進化を求めて
『ドクター、見てもらいたい物があるんですけど、お時間ありますか?』
『大丈夫です。今トーマ君と私の秘密基地に一緒に居るのですが、問題ありませんか?』
『むしろ好都合です。トーマ君にも用事があったので』
あの秘密基地良いよなぁ……たまに行きたくなるし、丁度良かった
『では、お待ちしてます』
よしよし、それじゃあドクターの秘密基地行くか!
「こんにちわー」
「おっ、来ましたか」
「ハチさん。こんにちわー」
トーマ君とドクターのコンビも中々良いなぁ……楽しそう
「ところで、見て欲しい物とは何でしょうか?」
「あぁ、えっと多分これはもう持っているとは思うんですけど、まずはこれを」
そう言って、黒色の丸薬を見せる
「これですか。確かに持ってますね。あまり良い物ではありませんが……」
「それで、次に見てもらいたいのがこれですね」
そういって、次は白色の丸薬を見せる
「ん!?なんですかこれは!?」
「どうですか?試しに作ってみたんですけど……」
白色の丸薬をまじまじと見る。なんかモノクルみたいな物を装着して色んな方向からじっくり見てる。あのモノクルには何か効果があるのかな?
「ハチさん、これはいったいどうやって製造したんですか!?」
「これの製造法までは言えませんが、これの元になったアイテムはそっちの黒色の丸薬です」
「これを……ハチさんは【錬金術】か【製薬】のスキルを持っていましたか?」
「あぁ……多分その2つは持ってないですね」
僕が持っているのは厳密には【錬金術】じゃないからその2つには当てはまってはいないだろう
「本当ですか!?その2つが無くてもこれほどまでに性能を改変する事が出来るんですか?」
「まぁ、【錬金術】に近い物は使ったかもですけど……」
「ますます気になりますね……」
これに関しては言わない方が良いよな……正直他の人と一緒に戦闘している時に【反転陣】の存在も知られたくはないからあまり使いたくないし、この2人だとしても出来れば隠しておきたい
「それは秘密ですね。僕にしか今のところ出来ないんじゃないかなぁとは思います」
【錬金術】の反転錬金で近い所までは行けると思うけど、【違法改造】を使わないと多分無理だと思う。【製薬】の能力がどのような物か分からないけど、多分【違法改造】程大きな変化を起こす事は無理じゃないかなぁ?
「ふむふむ……それは興味深い」
「ドクターにとってもこれはやっぱり興味深いですか?」
「はい。まず、あれは使用すると負荷が凄いですからね……最初は良いんですが、本当に短期決戦で相手を仕留められないと、終わりなんですよね。それがこれによって長期戦にも対応出来る様になるとは素晴らしいです!」
「なるほど、でも、似たような効果ならドクターでも薬として作れませんでしたっけ?」
なんか似たような効果のアイテムを作っていた様な気がするけど……
「残念ながら完全にデメリットが無しで全ステータスアップ、それにHPとMPが継続回復するアイテムを作るのは私には無理です。何かしらのデメリットか効果時間を相当短くしないと……そうしたら継続回復を付けたとしてもほぼ意味がありません」
そっか、確かに【違法改造】でもプラス改造をする為には何かしらマイナス改造しなきゃいけないから全プラスする為に効果時間をマイナス改造するとかそういう感じか。となると、【製薬】はもしかすると薬限定の【違法改造】みたいな能力なのかな?
「ふぅむ……となると、【製薬】が特殊進化したりしないと無理かな」
「スキルの特殊進化の条件としては、同系統のスキルが集まって進化するみたいな話はありますけど……」
特殊進化なぁ……確かにあったけどこれに関しては両方とも特殊進化とは違うんだよな……
「でも、もしかすると1人じゃ出来なくても、複数人で協力すると何か出来たりするかもしれませんよ?」
「そうですね……薬は私の領分と言いたい所ですが、錬金術師のトーマ君も色々錬金していますからね。更に新しい人の協力があれば、更に凄い物が作れるかもしれません!ハチさんに負けない様に頑張りますよ!」
「は、はい!」
ここで、僕の協力じゃなくて他の人の協力を得ようとする所がある意味ドクターらしいと言えばらしいかもしれない
「あ、そうそう、トーマ君。何か僕に用事があったんだよね?」
「はい、あの、ハチさん!今の自分と戦ってもらえないでしょうか!」
おっと?まさかの戦闘?
「また召喚獣との連携を確認したいって事かな?」
「いえ、今回は自分1人で戦います!」
「ほう?一応その理由だけ聞いて良いかな?」
まさかのトーマ君が1人で戦いたいという理由はなんだろう?
「勿論、召喚獣と一緒に戦うのがいつものスタイルなんですが、僕の見つけたクエストで他のプレイヤーやNPCの協力を得ずにクリアしなければならないクエストが発生しまして……」
「トーマ君の錬金戦闘術に近しい事は出来ると言えば出来るから何か教えられそうなのは僕って事なのかな?」
「はい!」
僕が知らない間にトーマ君、金属を深淵みたいに扱う様になってたのかな?




