建設への一歩
「なるほど、土魔法で地面を成形して固めていたんですね」
「そうそう、結構高度な技術が必要になるんだけどな?」
そう言えば魔法があるのか。地属性の魔法とかでこの港は作られていたのか……
「となると、港を作るには魔法使いが必要って事ですか」
「まぁ、規模にもよるけど、ここくらいのサイズだと地属性を使える魔法使いが20人位で交代しながら作ってたハズだ。お陰で大分早く作れたらしい」
「え、そんなにですか?」
大分凄い人数で作ったなぁ……20人が交代でってなると大分進みが遅いんじゃないか?それほど魔法での港作成って難しいのか
「あぁ、普通の建材じゃ海の水で削られちまうからな。魔法で海の水に削られない物を作るのに大分複雑な魔法を使って作ったらしい」
「ほぇ~そういう作り方だったんですね」
となると、港建設をここと同じやり方でやろうとしたら流石にモルガ師匠だけじゃ厳しいか。となると、ここは錬金術の力を見せてもらうべき場面かな?
「ま、俺が今言える事はこんなモンだな。どうだ?参考になったか?」
「はい。ありがとうございました!」
「おう、勉強頑張れよ!」
学生の街と言っても過言ではない位学生が多いし、宿題の一環とか言えばこういった情報収集もしやすいから楽で良い。情報を集めるならフィフティシア程楽な所も無いんじゃないかな?
「よし、こっちは完了。じゃ次はフォーシアスの方だな」
フィフティシアは魔法使いを使って港を建設したのならフォーシアスの港はどうやって作ったのかな?
「どうかなぁ……ゲーム的にもその辺の作り方まではしっかり作ってないか?やっぱり魔法で作ったって言われちゃうかな?」
一番困るのは魔法で作ると言われてしまう事。まず僕には出来ないし、協力を仰ぐにも今回はかなり大規模になっちゃうだろうから、料理で何とかするのも結構大変かもしれないな……ましてや20人分の働きを任せるとなれば、報酬も20人分寄越せとお菓子だなんだの無理難題を吹っ掛けられる可能性もある。可能な限りあの2人の協力を最小限にしてオートマトン達だけでもある程度形を造れれば良いんだが……
「港の作り方?それは流石に分かんねぇなぁ……でも見た限りじゃ、丸太を打ち込んで作ってんじゃねぇか?」
「港の作り方?わりぃな。利用はしてるけど、作り方は分かんねぇわ……」
「港ぉ?さぁ……」
こっちは情報らしい情報は得られなさそうだ。でもまぁそんな物だよなぁ……スマホは使えても内部構造までしっかり理解して、人に教えられるかどうかは別だ。港を利用しているからってそれがどう作られているか説明してくれと言われても困るか。あの説明出来る人に会えたのが幸運だったんだな
「となると、やっぱり魔法での建設が一番現実的なのかな?」
地形の変更と材質変化とかを考えると、魔法で作るのが一番現実的という矛盾してそうな事になっちゃうけど……もしかして僕が知らないだけでこの世界でも耐水性のセメントとかはもうあったりするのかな?
「いや、待てよ?モルタルは有るよな?レンガ作りの家とかあるんだし……」
モルタルとかで繋がなければレンガ造りの家なんてあっという間に崩れてしまうだろう。でも、レンガ造りの家があるならセメントは有る事の証左だろう。鉄筋コンクリートならぬミスリル筋コンクリート的な物で作れれば魔力が流れやすくて構造強化とかも出来るのでは?
「セメントを入手か作成が出来たら試してみるか?」
魔法で地形を固めて港を作れる事はフィフティシアの港が証明している。となると、コンクリートがあれば魔法を合わせて現実よりも強固な港が造れる気がしてきた
「これは……ちょっと聞いてみるか」
情報と言えばチェルシーさんだけど、意外とこういうのはあっちの方がその手の知り合いとか居るんじゃないかなぁ?
『ハスバさん。今大丈夫ですか?』
『おや、今回はどうしたのかな?また何かやらかすのかい?』
これに関しては正直やらかすと言っても過言ではない気がするから別に否定はしなくて良いだろう
『えっと、建築とか得意な人って知り合いとかに居ます?ちょっと紹介して欲しくて』
今までもトーマ君やメロにゃんさんを紹介してもらったし、聞く相手としては結構良さそうな気がする
『建築かぁ……遂にハチ君そういう所にも手を出すのかぁ……』
『ちょっと建材について質問がしたくてですね。粒ぞろいな人の知り合いが多そうなハスバさんならそういう知り合いも居るかなって』
どうするかな?ハスバさん位なら教えても良いかな……
『建材か……一応紹介出来なくはないが……理由が知りたいかな。一応ハチ君が求める事に関して紹介出来るかどうかもあるし』
『そうですね。ちょっと港を作る事になりまして、セメント、もしくはコンクリートは有るのか気になりまして』
『はぇ~、ちょっと聞いただけでぶっ飛んだ返事が来てビックリだぁ……え?ハチ君、港作るの?』
『はい。ハスバさんも協力してくれるなら色々とお見せしますよ?』
『なるほどね。そういう事なら勿論協力させてもらうよ。そうだね。紹介出来そうなのは1人居るよ。セカンドラに来てもらえるかな?』
『分かりました。それじゃあ向かいます』
よーし、これで港建設は進みそうだな




