第二の職
「遂に形に出来ました!」
「うおっ!幽霊か!?」
「噂の幽霊シスターか……」
ハスバさんひょっとして幽霊とか苦手なんだろうか?ダイコーンさんは落ち着いているけど情報収集とかしていたのかな?
「結局何がどう出来たのか教えてくれる?」
シスターさんが喜んでいるのは嬉しいけど、結局何が出来るのかを全く僕は知らないからそろそろ教えて欲しい
「はい!結論から言えば第二の職に就く事が出来ます!」
「「「「えっ!?」」」」「え?」
4人は何か分かっている驚き方。僕は分かってない完全なる疑問
「第二の職だと!?」「それってどんな組み合わせも出来るんですか!?」「同系統の職もいけるのか!?」「ステータスはどうなるんだ?」
4人が一気にシスターさんに詰め寄る。これは話が進まなくなる奴だ。一旦僕が止めよう
「はい、質問はとりあえず後で……シスターさん。ここに皆で立っているのもアレなんで中に入っても大丈夫ですか?」
皆とシスターさんの間に入り、質問攻めを止める。中に入ってシスターさんと一応モニクも説明してくれたら概要は分かるだろう
「わ、分かりました、皆さん中へどうぞ」
シスターさんも皆の質問攻めで引き気味だったから一度アウェーな状態から教会の中に入れてホームな状態にしてあげよう
「うわぁ!人がいっぱい来た!」
モニクがシスター服を着ていた。悪魔がシスター服を着ているとか、前に人を困らせる云々言ってたのに5人で人がいっぱいって言ったり、モニクって本当に悪魔?って言いたくなるのもとても分かる。そしてシスター服似合ってるなぁ?
「モニク着替えたんだ?」
「あ、師匠!どうです?似合ってますか?」
「「「「師匠?」」」」
4人が当然の疑問と言わんばかりにこっちを見てくる。僕はスルーする事を覚えたんだ
「似合ってるよ。シスターさんにちゃんと協力してくれたんだね?」
「はい!色々とここはどういう事ですか?とかの質問に答えて情報を纏めていったらお礼にくれたので着てみました!」
これはシスターさんグッジョブ。幽霊っぽいシスターさんと悪魔シスターモニクの色物シスター2人組がこの教会に居る訳だ。棄てられた教会も結構盛り上がって来たんじゃないかな?
「それじゃあ第二の職について教えてくれるかな?」
僕とあの子との関係性はどういう関係なんだ?とか聞かれる前に皆が気になっている本題を訊ねる。これで全員の頭の中の話題が第二の職の方に塗り替えられる
「はい、では説明します。第二の職はこちらのシスターモニクによって齎された新しい可能性です。まずは前提として剣士の方が剣を扱い、戦う。これは当然ですよね?」
「そうでなければそれは剣士では無いのではないか?」
ロザリーさんが答える。剣士が剣を使わないってじゃあ誰が剣を使って戦うんだって話だよね?
「はい、でも同時に騎士の方も剣を扱い、戦う。これも間違いではありませんね?」
「正確に言えば剣と盾だが……間違ってはいないな?」
ハスバさんが騎士の正確な情報を出すけど、戦うって点でダメージを与えるのは剣だから間違ってないのも納得できる
「そしてシスターモニクはその点に注目し、同じ武器を扱えるのであれば職が違っても共通する物は有るはず……と自分なりに考えられた結果。最終的に天職としての第一の職と、それを補助する第二の職に就く事が出来るのでは?という結論に至ったのです」
「では、例えばの話ですが、天職としての剣士。補助としての僧侶か神官……そういう事も可能なのでしょうか?」
アイリスさんが質問する。それが出来るなら前衛で攻撃しながら回復が出来る頼もしい前衛になるだろう
「可能でしょう」
シスターさんが即、返答する。そういう事も出来るようになるんだ……
「ですが」
でも一筋縄じゃ行かないみたいだ
「ですが、流石に天は二物を与えずと言うべきでしょうか?あくまで第二の職は補助的な物で、技能や魔法は使えても力や魔力まで上がる……というのはまず無いかと」
「なるほど、あくまでステータスは第一の職が基準であって、第二の職を入れた所でその分のステータスが上がる訳では無いと……けど第二の職のスキルや魔法は使えるようになる訳か」
「理解が早く大変ありがたいです」
ダイコーンさんの要約でかなり分かりやすくなった。第二の職は戦い方の幅を広げるのに大いに役に立ちそうだ
「じゃあ今は職の本は戻って来たし、理論も纏まったからここでその第二の職に就く事が出来る……って事?」
「はい!そして、ハチさんが呼んでくださったお友達の皆様も相当お強い方みたいですし、条件も既に達成されているご様子。第二の職に就いてみますか?」
そんな事を言われて断る人間などこの場には居ない。自然と列を作り、シスターさんの前に並ぶ4人。ロザリーさん、アイリスさん、ハスバさん、ダイコーンさんの順だ。仲いいな?
「上手くいった場合、出来れば他の教会にもこの理論を届けて欲しいのですが……ハチさんは無理そうなのでお願い出来ますか?」
これは要するにサブジョブ解放のクエストになるんだろうか?僕は受けれないけどね!
「「「「もちろんです!」」」」
そして旅人達は第二の職に就く権利を得た