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1271/2015

漢たるもの

「向こうもちゃんとやれてますね」

 白武と黒武もしっかり自分の力量を計れているのか、ヤバいと思った相手にはちゃんと退く事が出来ている。別に後ろに退けない戦いではないから、全然下がって良いし、むしろ下がる事でレイさんからの支援攻撃が通りやすくなるし、片方が退いて敵を引き付けた所をもう片方が背後から攻撃したり……やっぱり連携の練度が違う。素晴らしいね


「ダメダメ!こっちに集中してもらわないと!」

「おっと失礼。ではそちらの土俵に乗りましょうか」

「アハッ!やったぁ!」

 拳を打ち鳴らして、今度はこちらからキリアさんに対して向かっていく。両手で掴み合ってパワー勝負となると完全に僕が不利だが……


「あれあれ?」

「失礼。騙して悪いですが、これも役目なので」

 拳を打ち鳴らす事で、【幻影手】を発動し、偽の腕で掴みに行くように見せかけ、相手が僕の腕を掴み損なったタイミングでそのまま背後を取ってジャーマンスープレックスで頭から地面に落とす


「ぐえ~っ」

 これ効いてるのかなぁ?なんかあんまり効いてなさそう……


「……とりあえず次行きましょうか」

 さっきまで展開されていた戦斧陣が解除されているからオッケーという事にしよう。ポリゴンになってないからまだ倒しきれてないんだろうけど……まぁ良いでしょ


「さぁ、お次は誰が相手していただけるのでしょうか。急がないと人が居なくなっていきますよ?」

 白武と黒武と分身体。更にダブルレイさんの6人体制で戦っているので、普通に味方頼りの後方職っぽい人とか凄い狙われて狩られている感がある。これは次のステージ近接ばかりが残りそうな雰囲気出てきたなぁ?


「くっ……どうする」

「ではお相手してもらおうかな。ハチ君」

「ほほぅ。ここで来ますか。ハスバさん」

 今回は前に見た事のあるカッコいいサイバー忍者装備のハスバさん。いつかやり合いたいとは思ってたけど、ここじゃまだ全力は出せない。演出の為にもまだ全力を出す訳にはいかないんだ


「多分だけど、ハチ君。今は全力を出せないんだろう?だとしたら今がハチ君を倒すチャンスかなって」

「ほほぅ。良い推理力です。確かに今はまだ全力は出せません。やれるチャンスと言えばまだタイマンに応じる今がチャンスでしょうね」

 ハスバさんはこれまでの僕の傾向からなんとなく今が演出中だと気が付いているんだろう。だからこそ、今がチャンスだと考えたようだ


「君は本当に……演出家に向いてるよっ!」

「演出を考えた甲斐がありますねっ!」

 お互いにパンチを繰り出して顔にヒットする。もちろん頬にパンチを喰らうのは痛いに決まってるけど、こんな漢同士の初撃を避けるなんて出来る訳がない


「「ぐっ……」」

 あっぶな、脳を揺らされかけた。やっぱり顎に当たらない様にして正解だった


「「はあっ!」」

 ハスバさんがノーガードで武器も使わずに来てくれているから僕も特にスキルを使わずに殴り合いに応じる。HPはどんどん減ってくるけど、この戦闘はなんだか凄く心が躍る。痛いけどなんだかハスバさんというフレンドとの戦闘はとても楽しい。僕もハスバさんに少し毒されたかな


「こんな所で落としたくは無いですが、このままでしたら僕はハスバさんを今倒さなければならないでしょうね」

「光栄だねぇ!」

 ハスバさん自体防御力が高いのか、受けるダメージが何割かカットでもされるのか中々倒れない。僕の方は単純にハスバさんが武器を使っていないのと、当たる瞬間に引いてダメージを最小限に抑える努力をしているから多分ダメージ的には互角と言った所だろうか。普通にハスバさんならダメージを抑えるパッシブスキルを持っていても不思議じゃないからなぁ


「こういう戦い、久しぶりですよ」

「そうかい?だとしたらもっと続けようか!」

 他の人が入ってきても問題無いけど、僕以外の6人が僕とハスバさんのタイマンの邪魔をさせない様に立ち回っている。剣を持って斬りかかって来ようとしたら、刀で受け止めたり、横から蹴りを入れたりして止め、遠距離攻撃が割り込んで来そうだったらレイさんが魔法攻撃を矢で撃ち落としたり、攻撃しようとしている人を撃ったり……いつの間にか一度に発射される矢が3本とか4本になって同時に数人の攻撃を止めたりしてくれているお陰でハスバさんとのタイマン状態を維持出来ている。なんとなくそういう周囲の様子を見ていると、僕への攻撃をしようとしている人は止めるけど、自分達に攻撃が向いても回避するという完全に僕の補助というこのエリアで一番最初に決めた役割と逆になっている


「これは……負けられませんね」

「それはこっちも同じさ!」

 負けられないと言いつつも、武器を使う訳でも、スキルを使う訳でもない。純粋な殴り合いだ。衝撃を受けきるタフさか、衝撃を逃がすテクニックか


「この勝負」

「勝つのは」

「「僕(私)だ!」」

 お互いのパンチが腹部に当たる


「「ぐっ…」」

 ハスバさんめ……打つ瞬間足を踏んで僕が逃がしをするのを少し邪魔してきたな……お返しにコークスクリュー掌底をお見舞いしたから流石に内臓にまで衝撃が行ったはずだ。やるなぁ!



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― 新着の感想 ―
[良い点] この変態のことだから、ダメージ減らす代わりに痛みを増やすとかのデメリットパッシブありそう(痛覚あっぢけ?) デメリットがデメリットにならないやつ。 ドMは強いと世界に証明されている。
[一言] ハスバさんさすがだな、攻撃を喰らえば喰らうほど悦んでしまう受ける盾w と言うか、おしい!恥ずかし固めまでもう少しだったのに!団体戦じゃ難しいな~w
[一言] ハスバさんなら股間に拳叩き込んでやったらいい笑顔で逝ってくれそう
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