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パイの駆け引き

「「「「うっまー!?」」」」

「美味しい……ここまで美味しいのは初めてかもしれないわ」

「空腹は最高の調味料とも言いますから、自分が思っている以上にお腹が空いていたのかもしれません。どうぞ遠慮せずに」

 一応僕としては、まず長い事食べていないであろう師匠のお母さんには食べてもらいたいからその為の言い訳を用意する。むしろこの人がもう一切れ食べてからが本番だろう


「さてさて、私も料理手伝ったなー?頑張ったなー?報酬があっても良いよなー?」

「あ、モルガ師匠ありがとうございます。頭でも撫でましょうか?それとも肩でも揉みますか?」

 勿論要求されるのは分かっていたのではぐらかす


「お、おい弟子……師匠の命令は絶対じゃないか?」

「子弟の関係は守破離。教えを守り、型を破り、そして離れて行く物なので別に絶対だとは思ってないですね」

 守破離に関して滅茶苦茶適当に説明してニコラ師匠もはぐらかす


「精霊の王としてもう一切れ欲しいのだが?」

「王であるなら、こういう場面は下々に譲るべきなのでは?」

「ぐぬぬぅ……」

 そこで王を使っちゃダメだよ精霊王様?


「我も欲しいが……」

「うーん、完全にダメとは言いませんが、別に手伝ったとかも無いしなぁ……」

「しゅーん……」

 こんなに落ち込むか。それだけアプリンパイを気に入ったんだな


「ま、皆で何か遊んで勝った人が食べるとかにでもしたら良いと思いますよ。その結果には文句なしで。あ、イカサマをしてバレた場合はもうお仕置き確定なので、やらない方が良いですよ?」

「「っ!?」」

 一回【恐怖圧】で脅した2人は背筋をピンっと伸ばして気を付けの姿勢をしている。まぁ、それに近い事でもしようかと思ってたので、あの2人が他の人にイカサマはしない様に言ってくれるだろう。という訳で、僕はもう1回パイを焼こうか


「ハチ君……で良かったわよね?」

「はい、あ、また勝手にキッチンお借りしてます」

「良いのよ。あんなに美味しいのは久しぶり…いや、初めてだったから」

「皆が遊んでいる間にもう1つ作っている最中なので、良かったら他の皆と遊んであげてください。特にニコラ師匠と」

「え?」

 その為に今の状況を作ったと言っても良いくらいなのだ


「また会えたんです。どのくらい時間が経っているのか僕は分かりませんが、一緒に遊んであげてください。母親の前では何歳になっても子供は子供ですから」

 病のせいで奪われていた時間を取り戻すチャンスなのだから存分に親子で遊んで欲しい


「貴方。絶対モテるでしょ?」

「へっ?」

 急に変な事を言われて焦った。なんで今の話がモテるとかの話に繋がるのか


「それだけ気配りが出来るんだから色んな人が放っておかないんじゃない?」

「うーん、むしろ人は避けて生活している様な感じなので……」

 あ、でも深淵のあの2柱には多分好かれているとは思う。下手すると殺したいくらい好きみたいな捻じ曲がった奴かもしれないけど


「うちの子。どう?」

「可愛いとは思いますが、多分僕についてこれないので申し訳ありませんが……」

 絶対森とかで僕についてこれないでしょ。ニコラ師匠


「貴方みたいな人との繋がりは大事にした方が良いと思ったけど、ダメみたいね」

「それじゃあ後で精霊王様に相談してみるので、それで良かったら僕が一応拠点にしている空島とここを繋いでくれるかもしれませんね」

「本当に凄いわね……」

 精霊の国との行き来もそうだけど、普通にエルフの国も行き来出来れば便利だし、ニコラ師匠もこっちでなにかしら錬金してくれるかもしれないから道は作っておきたい


「私が若かったら君にアタックしてたかも」

「今でも充分にお若いですよ」

「お世辞も上手いわねぇ?」

 こういう時に円滑に話を進める方法は親戚のおば……お姉さん方からみっちり教わったからなぁ


「とりあえず、ここで僕と会話するよりもあっちでニコラ師匠と遊んであげてください。今回は時間加速とか使わずに調理するんでしっかり見ていないと……」

 絶対時間加速した方がしっかり見ていないとダメだと思うけど、今の言い訳としてはこれで充分だと思う


「分かったわ。でもありがとう。これだけはしっかり伝えさせて。貴方のお陰で私はまたあの子と暮らせる」

「僕がやったのは、石を分解して貴方を出しただけで、ここで一緒に暮らせるようにしたのは他でもないニコラ師匠の努力の賜物ですよ。いつか貴方を救い出して、病を治すと。その覚悟が無ければ、病を治す薬を既に作ってたりしてませんよ。今回たまたま僕が分解しただけで、いつかニコラ師匠自身の手で石から貴方を救っていたでしょうし。ほらほら、早くしないと何かゲームが始まってしまいますよ?」

 僕としては久々の再会とかを楽しんで欲しいからその場を提供しているに過ぎない。なので、その時間を僕との会話に使われても困るのだ


「そうね。確かに始まっちゃう。それじゃあハチ君。自己紹介をしていなかったけど、私はフラーメル。よろしくね。新しいアプリンパイ頼んだわよ」

 そう言って皆の元に戻っていくフラーメルさん。次にフラーメルさんを見たのはパイが焼き上がり、皆の元に持って行った時にフラーメルさんがゲームで圧勝している所だった



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― 新着の感想 ―
[良い点] 某姉妹が謎の血涙流してそう。
[一言] 後はアレだね ニコラ母を口説く時は耳の先端をモミモミしながら今でも若いですよっていいつつ先端から耳たぶの方に指を這わせつつ顔を耳元まで持っていきアプリンパイよりも貴女を頂いてもいいですか?っ…
[一言] ママンも落としにかかるハチ君パネェっす アップルふんだんに使うならタルトタタンだと発狂するのでは? 後、モルガ師匠(ニコラ)が1人湧いてモルガ精霊王()も1人湧いたね
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