港建設へ
「俺達は一応、海底に沈んじまった宝石やら、アイテムなんかも拾い集めてるから、そういった物をここに集めて置いておく事も出来るぜ?」
海での回収作業か。沈んでしまった船から何かしら重要なアイテムを回収出来れば交渉事とかにも使えそうだな
「お願いします。海底に沈んで困る物がある人も居ると思うんで、そういった物を回収して持ち主に返すとか出来るとありがたいんで」
「良いぜ。暇になった時はここに寄らせてもらおう」
「そうですね……船長的に船に欲しい物とか何か欲しい物とかあります?」
その辺の話も一応聞いてみよう。もし何か必要な物とかがあれば、来てくれやすくなるかもしれない
「そうだなぁ……定期的に魔力補給をしたい所だが……」
魔力補給か……給油的なイメージで良いのかな?
「となると、ここに港を作るなら安定的な魔力補給がしやすい様にした方が……いや、待てよ?確かミスリルの純度が高いと魔力の伝導率が良いんだっけ?」
「ハイ、ソウデス」
となると、発想を転換させてみるか
「それを使って周囲の魔力を収集する物とか作れないかな?」
「カイハツヲススメレバ、カノウカトオモワレマスガ、ホキュウキチヲ、ツクルノデハナイノデスカ?」
これは今後の事を考えると単なる補給基地ではない方が良いだろう
「補給は勿論だけど、船長達の船に新しく周囲からの魔力補給が出来る新装備を搭載出来たら良いなって。で、単純な補給基地じゃなく、新装備開発とそれの整備が出来る様にしておけば、それこそ自分達の自己防衛に使える装備の開発も同時に出来るでしょ?」
単純なガソリンスタンド的な所ではなく、フィフティシアに有った造船所みたいな、開発も出来るような所にしておけばいざという時の海戦とかにも対応出来るんじゃないかな?
「ナルホド、タシカニソレナラバ、ムダモアリマセン」
「良いのか?そんな大層なモンを……」
「そうですね。いわゆるテスターと言うか、水上も水中もスペシャリストである皆さんに協力してもらって情報を集める事でこの島の為の装備の最適化をしていく感じですね。だから単純な補給と言うより、情報収集と修理やアップグレードとかそういう事をしていきたいなと」
「なるほどな……」
こう考えれば単純なガソリンスタンドみたいな事にしたくない理由が分かるだろう。ここでも開発する事も出来る様になると、この島の自己防衛力が格段に上昇してくれるだろう。まぁ攻められる事も無いと思うけど……とにもかくにもまずは開発。こういう開発が出来ると分かったらとにかく開発を進めよう。素材、情報。これまた忙しくなりそうだなぁ
「こりゃあとんでもねぇ事になりそうだな?」
「そのとんでもない事を少しずつでも進める為にもご協力よろしくお願いします」
今のところ、このオートマトン島の資源と、海からの資源。後は空島からの資源が今の所使える資源だろう。基本的に鉄鋼資源の調達が必要になるのかな?
「それじゃあ、まずは一旦の形としての船が停泊出来る状態にしようか。ダイビング・デッドマン号ももう少し島に近い位置に停泊出来る方が積み下ろしとか出来るし」
「おう、そうだな。確かにもっと島に近い位置で出られると助かる」
一応、現状でも結構近くにダイビング・デッドマン号は来ているけど、これから物のやり取りとかをすると考えると、一番最初にやる事は決まったな
「デハ、マズ、ミナトノエガアルト、セッケイズヲ、ツクレマス。ソコカラヒツヨウナ、ソザイノリョウヲ、ケイサンシマス」
なるほどね。これはまた教会の時の修復みたいな感じになるのかな?
「オッケー。なら一応2か所は港を知ってるからそこの写真でも撮ってくるかな」
港の写真を撮って、それを元にここに港の建設をするからしっかり見やすい写真を撮らないと……
「オネガイシマス」
「オッケー。それじゃあ、船長。これから呼ぶ機会が増えるかもしれませんが、発展の為なのでそこはお許しください」
「おう、構わねぇぜ!」
よし、それじゃあ早速、フォーシアスとフィフティシアの港の写真とかを撮って来よう
「港の作りと桟橋とかその辺を見やすい様に出来れば高い所からの写真とか、近くでの撮影は必須だな」
それで、更にここから資材を集めて行く必要もある。流石に全てミスリルで作るなんて事は出来ないだろうから、コンクリートみたいな素材を集めて建材に出来れば基地としても良いかな?
「あの、すみません」
「おや、何かな?」
フィフティシアの港に居たあくびをして暇そうな人が居たので、話を聞いてみる
「あの、この港ってどうやって作られたか知ってますかね?」
「ん?港がどうやって作られたか?そんな事知ってどうするんだ?」
まぁ、いきなり港がどう出来たのか知っているかと聞かれたらそんな反応にもなるか
「ちょっと学校の宿題でこの街の歴史について何か1つ調べて来なさいというのが出まして……それで、街の玄関口みたいなこの港について調べようとして、本で調べるよりも、実際にこの辺りで働いている人に聞いてみた方が良いかなって……」
「ほほー、そいつは大変だな?まぁ、知ってる事なら教えてやるよ」
いやぁ、学生って身分も手放せませんなぁ?




