、バッグからにゅるんと温泉に入るクラリさん。何となく気持ちよさそうな表情だ


「気持ちよさそうだね。他の人もいっぱい居るけど、ここどう?」

「ここ、良い……好き」

 色んな人が居ればもしかするともっとクラリさんは喋りやすくなるかもしれない。ここなら桶とかに水を入れて触れながら移動とかしても問題無いよね?


「ふぇ……」

「一応、水風呂の方も行ってみるか。はい、こっちこっち」

 このまま半分とろけてる様な状態で放置は良くない気がするし、一旦水風呂の方に連れて行こう


「しゃきーん」

 サウナエリアに連れて行って水風呂に入れてみたら、大分さっきのふにゃふにゃ具合からシャキッとした。やっぱりこうなるんだなぁ……


「まぁ、こんな感じで暖かい所も冷たい所も用意してるから」

「ん-、良い。ここ凄い気に入った」

 一応、色々な所もあるし、楽しんでくれてるならここで大丈夫そうだな


「おや!ハチさん?そちらの方は?」

「あぁ、セッカさん。こちらの方はクラリさん。新しい仲間ですね」

「どうもー、えっと、セッカと言います。良かったらお近づきの印に」

 かき氷を出すセッカさん。いやぁ、セッカさんも大分ここでの作業にも慣れてるみたいだなぁ


「これは?」

「冷たくて甘い物だよ。せっかくだし食べてみて」

「ん、しゃきーん」

 かき氷を一口食べると更にシャキッとした。冷たい物をあげたらシャキッとして、温かい物をあげるととろける……丁度良い温度を保つとなると、プールの所かな


「この方は何か作業とかはするんでしょうか……だとしたら先輩として色々教えてあげないと……」

 前は飲んだくれてダラダラだったセッカさんがここまで真面目になるなんてなぁ……


「言語能力も本当に最近入手したばかりみたいで、今の所はまだ何も決めてはいないんですが、まぁ、将来的にはプールの所とかで監視員みたいな事でも出来ないかなとは思ってます」

 まぁ、監視員が居たとしても、普通に周りの人でも助けられる状態だとは思うけど、何か仕事を与えるとするならプールの監視員(形だけ)って所かな


「なるほど、そういう事でしたか。というと、その内お仕事仲間になるかもしれないって事ですね」

「まぁ、そうですね」

 正直この温泉エリアで言えばセッカさんは割と古株な部類になって来たし、新しい仲間が増えるって言うのは嬉しいのかもしれない。出会った頃のセッカさんのままだったら後輩が入って来たら仕事全部任せるみたいな事をしてもおかしくないけど、今のセッカさんなら人を任せる事に全然不安は無いな


「もし、そうなったらセッカさんにお任せしても良いですかね?」

「そうですねぇ……ここでのお仕事も大分慣れて、他にも作業を増やしてますが、新しい仲間が増えるのでしたら、楽しいでしょうから是非お任せくださいと言っておきましょう!」

「おぉー」

 頼もしいなぁ……


「あ、そうだ。クラリさん。宝石って今出せます?」

「ん、これくらいで良い?」

 10個程度の全部色が違う宝石がスカートの裾部分に出てきた


「セッカさんには説明しておきますが、この子は宝石を生み出せます。なので、下手にこの情報が出回ってしまうと、良くない人に知られるとあまり良くない事になるかもしれないって事だけ覚えておいてください」

「マジっすか……」

 まぁ、宝石を生み出せる存在なんてそりゃあビックリだよなぁ……


「えっと、その宝石って貰っても良い?」

「分かった。じゃあ連れて来てくれたお礼」

 クラリさんがそう言うと、スカートの裾部分に出ていた宝石を取って手渡してくれた


「あ、なんか乾く……」

「うおっ!よいしょ!」

 宝石を渡してくれたと思ったらクラリさんの体が絞んでいく。なので急いで水風呂の中に突っ込む


「しゃきーん」

「もしかして、宝石を作る時に水分が必要なのかな」

 最初に見せてもらった時は完全に水中で出してたからそんな乾くなんて事は無かったけど、地上でやっちゃうとそういう事が発生しちゃう事も有るんだな


「セッカさん大丈夫そうですか?」

「これは……中々大変かも」

 よし、これは、僕がどうにかしないといけないな


「頑張って何とかしてみようと思います。この宝石が有ればもしかすると何とかなるかも……」

 今クラリさんから貰った宝石を使って何かしらのアクセサリーを作って、クラリさんを何とか出来れば色々解決出来るんじゃないかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 乾くと弱る……体の一部が濡れている必要がある……皿のないカッパみたいなもんかな?
[一言] ととのいまくりじゃないかクラリくんちゃん! そのうちサウナにはまりそうw
[良い点] 温めすぎるとそのまま流れていってしまいそうw
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