表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1287/2038

実況サイド

「さぁ!遂に始まりました!これをセッティングする為に私も西へ東へ……とまぁ冗談はこの辺で。魔王討伐イベント開始です!」

 ギチギチの準備期間内で何とか漕ぎ着けた今回のイベント。私としてはもう実況をやるだけだが、何が起きても大丈夫な様に準備だけはしておこう


「今回のイベントでは3つのエリアを順番に進んで行くタイプのミッションとなります。そして、先に進む度にそのエリアはどんどんと小さくなっていきますが……これが今回の参加者達に牙を剥くのか、はたまた魔王の喉元に届くナイフとなるのか!」

 まぁ、まず牙を剥く事になるのはほぼ確定だろうなぁ……ぶっちゃけあの黒い悪魔を全身に這わせるあの技を狭い場所で発動されたら阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまう。ホント良くアレを耐えられたな私……


「おや!早速動きがありましたねぇ!これは!ドラゴン!ドラゴンです!2体のドラゴンが飛んできましたよ!」

 普通に呼び出せる戦力もおかしいんだよなぁ……なんであんなデカいドラゴン2体も保有してるんだか……基本的に召喚獣で呼び出せるのはトーマ君とかが従えてるサイズなんよ普通は


「おっと、忘れ物?いったい何を忘れたんでしょうか?うわっ!これは酷い忘れ物だぁ!」

 2体のドラゴンが4体になり、4方向からそれぞれ炎を吐いている。もう絶望なんですが?これがファーストステージってまじぃ?


「何とかブレスから他の人を守っている方も居ますが……あーっと、バリアが持ちませんでした。動く壁でブレスを遮ったと思ったら後ろから来ましたね……これは纏まっている程動くのが大変になりますね」

 きっとMVPはああいう人を護って落ちてしまった人とかの救済措置的な感じで用意していたんだろう。一応あの辺の人とかはMVPの候補に入れておいた方が良いかな。こっちで3人と決めてるけど、内容までは言ってないから、どういう人をMVPにするかの決定権はハチさんと今回運営している私にあるし


「いきなりかなりの人数が減ってしまいましたが、ドラゴン達は飛び去って行きました。これはこのエリアをクリアしたみたいですね!おめでとうございます」

 やっぱあの人の保有戦力おかしいよ……


「そして、次のエリアに皆さま進んで行きます。えー、『皆頑張れー!』『多分今回なら行ける!』『今回も掌の上なんじゃね?』『良かったら周りの出店で色々買ってくれな!』等々、沢山の応援メッセージが……って誰じゃーい!宣伝とか入れてる奴ぅ!」

 ただ、実況するだけではなく、応援メッセージを書ける掲示板を用意しておいたら色々な応援メッセージが書き込まれている。困った時はこれを読んで時間稼ぎも出来るからこういうどうでも良い内容は実はありがたい。こっちもこっちで常に言葉の弾丸を撃ち続けている様な物だから話題のリロードが出来る。観客を楽しませて色々買ってもらう事でこっちにもいくらかバックが来るんだから頑張らない訳にはいかない


「でもまぁ、移動中の今なら飲み物とか食べ物を買っちゃうのはアリですね。かくいう私も実況で喉が渇くので最近流行りのフルーツジュースを……」

 スポンサーという程ではないけど、協力してくれた所の商品をコッソリ宣伝。ステマしておこう


「さぁ、エリアも進んで第二エリア。ここではいったい何が……おっと!これは?」

 白黒のコンビと離れた所に幽霊?が一人。なんかさっきよりもインパクトに欠けるなぁ


「いや、いやいやいや!霧が出て少し見辛いと思って居たら、誰かが霧を晴らした途端状況がとんでもない事に!」

 なんか普通に戦力倍になってるんですが?ホントにあの人ヤバいって……しかもあそこって見えないトラップもあるし……


「うぉっ!殴り合い!?しかも互角……」

 ハスバとハチさんの殴り合い。普通に良い勝負してる……でもなんか2人共笑ってる?


「これは……あっちぃですねぇ!」

 この殴り合いは映えますよぉ!


「おっと、ハスバさんが生き残りましたねぇ。この次のエリアではどうなってしまうのか!個人的にはさっさとやられて欲しい所です」

 ちょっとくらい個人的感想を入れても良いだろう


「うわぁ、完全に人間の欲を使ってますねぇ……それと!これは、眼福ですよぉ……」

 疑心暗鬼にさせるのにアレは効果的だ。目的が違えば確実に敵対関係になる。それに、ちゃんと約束通り上裸のハチさん!これは売れ……おっと


「また凄い事に……うわぁ、完全にトドメを刺しに……おっ!?ここで悪魔姉妹が天使姉妹になった!?」

 ハチさんが真っ黒になったかと思ったらあの姉妹が天使に変わった。中身を考えたら絶対にありえない事が起こっている


「おっと!?まさかハチさんがやられる……?」

 どうなんだ?あれは本当にやられたのか?それとも演出なのか?


「え、まだ先がある?おっと!誰か宝剣をインベントリに仕舞ったみたいでエリアが崩壊して行きます!残った人達が穴の中に!」

 あの穴……完全にハチさんのテリトリーだよね?


「う、うわぁ……」

 人が簡単に潰されていく……


「武器が取られてもまだ諦めてません!どっちが、どっちが勝つんだ!」

 どこまで行ってもハチさんの方が優位に見えてしまう


「ん!?何か空間が……暴走!?あのハチさんが!?」

 まさかとは思うが、あんな事が起きるのか?でもあのハチさんの反応……本当に?


「ん!?足元に!刀がぁ!つ、近づいてぇ!アイリスさんがぁ、決めたァー!」

 あの刀はどこから来たのか分からないけど、ハチさんを切り裂いた。光の粒となり消えていくハチさん。まさか本当に皆が勝った?


「おめでとうございます!今回のイベント無事勝利した方々です!皆さん拍手を!」

 その後もインタビューをしたり、勝者を称えたりしていたが、ハチさんの反応が無くなったのでどうしようか非常に困るなぁ……なんでも良いから早く連絡繋がらないかな……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 5秒に一度人間か疑ってるだろうけど、実況し続けたチェルシーさんプロだよ…w
[一言] なるほど、これが一般向けの実況かー大変だったねえーw たぶん大変なのはこれからだろうけどな! とりあえずはあの剣がどういうものになったか気になるw
[一言] 「今回も掌の上なんじゃね?」と疑いのあなた、あなたがMVPです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ