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1261/2017

和やかに

「はい、どうぞ」

「これが……なんだかお腹が減ってきました!」

「うっひょ。来たよ来たよ!久々の美味しそうなご飯だ!」

 この喰いつきっぷりは、モルガ師匠さてはご飯食べてなかったか?魔法開発して飛んできたとかさっき言ってたし、なんか徹夜もありえそうだな……


「ではでは!頂きます!」

「私も頂きます!」

 二人とも煮込んでとろとろになった牛(っぽい)肉をナイフとフォークを使って食べる


「うわっ!凄い。ギコギコしなくてもスーってナイフが入ります!」

 ヤミィさん中々に凄い表現するなぁ……食事に慣れてないせいなのか分からないけど、ナイフでお肉を切る時にギコギコって擬音は普通使わないんじゃないかな……


「ん-、んー♪この口の中でほろほろと溶けてくみたいなおにく!空腹には悪いよこれぇ!うまうまっ」

 こっちはこっちでグルメレポーター気分なのか感想を言って食べてるけど、グルメレポーターと言うより大食いファイターみたいな真剣な目つきなんだよなぁ……


「料理の方はどうかな?」

「はい!なんというか、高級なお店とかにありそうな物でビックリしてます。味も多分凄く美味しいんですけど、凄すぎてどう表現したら良いかちょっと分からないです」

 他の人に対しての表現が難しいって事か。まぁさっきはある意味得意分野の闇?みたいな事だったから結構分かりやすく説明出来たのかもしれないけど、食事に関してはそこまで理解していないみたいな感じだからどう表現して良いのか分からないのかな。文系の人が理系の分野の説明をしろと言われても中々難しいみたいな。そういう感じかな?


「まぁ、これから何回も試して行けば良いと思うよ。それに、美味しい料理は別に魔力を使わなくても出来るからね。やり方さえ知っていれば誰だって作れるようにもなるよ。僕だって、食べて作っての繰り返しでそれなりに上手くなったと思うし」

 魔力を使った物を使えば確かに時短は出来るけど、別に魔力が無くても火起こししたり、冷やしたりは自然界でも出来る。精霊という存在に魔力が無い所とか行っても大丈夫なのか分からないけど、出来れば自分で色々試して欲しい。料理を作る楽しさというのも知って欲しい物だ


「これは研鑽の味なんですねぇ……美味しい。体が喜んでいる気がします」

「あぁ~、ダメダメ。これもうダメです。はい罪~!刑執行!私に喰われるの刑~!美味美味ぃ~」

 モルガ師匠酔ってるのか?なんか煮込み肉に刑執行とか言いながら食べてるし……


「師匠、もしかして酔ってます?」

「いや、いやいや!酔ってないよぉハチ君。これはねぇ。徹夜明けのテンションって奴さ!」

「【レスト】」

 徹夜明けでハイになってただけなら寝かせれば一発だろう。ちゃんと顔面から煮込み肉に突っ込まない様に背もたれの方に頭を向けたから大丈夫だろう。やっぱり徹夜明けだったのか


「……んおっ!?ごはんごはん!」

「お腹減り過ぎでしょう……」

 起きた瞬間鼻をひくひくさせて煮込み肉に突っ込んで行ったモルガ師匠。多分徹夜明けテンションの方は何とかなったと思うけど、空腹の方は全然治ってないな


「とりあえずまだ作りますからもう少しゆっくり食べてください。喉詰まらせますよ?それにお客さんも……いや、一応モルガ師匠もお客さんと言えばお客さんなのか?まぁ、他にも人が居るんですから」

「いやいや、ハチ君の美味しい料理は油断してると逃げるかもしれないからね!それにこうしていたら絶対に……」

「今日は肉の披露宴に来たみたいだ。テンション上がるなぁ~」

 なんか言いながら入って来たのは花魁スタイルのウカタマ。一応チラッとヤミィさんが見えたからなのか人の姿を取るという配慮でもしてきたんだろうか?


「今日はその恰好なんですね?」

「こっちの方が長く味わえる!」

「あぁ……」

 確かに通常のウカタマだと、普通に一口で食べられちゃうから長く味わう為にあえて人型を取ってるのか


「あの、こちらの綺麗な方は……」

「よっすよっす。今日はちょっと遅かったじゃん?」

「やらなきゃいけない事は終わらせたからな!今日はゆっくり飯が食える!」

「ハチさん、今日は私もよろしいでしょうか?」

「飯綱さんもいらっしゃい。今作りますから少々お待ちください」

 何か御稲の国でやる事が終わったのか、今日はお目付け役の飯綱さんも優しそうだ。いつもみたいにアルゼンチンバックブリーカーみたいな事をされて帰るウカタマを今日は見なくても済みそうだ


「あ、ごめんごめん。この人はさっきチラッと話に出てた神様だよ。ウカタマっていう豊穣の神様なんだ。それと、その隣に居るのは飯綱さんっていうウカタマの補佐をしてる方で、そういえば紹介してなかったこの人はモルガ師匠。一応、僕の魔法の師匠って事になってる。で、こっちはヤミィさん。吸血鬼の国に居たんだけど、より良い環境を求めてこっちに来た精霊のハーフだって」

「「「へぇ~」」」

「あ、ど、どうも……」

 一応紹介はしておいたからこれで、少しは仲良くなって欲しい


「んでんで、あそこで料理してるのが、人間ほぼ卒業しかけてるハチ君!」

「さて、モルガ師匠の分はヤミィさんに回そうかな」

「待って待って!謝る!謝るからそれは許してぇ!」

「ふふっ」

 あぁそっか。モルガ師匠場の空気を和やかにする為にいつものネタみたいにやってたのか!なるほど納得



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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど!貪食の悪魔モルガ、流石場の空気を和ませるのうまい!!!
[一言] うーんなごやか!のどかのどか! まあ、美味しい食事があれば誰でも黙らせるシェフハチくん様だからな! ステータスがあれば神でさえ食材にする男! と言うか、ヤミィさんご飯に釣られてホイホイとんで…
[良い点] 卒業しかけてないとでも言うんですか!w
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