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ホール係ラストスパート

「お邪魔しまぁす」

「どもっ!」

「いらっしゃいま、あっ……」

 何処かで見た幽霊とうさぎの着ぐるみがやって来た。うわぁ、揃っちゃった




「……な、なんだあの席」

「す、すげぇな……」

「この場面……写真に撮っても良いのかな?」

「えっと、そうですねぇ……じゃあ私はオムライスにしましょう。ケチャップのお絵かきもお願いしますね~」

「じゃあ、メロンソーダとストローをお願いしやっす!」

 凄いな。着ぐるみは絶対脱がないという覚悟だコレ


「分かりました。他にご注文はございますか?」

「あ、忘れる所でした~。写真もお願いします~」

「そうそう!チェキよろしくっス!」

 幽霊、着ぐるみ、女装メイド。凄い写真になりそうだなぁ……


「分かりました。では少々お待ちください」

 まぁ、まずは注文を通して、チェキだな


「はい、ではチェキを撮りましょう」

「はいチーズ!」

「「「いえーい」」」

 2人共ノリノリで僕を挟んで写真を撮る。一応この人達と仲が良いとまでは行かないだろうけど、ピースして皆に合わせる。その場のノリのハズなのにスッと3人の動作を揃える事が出来たなぁ


「はい、ではもう少々お待ちください。メロンソーダでしたらすぐにお出ししますので」

 とか何とか言っている間にもうメロンソーダは準備出来てた。ならもう出しても良いな


「はい、お待たせしました」

「おー来た来た!っぱコレだねぇ!」

「ん~、ウチにはないタイプ……こういうのも良いなぁ」

 単純に楽しんでる着ぐるみさんと、何か活かせそうと考えてる幽霊さん。いやぁ、でもこの状況。話題性はバッチリだよなぁ


「あそこだけハロウィンみたいだ……」

「凄い事になってるな……」

「なんか凄い事になってる喫茶店ってここ?」

 色々言われてるけど、大分繁盛してると思う


「どうも~、良かったらあっちの幽霊喫茶もよろしく~お墓羊羹がオススメですよ~。家名入れちゃいますよ~」

「あっ、着ぐるみカフェもよろしく!」

 宣伝雑ゥ……でも、まぁ確実に宣伝は出来てると思う。着ぐるみの人は便乗って感じだったけど、幽霊の人は結構狙ってやってる感じだ。こっちの人はやっぱりやり手な感じだなぁ……しかもあの時半分冗談で言ったホワイトチョコで家名を入れるみたいなのも既にやってるのか?


「へぇ……ちょっと後で行ってみる?」

「お墓羊羹ってどんなのだ?」

「気になるし、後で行ってみよ」

 わぁ、結構宣伝が成功してるなぁ……やっぱやり手だなぁ?


「お待たせしました。オムライスです。絵はどの様な物を描きましょうか?」

「そうですねぇ……どんな物でも良いんですか?」

「……無理の無い範囲でお願いします」

 これで、なんか幽霊の雰囲気に合わせて滅茶苦茶難しい絵みたいなのを要求されても困るから出来れば簡単な物が良いなぁ……


「いやぁ、ストローのお陰で助かるぅ!」

「じゃあ、せっかくだし、今のこの状態のこの人をケチャップで絵にしてくれる~?」

「なるほど……完璧には出来ないかもしれませんが、可能な限り再現を頑張ります」

 良かった。風景画とかじゃ無いなら何とかなりそうだ。着ぐるみだったら……何とかなるかな?


「わ、かりました。では少々お待ちください」

 ストローでジュースを飲むうさぎの着ぐるみ。これを絵にするのなら、ある程度のデフォルメは必要だ。デフォルメして線を減らさないと、オムライスがケチャップまみれになってしまうし、線も普通のペンに比べれば太いから細かく描こうとしても、表現が難しい




「この様な感じで如何でしょうか?」

 ある程度デフォルメして作ったジュースを飲むうさぎの着ぐるみ。どうかな?中々良い感じだと思うんだけど……


「「おぉー……」」

 割と線は減らして描いてみたけど……形はちゃんとしていると思う。結構頑張ったぞ?


「凄いですねぇ……即席の御題でこんなに上手に描けるなんて」

「凄いっスね!これめちゃムズイんじゃ……」

 まぁ、確かに難しさはあった。でも何とか、うさぎの着ぐるみも簡略化する事で普通にうさぎのマスコットキャラ的な物に落とし込めたから、後は飲み物を表現するのが少し難しかった位かな?


「お客様の要望に可能な限り応えようとしたまでです。お気に召しましたか?」

「勿論。どうもありがとう~」

「あざっす!」

「では、ごゆっくりどうぞ」

 ふぅ……一応何とか凌げたみたいだ。いやはやここの席。本当に周りの誰かが言っていたけど、ハロウィンみたいな纏まりの無さだ。でも、これでこそお祭り感があって良いのかも


「すみませーん。オムライスと連絡先1つ!」

「はい、オムライスと本校の番号です」

「え?」

 どうせ、冗談を言って来る人も来るだろう読みで用意しておいた学校の電話番号。まさか本当に使う事になるとは思わなかった。君ら正気か?相手が男だって分かっててその妙な口説きみたいな事をしようとしてるのか?


「あと少しだな……」

 やっぱり、忙しいと時間が経つのもあっという間だ。もう13時になりそうだな


「いらっしゃいま……あれ?」

「1人、大丈夫ですかね?」

 まさかの菖蒲さんがやって来た。マジか普通に男装の姿で来たぞ?



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― 新着の感想 ―
[一言] 美女と野獣ならぬ美少女と幽霊とウサギ、だが男だ! まあ、それはともかく、最終的には搾り穴を1ミリくらいにした細密画を描きそうなハチくん様であったw と言うか、野獣の眼光を持った男装女子がー!…
[一言] 連絡先を問われて学校の電話番号を渡すのは流石に草なんよ
[一言] アイリスさん、それ職権濫用です
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