幽霊喫茶
「うらめしや~。こちらメニューですぅ~」
白装束で、頭に三角の布を付けた人が出てきた。いやぁ、これはまた凄いインパクトだな?でも、割と凝っててコンセプトに忠実でそういう所は良いと思うな
「えっと……ん?」
メニュー表を見てみると、そこには『お墓(羊羹)』とか、『頭蓋骨(饅頭)』とか、『火の玉(団子)』『名前を呼んではいけないお菓子』とか色々なメニューがあった。見た所幽霊喫茶は和菓子が主体の様だな?
「あの……すみません。この『名前を呼んではいけないお菓子』って言うのは……」
「それは、呼び方が各地で変わるので、色々な人に配慮して名前は伏せていますぅ~。私は今川焼き派閥で、お客様は……おっと、これは違反でしたね~。うらめしや~」
あぁ……それは確かに名前は伏せた方が良いかもしれない。アレは呼び方が多過ぎるもんなぁ……というか派閥ってなんだ……お客さんをその派閥に引き込むみたいなのはダメみたいなルールでも作ってるのかな?
「えっと、どうしよう……それじゃあ、折角なら『名前を呼んではいけないお菓子』と『お墓』と『お茶』を1つください」
「名前を呼んではいけないお菓子の味はどうしましょう~?色々用意してますよ~」
確かにメニューにはあんこ、カスタードクリーム、チョコとか色々用意されている。そうだな。羊羹とあんこはちょっと被っちゃうし、チョコも色が被っちゃうから、カスタードクリームにしよう
「じゃあカスタードクリームをお願いします」
「分かりました。では少々お待ちください。うらめしや~」
その「うらめしや~」随分と汎用性高いなぁ?
「うぅぅ……やっぱこれは無いって……」
さっきの幽霊みたいな人の他に顔に車輪みたいな物を付けた黒い全身タイツを着た人も居る。あれは……輪入道のつもりか?全体的に和風なんだけど、作業の邪魔にならない様にとかを考えた結果がアレなのか?あの人はちょっと可哀想だなぁ?
「こっちは首が疲れる……」
なんだアレ……頭の形凄い事になってる……あ、ぬらりひょんかな?あれは頭に何か括り付けてやってるのか?ここ意外と大変そうだな?そう考えると、ただ服を着替えただけで済む僕らは全然楽かもしれない
「お待たせしましたぁ~。それではどうぞごゆっくり。うらめしや~」
お、来た来た。名前を呼んではいけないお菓子とようか……お墓。あとお茶が来た。わぁ、名前を呼んではいけないお菓子には焼き印で「私の名前は?」とか書いてるし、羊羹はサイズが違う物を使っているのか、組み合わせてお墓っぽい形にされてる。なるほど、結構凝ってるなぁ?
「じゃあ、頂きます」
うん、普通に甘くて美味しい。羊羹で作られたお墓も見た目のインパクトは凄いけど、普通に食べ難いから、倒して食べるけど……これを崩さない様に立てたまま食べるのとか無理だろ……でも、これはちょっともったいないよな……
「うーん、流石に羊羹にホワイトチョコは合わないかな……」
「おやおや~?もしかして私達何かやっちゃいましたか~?うらめしや~」
どうするかな。一応思いついた事の提案だけしてみるか?
「えぇっと、せっかくならこのお墓にホワイトチョコのペンとかで家名みたいな物とかを書いてもらえたら見た目的にもより映えるかなって」
形がお墓ならいっその事家名とか書いてくれたら更に雰囲気が出ると思う。ちょっとした話題作りだけど、流石に学校でこれは不謹慎って事で止められちゃうかな?いや、もうこういうの出してるから今更か
「なるほどぉ。それも良いですね……ちょっと追加でチョコペンを買って来てオプションで好きな文字を書き加えるって言うのも良いですねぇ?良い案をありがとうございます。うらめしや~」
まぁ、流石に今から用意するのも大変だろうし、お世辞として言ってくれたんだろう
「ご馳走様でした。お代はここに置いておきますね」
「はいどうも~。また起こしくださいませぇ。うらめしや~」
「あ、そうそう。昼からになりますが、僕も隣の喫茶店で働きますので、良かったら来てください。お互いに中々二ッチな出し物ですし……」
ある意味助け合いみたいな感じでお客さんの数を嵩増しする為にも声だけは掛けておこう
「あぁ!もしかして隣の男装女装喫茶の人でしたかぁ~。それでしたら後でお邪魔させてもらいますねぇ~。あ、因みに写真とかは良いのでしょうか?」
「あ~、多分大丈夫だった……かな?」
さっき手伝った時にチェキ1枚100円とか見えた気がするけど……気のせいだったと思いたい
「分かりましたぁ~。それではまた後程~。うらめしや~」
……流石に着替えて来るよね?この幽霊の恰好で来たら、幽霊の相手をする女装メイドとかいう、ものすごいカオスな景色になりそうなんですが?
「あ、良かったら、もう少し先にある着ぐるみカフェの方にも行ってあげてください~」
「分かりました。まだ時間がありますし、そっちも見てみます」
うん、やっぱり今回の文化祭色物多いって……




