ノリノリ改造班
「とりあえず、こちらの人魚さん達を送ってから色々お話しましょう。彼らが海でも活動出来る様にお話を聞かせてもらう為に呼んで来たので」
「ほほう!地形対応!それはアレか?全対応か?それとも……」
「一応、パッケージ方式で各地形対応の物を用意する予定で進めてますね」
「素晴らしい!やはり換装の方が良いよなぁ!」
その気持ちは凄く分かる。確かに、ロボット物のアニメとか結局最後は全地形対応とかになっちゃうけど、その過程とかで出て来る換装型装備とか結構好きなんだよなぁ……どうやらヘックスさんも換装とかの方が好きらしい
「全地形対応も確かに良いが、ここの者達が誰でも、何処にでも行けるという事を可能にするには換装式にした方が良いだろう。全員を全地形対応にするには時間も資材も足りないだろうしな」
「そうですね」
確かにそうだ。新型試作機とか、ワンオフ機体みたいな主人公機的なのはどこにでも行ける様に全地形対応型にするのが良いだろうけど、ここの島のオートマトン達が誰でも、つまり量産機が色んな所に行ける様にするなら基本設計から全て作り直す様な大改造ではなく、追加装備で行ける様にした方が早いし、楽だろう
「それこそ、この島のリーダー機が全地形対応になる位なら何とかなるかもしれない位ですかね?」
「そうだな!やっぱりリーダー機には角が無いとな!」
あれぇ?話通じてます?
「まぁ、角の事は一旦置いておいて、まずは皆で開発室に行きましょう」
スキャンをするにも、改造案を出すにも、開発室に行かないとね
「よし!そうと決まれば行こう!早く行こう!」
いやぁ、今日はヘックスさんがご飯前のモルガ師匠みたいだなぁ
「なんだか凄そう……」
「なんか楽しそう」
「いや、この人……人?」
「ヘッちゃん今日はノリノリだねぇ?」
そりゃあ、好きな物がこれだけあれば楽しそうだよなぁ……
「あ、どもども~。人魚さん達を連れて来ましたよ」
「コ、コレハコレハ、ヨウコソイラッシャイマシタ!」
「楽にしていい」
「ハイ」
「「「ど、どうも……」」」
そりゃあ、そんな反応にもなるか。ヘックスさんに対してめっちゃ頭を下げているオートマトンさん。そのせいか、3人共ちょっとビビってるかもしれない
「で、この子に泳ぎを教えてあげて欲しいんですよね」
「「「この子に?」」」
「ジッサイニオヨイデイルスガタヲ、ミセテイタダイタリ、スキャンサセテイタダキタイノデスガ、ヨロシイデショウカ?」
「そのくらいなら別に……スキャン?」
「まぁ、それなら……スキャンってなんだ?」
「泳いでいる姿を観察。ねぇ……」
相変わらず訝しむねぇ?まぁ、分かるけども
「コチラヲツケテ、オヨイデイタダクコトハ、カノウデショウカ?」
何かセンサーの様な物を出して、人魚達に見せる
「コチラヲツケテイタダイテ、オヨイデモラエレバ、データヲアツメルコトガデキマス」
「別にこれを付けて怪我をするとかは無いと思うので……あ、ヘックスさん?話は後でしても問題無いですかね?心配なら僕もそのセンサーを付けて一緒に泳ぐんで、それなら問題ないですよね?」
毒見の要領で、自分も一緒にやると言えば、少しは不安を和らげる事が出来るだろう
「流石にそこまでしなくても良いわ。まずは私がやる。その後から2人のデータも必要ならやれば良い」
「ワカリマシタ。ソレデハヨロシクオネガイイタシマス」
「よし!それじゃあハチ!まずは島の現状を紹介をしろ!」
「わ、分かりました……ごめんエギアさんとエフィーレさんはここでモルガ師匠と一緒に待ってて?えーっと……はい、師匠。これ皆で食べてください」
適当にインベントリから出したお菓子の類をモルガ師匠に渡す。勿論、2人の前で出して渡したからモルガ師匠が独り占めなんて事は出来ないだろう
「では、まずは現状の確認をさせてもらおう」
「そうですね。現状は……」
「ンおぉぉ!ハチ氏!」
「あ、タテさん!まだ作業してたんですか?お疲れ様です」
「えぇ!ンですがァ!かなりこの島はン発展しましたぞォ!港ォ!生産施設ゥ!開発室ゥ!修理施設ゥ!ン全てミスリル含有の建材で作られていますので、ン魔法で攻撃されても、大砲で攻撃されてもンビクともしませんぞォ!」
タテさんまさかあの時からずっとやってたのかなぁ?既に色々と施設が完成してる。しかも今ので状況説明もほぼ終わってる様な物だよなぁ……
「なるほどな。素晴らしい。これは改造のし甲斐がある!」
「ンんん!?これはまた新しいオートマトンの方でしょうかァ!?」
(あ、説明はしてないので、一旦話を合わせてもらっても良いですか?この人がこの島の基礎的な部分を作っているので)
(分かった。そういう事にしておこう)
「そうなんですよ。まぁ、この人はかなり特別な人なので、詳しくは説明する事は出来ませんが……」
「ンええ、勿論追求はしません。ン某は建設出来るだけでありがたいので。ですが、改造ですかァ!これはン見学させていただく事は可能なのでしょうかァ!」
やっぱり改造はロマンがあるから気になっちゃうよなぁ
「どうですかね?改造する所を見るって可能ですかね?」
「それは勿論良いぞ!出来れば改造案も欲しい位だ!」
いやぁ、皆乗り気だからこれはどうなるか分からなくなってきたぞ?




