修理練習
「どうもー、ちょっと良いですか?」
「えぇ!?ハチさん!?どうしてここに……」
地底都市アグラウドの鍛冶師の所にやって来た。鍛冶仕事であればセカンドラの所に行くべきかもしれないけど、まだ僕の事を知っているだろう人が居るアグラウドの方が良いだろう。何かするにもアグラウドの方が動きやすいしね
「いやぁ、ちょっとここで武器防具の修理の練習とかしたいなと思って、見学とか実際に修理とか出来るかなぁと思って来たんですが……どうでしょう?」
「えっ!ハチさんが修理を?」
凄い驚かれてる。そんなに驚く事かなぁ?
「い、いったい何故そのような事を……貴方でしたらそれこそ我々の様な者に修理を依頼すれば良いだけの話なのでは……」
「まぁ、職人に依頼するのが一番なのは分かるんですが、いつか長期の行動をしなければならない時とか職人の方が居ない所に行かなきゃいけない時に自分や他人の装備を修理をする為にもそうした技術を得たいなと」
やるとしても防具の修理がメインだろうけど、これが出来れば僕の汎用性もかなり上がる気がする
「いやはや、素晴らしい向上心です……」
「で、どうでしょう?お仕事を見せていただいたり、体験させていただく事って出来ますか?」
「そういう事でしたらどうぞどうぞ。あぁ……鎧が有るのでこれで練習してみましょうか」
ありがてぇ……大分押し付ける感じで言ってしまったけど、練習させてくれるのは助かる
「これはまた大分へこんでますね……これを着てた人は大丈夫だったんでしょうか?」
「ははは……まぁ、見ての通りです」
「え?これを着てたのって、貴方なんですか?」
「えぇ、これを着ていなかったら危なかったでしょう」
普通にこのへこみ具合とか、あばら骨とか折れてても不思議じゃないのに……凄いな?これもゲーム的な要素なのかな?まぁ、鎧がこれだけへこむ攻撃とか普通に喰らったら、致命傷だし、生きている事を考えると、そう考えるべきか。もしくはプレイヤーが関与している攻撃かどうかとかも関わってくるのかな?
「ともかく、これを修理してみましょう。修理作業をするには基本的には修理ハンマーによる修理が基本となります。これが修理ハンマーです」
そう言って見せてもらったのは片面が丸くて、もう片面が先細りしているあんまり見ないハンマーだ
「これが一般的な物ですが、サイズとかも色々あって使いやすさは人によって違うので、もしかするとうまく行かない可能性もありますが、まずはやってみましょう。鎧の内側からへこんだ所を元に戻す様に丸い面で叩いてみてください」
「了解です」
ハンマーを貸してもらい、鎧の内側からへこんだ所をハンマーの丸い面で叩く。なるほど、そこまで力を入れず、ほぼハンマーの重さだけで叩いているけど、この位でも普通にへこみが直っていく。力を入れればもっと簡単に直りそうだけど、道具も鎧も僕の物ではないから、軽く慎重に叩いて行こう
「素晴らしい……鎧にも、道具にも慈しみを感じます。修理をすると元々の耐久値が下がったりするのですが、ここまで優しい修理を行うとその減少もとても少ないですね」
「普通の修理とは違うのですか?」
「あの程度のへこみでしたら普通はもっと力強く叩いて4,5発で直してしまいますね。丁寧な仕事とは言えませんが、数をこなすには、1つ1つの装備にそこまで丁寧に時間を掛けて修理は出来ません」
なるほど。確かに修理専門でもない限り、鍛冶師として行動するなら新しい武器や防具を作ったりする方に時間をかけるだろう。レアリティが高い物を修理するとかになると時間を掛けてやるかもしれないけど……そういった物は基本的に自動修復とか、元から破壊不可とか付いてそうだし、修理技術だけが高いって事はあんまり無いのかもしれない
「こっちの先細りの面はどう使うんです?」
「こっちが修理ハンマーの凄い所とも言うべき所でしょう。これは、例えばこういった切れている部分を端から叩いて行って修理する事が出来るのです」
別の鎧を持って来て、その鎧の剣で刺された様な傷に対して先細りのハンマーで叩くと、その傷が徐々に塞がって行った。何となく溶接でもしている様な感じかな?
「なるほど、こういう修理が……」
「単純な修理はこれで出来ます」
「基本的な……という事は応用が有るんですね?」
「ええ、先程のはまだ簡単な物ですが、場合によっては防具は敵の攻撃を防いで、欠けたり溶けたりして修理箇所その物が無くなってしまう時もあります」
まぁ、鎧だけを溶かすスライムみたいなのが居たら、修理する箇所が無くなってしまうって言うのは分かる
「そういうのも修理する事が出来るんですか?」
「修理の粉は知っていますか?」
「あぁ、前に一回だけ使った事があります」
棄てられた教会でロザリオの修理に使ったなぁ……
「それを使うか、もしくは再生させるかですね」
「再生?」
装備を再生……防具とかも回復させる事が出来るのかな?
「そうですね……その辺の事を知りたいのであれば……失礼ですが1つ頼まれてくれませんか?」
「おっ、何でしょう。出来る事なら頑張りますよ!」
これはクエスト発生かな?




