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協力者を得る為

「なんとなくこっちの方から食べ物とは違う甘い匂いがする……」

 鼻を頼りに街を進んで行く。他の人にぶつからない様に気を付けて甘い匂いを辿っていく


「こっちの方……あぁ、結構封鎖されてる。人が多いからかな?」

 さっきのガスがあった地点では無かったけど、街の部分部分が封鎖されてる。これは街の中でガスが出たから封鎖してるのかな?


「ここから先は現在封鎖中だ」

 入れない様に見張りも立ってる。どうするかなぁ……甘い匂いはこの封鎖の先からしてるんだけど……


「どうやって入るべきかな」

 いやぁ、警戒結構キツイな?しっかり入口以外にも周りも入れない様に固められてる。これはどこからでも中から何か出てきたとしても対応出来る様にって事かな?だとすると入るのも大変なんだよなぁ……


「夜……いや、ここだと普通にライト浴びせられて影が無くなりそうだな」

 これだけ科学チックな街だと、街灯以外にもパワードスーツを着てる人が居れば、封鎖された所にライト照射されて影に潜んで侵入するというのも難しくなるかもしれない。むしろ今の方が侵入チャンスがあるかも


「となると……あまり時間は無いな。今から入るか」

 夜に警戒が厳しくなると予想して、今の内にどうにかして入ろう。そうだな……見張りの目があるから上からが良いか?でも、この街だと魔法はあまり使わない方が良いとかありそうだから、ちょっと離れた所でスピさんに運んでもらうか


「よし、何とか侵入成功!」

 街行く人々の影に入り込み、何とか封鎖ポイントを突破する。後は内部に誰か居るかが問題だけど……3人か


「気を付けろ。今回のは結構濃いぞ」

「これはもう少し落ち着くまで待たないと危険では?」

「心配ない。回収する」

 パワードスーツのパッと見の判断で、ヒョロめの指示役とゴツい回収役にオマケが付いてるみたいな感じだろうか?その3人の先にはガスが充満している。そしてその中心に何かある


「それ、ちょっと貰います」

「「「何っ!?」」」

 多分、今動かないと僕がガスの発生物質みたいな物が回収出来ないだろう。それが何なのか、まず知りたい


『魔力ゲル スライムの様にぐにぐにしていて、色んな形になるが、使い過ぎると変形出来なくなる。魔法薬や、錬金術で失敗した時にできやすい』

 は?失敗品?そんな物からガスが出てたのか?


「貴様何者だ!」

「失礼。個人的にこのガスの発生を探っている物です。因みに、これは突然現れる感じなのでしょうか?」

「う、動くなっ!動くと撃つぞ!」

「待て」

「どうしてです!?」

 まぁ当然ピリピリしてるから一触即発って感じだけど、あのゴツいパワードスーツの人は少し冷静だな


「お前は、その物質を触っても問題は無いのか?」

「ええ、まぁ……出来ればこのまま帰して頂けるとこのガスの発生を止める事が出来るかもしれません」

 推測だが、その可能性は捨てきれない


「何をバカな事を!我々はこの異常事態を止める為に組まれた特別部隊だ!そんな妄言は信じるに値しない」

「そ、その物質を置いて地面に伏せろ!本当に撃つぞ!」

 こっちの2人はちょっと話が出来る精神状態じゃないな


「そうですね……では、【ライフシェア】【コンバートマジック HP】」

 まずは【ライフシェア】の効果で3人のHPを上限を超えて回復させ、分け与えた僕のHPを【コンバートマジック】で回復。そうして、ほぼ空状態のMPをガスの効果で回復させる。そうすると周囲のガスを吸収してすぐにMPが回復し、ガスが無くなった


「「「なんだ!?」」」

「これで少しは落ち着いて会話出来ますか?」

 HPが回復したし、多少冷静にはなって欲しい


「「「ガスが消えた……」」」

「これに関しては下手に広めてしまうと社会不安等を煽ってしまう可能性があるので、大っぴらには言えません。このガスが発生する問題を解決する為にコレを持ち帰りたいのですが、ダメでしょうか?」

 一応デモンストレーション的な事はやったから話はあのゴツい人は聞いてくれるんじゃないかな……


「分かった。今回の作業を代わりにしてもらった礼として持って行っても構わない」

「おい、それは……」

「ただし、こちらにももう少し詳しい説明を頂きたい。我々もそのガスを止めたい者なのだから協力出来るハズだ」

「なるほど、それは一理ありますね。そうですね……説明はしても良いのですが、それを知ってしまうと急激に世界が広くなってしまうので、今はまだ冷静であられる貴方にのみ説明するという事でしたら、構いません」

 だって後ろの2人とか魔法が使えるとかなんとか言っても頭が理解を拒否しそうだし……


「なるほど……2人とも、今回のガスの報告を任せた。私はこの者について行き、真相を突き止めに行く」

「おい……お前!危険は無いんだろうな!」

「そうっすよ!先輩に命の危険は……」

「100%は保障出来ませんが、まず安全だと思って頂いて結構です」

 この人だってあのガスの処理をしてたって事は、この人のパワードスーツは特別性だろう。だからナーセイブに連れて行っても問題はないとは思う。もしダメそうなら僕がMPのコントロールをしてあげれば良いだけだし


「では、私はここの包囲網を突破してから再合流しますので、合流地点はタワー7でよろしいですか?」

「了解した」

 ま、タワー7で囲まれるかもしれないけど、これでとりあえずネストの協力者を得る事が出来たと言っても良いんじゃないかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] やはり現地協力者は落ち着いた人間がよろしいですねえ、騒がれては困りますしー? と言うか、ますます隠密めいてきたなあ、あからさまにニンジャなのに突っ込まれにくいというw
[一言] 誰かが失敗作のゴミ捨て場としてこの国に捨ててるんだろうか
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