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1282/2015

着くべき相手

「さて、それじゃあ独立部隊の人を探しますか」

 諸々を済ませて、顔を隠してナーセイブにやって来た。問題があるとすれば割と時間を空けてしまったから独立部隊の人達が覚えていてくれているかどうか……


「おいおい、頼むぜぇ?」

「悪りぃ悪りぃ」

 ん?なんか聞いた事がある声が聞こえて来たぞ


「もうちょい右~」

「こんなもんか?」

「おうそこだそこだ。これで何とかなるぜ」

「あ、団長だ」

 独立部隊の団長さんが何かテントを張るのを手伝っていた。確かに色んな雑用をしていたり、テントを張ったりするならこういう作業向いてそう


「ん?あっ!お前っ……」

「お久しぶりでーす。ある程度やるべき事が片付いたんで、こっちに来ました」

 いやぁ、イベント大変だったなぁ


「お前なぁ?結構時間経ってるぞ?」

「それはホントにすみません。とりあえずそれ建てるの手伝いますから許して」

「あ、それは助かる」

 ふっ、この程度のご機嫌取りは簡単だぜぇ……


「ここで良いですか?」

「おう!アンタ。団長さんよりずっと早ぇな!」

「まぁ、一人で色々やってましたから」

「助かったぜぇ。これで何とか店が開ける」

 このくらいのテント張りならお安い御用だ


「お、お前……普通にこういうのも出来んのか……」

「出来ますけど、もしかしてこういうの出来ないとでも思いましたか?」

 お店を出すのを手伝うって事はやっぱりこの独立部隊は地域密着してるタイプなんだろうな。独立部隊と仲良くしておけばナーセイブの街中での評価は上がりそうだ。この情報は僕は上手く扱えないかもしれないけど、他の皆は違う。タイミング良く独立部隊が外で仕事をしていたら、そこで交流して一緒に街に入る流れに持っていければ街に入るより先にそこそこの信用度が稼げる。そうなると街での買い物とかも楽になるだろう。まぁ、この情報を沢山の人に共有しちゃうと独立部隊の人達に迷惑が掛かっちゃうからそんなに広められないけど


「で、今回はどうしたら良いですかね?なんか独立部隊の詰め所みたいな所とかに行った方が良いですか?」

「お、おう。そうだな。こっちに来てもらえると助かる……助かる?」

 なんか混乱してるなぁ……


「さ、行きましょう。どこですか?」

「ちょ、ちょっと待て……もう大丈夫だろ?そんじゃあな!」

「おう、助かったぜ」

 店の店主さんに挨拶をしてから移動する。どの辺に行くのかなぁ?




「ここだ」

「あれまぁ……」

 団長に連れられてやって来たけど随分とぼろっちい建物。棄てられた教会を見つけた時と同じくらいのボロボロ具合だ。でも、あれだけ街で人気だったりするなら割と直してもらえそうな雰囲気があるんだけど……


「あっ!アイツらまたやってやがるな!」

「あぁ……」

 建物の中からドカンガチャンと暴れる様な音が聞こえてくる。中で暴れてるのかな?またって今言ったし、毎回そんな事になるのならそりゃあ直しても毎回ボロボロになってても仕方ないのかもしれない。だから直してもボロボロのままなのかも


「こらお前ら!また暴れやがって!壁がボロボロじゃねぇか!」

「あ、団長!またコイツが勝手に金を……」

「アンタがいっつも胸見て来るからでしょう?これはそのお代よ」

 まぁ、それが本当なのかウソなのかは知らないけど、やっぱり問題児ばっかりが居るって言っても過言ではなさそうだなぁ……


「うーん、これは来るべきでは無かったかも……」

「あら!ハチちゃんじゃない!ねぇ!この男がねぇ……」

「おい待て!騙されるな!ソイツはまたオレから金を毟ろうとして来やがって……」

「あ、速い人だ。やっほー」

「やっほー。今どういう感じですかね?」

 あの早く帰りたい人だ。多分この人が割と波長が合うというか一番話しやすいまであるな


「お金足りなくてなんかやってたみたい」

「あー、じゃあこっちの方が悪いみたいですね。まぁそれはどうでも良いんですけど……」

「「どうでも良い……」」

「で、何かありますかね?」

「ん、面倒事が1つあるから手伝って欲しい」

「了解です。簡潔に教えてください」

 やっぱこの人が一番さっぱりしていて良い。僕が今欲しいのはとにかく情報。無駄話の中にも確かに情報は沢山眠っているけども、この人達の情報よりも今はナーセイブの情報が知りたい


「荷物運びの手伝い」

「了解です。案内してくれればすぐ行います」

 インベントリという物がある時点でプレイヤーに荷物運びのお使いクエストみたいな物が来たらもうお散歩気分で出来ちゃうだろう


「は、早ぇ……内容聞いてねぇだろ」

「じゃ、行こう。それで終わらせたら、お仕事終わり」

「あっおい!そんな便利な奴を……」

「は?」

「い、いや、なんでもねぇ……」

 今団長さん僕の事を便利な奴って言ったか?なるほどねぇ?そういう風に見てたのかぁ?


「じゃ、行きましょう。正直この場で一番信頼出来るのは貴方だけなんで」

「うい」

 とりあえずはこれで良いと思う。こっからまた新しく信頼出来る人が出てきたらその人とも信頼関係を築いて行けば良い。まずはこの独立部隊での立ち位置をある程度しっかりさせよう。あくまで僕はこの独立部隊にとっては部外者である事が良い。じゃないとこの国の王様に良い様に使われる可能性もある。団員が知り合いみたいな状態の方が好ましいから、僕が着くべき相手はこっちの直帰さんだ



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― 新着の感想 ―
[一言] まちがった異世界知識でサイトウさんと呼ばれそうなハチくん様だ、いいかい?魔王様を便利屋扱いしてはいけませんよw しかし、テントかー、祭りの夜店のあの形なんだろうなー? 最近は蛇腹で簡単に組み…
[良い点] 危険生物よりは便利なやつの方が友好的じゃなぁい?
[一言] 便利な奴呼ばわりは、流石にハチ君でも良い気分にはならないですねぇ
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