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教会の修復

「もう祭壇だけなんですから、どうしてそこまで渋るんです?」

 もう面倒だし聞いてみよう。理由を聞いて納得出来れば掃除は諦めるし、納得出来なければ掃除を開始する


「それは……あの祭壇自体が私なんです」

 祭壇自体が私?どういう事?


「ごめんなさい。もう少し砕いて説明してもらっても?」

「この棄てられた教会。そのものが私でして……この霊体はいわば人と話す為に用意した私の分身です」

「あぁ、インターフェース的な存在がシスターさんかぁ」

 この教会が人と意思疎通する為にシスターさんを生み出したって事か


「で、なんで祭壇は掃除しないの?」

「それは……その、敏感な所なので……」

 シスターさんが言うとちょっとエッチに感じるけど要はこの教会の重要な部分が祭壇だという事だな?


「ふーん?そういう事だったんだ……えいっ!」

「ひゃわっ!?」

 話を聞きながらこっそり祭壇に近寄り、ゴミ取り用の糸をベタッとくっ付ける。別に掃除しちゃダメそうな理由も無かったし、さっさと終わらせよう


「要はくすぐったいから掃除したくなかったって事ですよね?すぐ終わらせますから我慢して下さい」

「そこっ、あっ、くすぐった……」

「もうちょっとですから待っててくださいねー」

 ぺたぺたぺりぺり……祭壇を糸塗れにして剥がす。やっぱこの剥がすの楽しいなぁ!




「よし!これで終わりっと!」

「は、はへぇ……」

 祭壇に置いていた物等を一度下ろして糸で綺麗にしてから元の場所に戻したけど……流石に祭壇に置いてある物をボロ布で拭くのは罰当たりな気がしたので今回は拭いてない。綺麗で清潔な布とか入手したら拭いても良いかな?というか流石にその時はシスターさんが自分でやるかな?


「あれ?シスターさん目が……」

「あ、いやこれは……」

 息も絶え絶えの様なシスターさんの前髪が乱れ、顔が全て見えた。シスターさんは普通に可愛い系の顔をしていたけど……左目はぽっかりと穴が開いた様に無かったのだ


「えっと、なんかごめんなさい。気分が悪いかもしれませんがしっかり見せてもらっても?」

「あなた、変わってますね?」

「そうかなぁ?まぁ流石に失礼な事を言っているとは思いますけどね……」

 幽霊っぽいとはいえ、女性だ。失礼な事を言っている自覚はある。目が片方無いという事を隠す為に前髪を下ろしていたんだろうか?


「あんまり露骨に引かないでくれるとありがたいのですが……」

 自分で前髪を横に流し、ぽっかり空いた左目の部分を見せてくれる。ふむふむ、これは……


「なるほど……さっき教会自体が自分って言ってたけどそれが関係してる?」

 左目が無い事がこの教会の状況と関係があるんだろうか?


「この教会がボロボロなのでこの身も完全には再現出来なくて……」

「なるほどー?じゃあ教会を直せばシスターさんの目を直す事も出来るんですか?」

「そう、なりますかね?」

 教会を修復すればシスターさんの目を直せるのか


「とりあえず今はこれを……あれ?透けちゃう……」

 シスターさんにドナークさんが作ってくれた眼帯の1つをあげようとしたけどすり抜けてしまった。ぐぬぬ……


「あ、それなら祭壇においてください」

「祭壇に?ほい」

 シスターさんに言われた通りに祭壇に左目用の眼帯を置く。するとシスターさんの左目に眼帯が装着された


「ほほう?祭壇が私ってこういう意味だったんですね?」

「どうです?似合いますか?」

 眼帯シスター……僕的には有りですね?


「うん、かなり良いと思う!」

 これ、祭壇に他の物を置いても着てくれるのかな?


 試しにウルフポンチョを脱いで祭壇に置いてみる

「これはなんです?」


 おっ?着てくれたぞ?

「試しに置いてみたんだけど……なるほど、ここに置けばシスターさんの装備になる訳ですか?」

「流石に変な物は着ませんよ!?」

「なんだぁ」


 若干、ほんの少しだけ、あの時突き返してしまったスク水を持っていれば良かったかなぁと思ったけど、多分シスターさんの言う変な物扱いで着てはくれないだろうと瞬時に自己解決した


「私で遊んでいませんか?」

「まぁその気持ちもあるかなぁ」

 シスターさん結構良い人っぽいし、遊びたくなってしまう


「そういえばまだお名前を聞いていませんでしたね?掃除もしていただいたのに……」

「そういえばまだ名乗ってませんでしたね?僕はハチです」

「ハチさん、頼みたい事があるのですが……」

「ひょっとして教会の修復かな?」

 この話の流れだとそれしかないだろう


「はい、お願いしたいのですが……ダメでしょうか?」


『修復クエスト 蘇る教会 を開始しますか?』


 おぉ、やっぱりクエストだ。もちろん受けるぞー!


 YESのボタンを押す。これでこの教会を修復する事が出来るかな?

「もちろん受けますよ。何をすればいいですか?」

「まずはあの天井の穴を塞ぎたいので木材が必要です。出来ればトレントの様な魔物から取れる上質な木材などがあれば修復出来るかと」


『魔樹の木材×10の収集』


 なるほど、天井の穴を塞ぐのにトレントから取れる木材10個を集めて来いと、よーし!頑張るぞー!



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― 新着の感想 ―
[一言] 二週目の時も言ったような気がするが、無自覚で結構高度なプレイ(意味深)しましたな〜w
[一言] 字面はただ掃除をしているだけ……ただ…絵にしたら結構ヤバい感じになっちゃってる件…… シスターまさかの教会が本体だった⁉ 付喪神だったのか…
[一言] 最初から依頼されたわけじゃなく、 教会内の掃除を通じて信頼関係を築いた結果として依頼が発生したから、これは所謂シークレットクエストというやつでしょうかね。
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