オオカミ戦
「えっと、【擬態】!」
オオカミ達が走り寄ってくる前にスキルを起動する
「おぉ?」
体やローブの色が周囲の風景と同化する。これなら確かに動かなかったら分からないかもしれない
「ガウッ!」「「ガウガウッ!」」
1匹が先行して後ろから2匹が追いかけて来たようだ
「「「グルルゥ……」」」
かなり警戒している。スンスンと鼻を利かせている所を見るにやっぱり姿は見えていないみたいだ。
(動物って大体鼻先が弱点だよな……?先頭の奴が近付いて来たら一撃お見舞いしよう)
鼻を頼りにこっちに近寄ってくる先頭の多分リーダーオオカミがこっちの間合いに入ってくるまでじっと待つ
「ふぅ……」
息を静かに吐き、リーダーオオカミを正面に捉える
オオカミが目前に立ち止まったので鼻先に手をかざす。リーダーオオカミは困惑しているが後ろから追いかけている2匹はその異変に気が付いていない
「ふっ!」
「ギャウンッ!」
短距離からの掌底。所謂寸頸というもので外見からは体が少ししか動いていない様にしか見えないが、喰らった側は吹き飛ばされる程のパワーが秘められている。おばあちゃんの真似でしかない為、おばあちゃん程では無いがオオカミを吹き飛ばす事が出来た
吹き飛ばしたオオカミは木に激突。中々良いダメージが入った気がする
(STRの値が低いからダメかと思ったけどこれが出来るなら何とかなる!)
飛ばされた1匹を見て立ち止まるオオカミ2匹の内の1匹に駆け寄り、オオカミ同士をぶつける様に横から今度は右脇を締め、肩でぶつかる鉄山靠を当てる
「「ギャウゥ!」」
やっぱりいくらSTRが低くても全身を使った攻撃とかならダメージは入るな?
「おりゃ」
「「ギャフッ……」」
折り重なっているオオカミの1匹にシステマのストライク(パンチ)をお見舞いする。力を込めるより脱力する方が威力が高い打撃を出せると本で見た時から本当かなぁ?と思ったけど生きてる人間はバランスを取る為背負うのが楽でも死んでいる人間は重心が安定せず重く感じると言うのを見て納得。それ以降は脱力する事の大切さを知った。まぁ脱力だけじゃなくて筋力もある程度は必要なんですけどね?
とにかくストライクでオオカミの内臓に対してダメージを与えると折り重なっていた2匹の口から赤いポリゴンが出て、動かなくなった
「グルルゥ……!」
飛ばされていたリーダーオオカミが復帰して飛び掛かってくるが動きがスローに見える。事故の影響なのかもしれないけどこれはこれでとても便利だな?飛び掛かるオオカミの前足2本を両手で下に捌き、オオカミの鼻に対して頭突きを喰らわせる
「キャイン……」
「こっちも中々痛いな……」
オオカミもまさか飛びついて噛みつこうとした相手が頭突きしてくるとは思っていなかっただろう。弱々しい声が聞こえた。こっちもちょっと痛かったけど多分もう少しだ
「悪いね?」
「グギャ……」
倒れたオオカミの首を逆に捻る。オオカミは動かなくなった
『Lv3にレベルアップしました 魔法 レスト、フラッシュを習得』
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ハチ 補助術士Lv3
HP 150→170
MP 350→380
STR 10→11
DEF 10→11
INT 15→17
MIND 50→56
AGI 25→29
DEX 40→44
成長ポイント 30
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お?レベルアップしたみたいだ。ステータスも上がったけど何より魔法を覚えたぞ?詳細を……
『スキル 【受け流し】を習得』
『スキル 【格闘術】が【格闘術・技】に変化しました』
「おーっとっと?こっちもですか?」
スキルも入手と変化?もあるみたいだ。とりあえず魔法から見てみよう
『レスト 消費MP20 命中した相手は休息状態となる。 休息状態 30秒間体と心を休め、HP、MPを回復する。休息状態では動く事は出来ず、与えられるダメージは倍になる。30秒経つか攻撃を喰らうと解除される』
『フラッシュ 消費MP3 一瞬だけ強く光る。クリティカルヒットか連続ヒットさせると盲目状態にする』
んー、ちょっと使いにくそう……だけどこれは使い方次第って奴だろう。スキルの方はどうだろう?
『【受け流し】 パッシブスキル 敵の攻撃を防ぐ際に補正が入る』
『【格闘術・技】 パッシブスキル 武器を使わない攻撃をする際、参照する値をSTRからDEXに変更する』
「おぉ!こっちは凄い進化だ」
【格闘術・技】のお陰でこれはかなりの戦力強化と見ても良いと思う。さっきの戦闘でSTR参照で戦っていたとしたら数値的に4倍も違うってかなり違うよ?
「というかオオカミ3体倒してレベル3に上がるってもしかしてオオカミって割と強かったのかな?とりあえずオオカミさんの素材を取ろう」
倒れたオオカミ3体にナイフを突き立て素材にする
『フォレストウルフの毛×4 フォレストウルフの毛皮×2 フォレストウルフの牙×1 フォレストウルフの肉×1 森狼の血×1 を入手しました』
「んー、毛があれば匂いを誤魔化せたりするかな?」
【擬態】だけでは匂いを誤魔化せないし、ギリーマントに追加する形でウルフの毛を少し加えてみるかな?
ギリーマントの改造も考えながら森をもう少し進んでみる事にした