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1269/2017

4連携

「おいやべーぞ!この霧を早く払わないと!」

「くそっ!さっきから聞こえてくるこのギターの音……めっちゃ良い音かき鳴らしてくるのに体が重くなる!」

「【エアブラ……」

 風を起こして霧を飛ばそうとしていた人に【ハシャフ】を掛けて、魔法の使用を中断させる。まだこの霧には残っていてもらわないと


「そろそろ頃合いですかね」

 ギターで弾く曲調を変える。これは事前に決めていた合図だ


「離れてろ!【ソードタイフーン】!」

 剣士っぽい人が両手剣をもってその場でハンマー投げでもするかの様な回転を始めた。あれは【ハシャフ】を使っても、止められないな


「ふむ、まぁ1度くらいは良いでしょう」

 竜巻の様に回って周りの霧が吸い込まれて挑戦者達の視界が開けていく。見えない中でやられていくのも怖いけど、逆に見えてる状況でやられたらどうかな?


「なっ……」

 短く一言だけ聞こえたが、その回転していた人の甲冑の隙間を縫うように頭部にしっかりと矢が刺さっていた。多分鎧を透過して直撃させることも出来たんだろうけど、視界取りの為の隙間を通す超絶テクニックでレイさんが矢を放っていた


「矢!?どこから……」

「奥の手だったのですがねぇ?あのように私の演出を壊されてしまってはコンサートの形も変えざるを得ないのです。さぁ、今からはカルテットで行かせてもらいましょう」

 暗に四人目が居ると言えば充分だろう。まぁいつでもセプテット(7人)に出来るんだけどね?


「さぁ、行きますよ?」

 ギターを一旦背負って、僕も戦闘に参加する。が、これは白武と黒武。そしてレイさんの連携の為だ


「来たぞ!防御固めろ!」

 タンクの人を固めて全方位からの攻撃を防ぐフォーメーションみたいなのを事前に決めていたのだろう。僕がギターを背負った時点で何かがあると察知した人が指示して防御フォーメーションになったが、あくまでもこのステージでの僕は囮なんだよなぁ


「【フラッシュシールド】」

「……」

「……!」

 黒凪によって僕の突撃が急に止まり、一瞬大きくなったシールドはまた普通のサイズに戻っていく。ああいうジャストガード的な物は悪いけど、多分僕の前では無力だと思う。こっちには何種類もタイミングをずらす方法があるのだから


「【ワンショットフォートレス】」

 聞こえて来た単語と、展開されるドーム状のバリア。推測出来るのはワンショット(一発)とフォートレス(要塞)の単語から一撃は防ぐバリアだと考えて、黒凪の効果が終わったタイミングで【投銭術】で縛占貨を投げつける


「くっ……」

 よし、合ってたみたいだ。バリアを破壊された相手が悔しそうな顔をしている。もう僕のすぐ後ろには白武と黒武が居る。この状況でバリアを破壊されたのは厳しいだろう。ここからは一人僕達の連携を見せる為に防御力が高そうな人を選んで攻撃しなきゃ


「君、良いね」

「へ?」

「【インパク】」

 周りから攻撃されない様にさっさと行動に移す。上に向かってフルプレートマンを吹き飛ばす。いやぁ、こんなに重そうな人を相手にしてるのに問答無用で吹き飛ばせるのは凄く良いな!


「そんな重い物を付けていたら空を飛んだ事も無いでしょう?連れて行ってあげますよ【インパク】」

 とりあえず8mから10mくらい上がれば良いだろう。初撃に2m、ジャンプして追撃で更に2m。【ダブルジャンプ】を使用して更に2m。僕の少し上に飛んできた白武に下から黒武が黒凪の斬撃波を当てて、足場となってもらい、2m。一度白武の背中に着地した判定になったので【ダブルジャンプ】が復活して更に2m。これで10mだ


「短い空の旅をお楽しみください」

「うわぁぁぁぁ!」

 体勢が不十分なまま落ちてくるフルプレートマンに追撃する2つの影。キッチリ地上に戻る時間も稼げたから白武と黒武がクロスする様にフルプレートマンにジャンプしながら切り上げる


「くっ、【ガード……」

 何かを発動しようとしていたみたいだが、残念ながら僕らの追撃の手はまだあった。我らが魔弾の射手。レイさんの放った矢が放物線を描き、空からフルプレートマンを貫く。不意打ちの攻撃にスキルの発動が失敗し、白武と黒武の二人の手によってフルプレートマンはXの字に切り裂かれた


「素晴らしい。しっかりと空中でトドメを刺しましたね。偉いです」

 キチンと役割を果たしたのだから褒める事は忘れない。あとで最初のエリアで人数をガッツリ減らしてくれた二人も褒めないと


「な、なんだよ今の連携……」

「防御力が高いアイツが……」

「いや、諦めるな!あれだけの連携はそう何度も決まる物じゃない。1体1体個別で対処すれば問題ない!」

「素晴らしい。実に賢い選択です。ですが、私はそれを良しとはしませんので、また次に進める方を選別しましょうか」

 再度ギターを取り出し、またかき鳴らす。すると、白武と黒武が分身し、刀を持っている白武と黒武と持っていない白武と黒武が現れた


「では、個別での対処。どうするのか見せていただきましょう」

 勿論レイさんも増えてるから弓の攻撃もあるぞぉ?イベント前に確認したけど、しっかり前に使った弓も使えるらしいから、分身しても武器が無い問題はレイさんは自力で解決可能なのだ



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― 新着の感想 ―
[一言] パーティ単位での連携はある程度できているはずなのにねー、味方がたくさんいるとついばらけちゃうんだw
[一言] ボスが取り巻き護衛キャラを任意で増やしてくるのほんまキツいw
[良い点] この口調で蹂躙してくるの、元勇者陣営からしたらトラウマでは。 ゲヘちゃん唐突に出したくなるなぁw
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