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1254/2015

白と黒の

「とりあえず持ち帰る事を考えたら誰が良いかな……」

 一番手っ取り早いのはゲヘちゃんとかだろうけど、地獄出身らしいゲヘちゃんを冥界で呼び出すのはやって良いのかどうか分からないラインだし、神様だって冥界に呼んだらなんかバランスとか崩れそうな雰囲気があるから、ここは……


「白武と黒武を呼ぶか」

 片方だけ呼ぶのはなんか可哀想だし、2等身のミニ白武とミニ黒武に運んでもらおう


「おーい、2人ともこれ持ってくれるかな?」


『ドンドン』

 床を鳴らす様な音がした後、すぐにミニ白武と黒武がやって来た


『なにをすればいいですか?』

「この刀を持って帰りたいから2人で持ってくれるかな?」

 ホワイトボードに質問を書いてくれて、ミニ白武と黒武が2人でカサネガサネを持ち上げているのは中々に可愛い。それにちゃんと持てて良かった


「おぉ?そいつらは?」

「この子達は僕の友達です。僕は武器を持てないので持って帰る為に呼びました」

「ほぉ?ちょっとその背中の武器を見せてもらえるか?」

「ちょっと2人のその武器をこの人達に見せてもらっても良いかな?」

『どうぞ』

 白武と黒武のあの生物的な槍を五鍛冶に見せる


「なるほど、こういう物もあるのか」

「生体武装か……これは流石に範囲外だな」

「この武器は変形するノネ~」

「若いもんの知り合いには凄い奴も居るもんだ……」

「これは、凄いな……こういった武器は初めて見た」

 5人ともまじまじと槍を観察している。なんだか槍も少し委縮しているようにも見える


「2人の身体能力も高いんですが、出会った時は武器の多彩な攻撃に翻弄されて、今となっては凄く頼りになる2人の武装ですね」

 レーザー攻撃とか、特に色々助かったなぁ……演出面でも威力面でも


「いやはや、新しい知見を得られた」

「まさか死んでから学びを得るとは思わなかったノネ~」

「今すぐには難しくても、こういった物もいずれは作るぞ!」

「若いもんの持ち込む物は刺激があってたまんねぇぜ」

「こういった物に抵抗がある人が居るのも事実だが、武器や防具を扱う物としてはもちろん作ってみたくはなるよね」

 やっぱり鍛冶師として、武器の事となると色々関心がある様だ。もしかすると、この槍の強化が出来るかもしれないな……


「2人とも、もしこの槍が強化出来るかもしれないって言ったらどうする?」

「「……」」

 2人とも顔を見合わせて、何か話合いをしている様な素振りを見せる。2等身だからそういう動作もなんか可愛く見えるんだよなぁ……


『きょーかできるならしたい』

「なるほどね。それじゃあこの人達に武器を預けるのは大丈夫かな?……出来ればどうするか2人に選んで欲しいなって」

 正直結構大変な事を言っているとは思っている。ここで武器を預けていけと言い切る事も出来るけど、強制ではなく、選択の余地を残してあげたい。僕の所に来る前は蟲の女王みたいな奴に無理やり従わなければならない様な状態だったし、この2人には自分の道が選べるという事を再確認してもらいたい


『あずける』

「「「「「おぉ!」」」」」

「オッケー。それなら後で実際の槍を持って来よう。今はその槍を先に見せておくって事で」

 2人が槍を預ける事を選択した。今は魔法体で呼び出してるから実際の槍を後でここに持って来るとして……正直成功するかは分からない。それに今、槍を失った事で2人の戦力は結構落ちてしまった。でも、2人を作戦から外す様な事はしたくない……どうするかな?


「預けてもらえんなら是非ともコイツを持って行ってくれ。預けてくれている間にぶっ壊しても構わねぇ。そん時はそん時だ」

 ツンデレ系人間の鍛冶師が工場の奥から二振りの刀を持ってきた


「それは元々二刀流の奴が使う予定の刀だったんだが、渡す前に死んじまってな。ワシが死んだ時には何故かこっちまで持ってきていた刀よ。いわゆる人生としては最後に作った作品さ。こんな所で埃を被っているより、新しい風を入れてくれた礼として使ってくれ。白颯しらはやて黒凪くろなぎだ」

 おい、なんでそんな滅茶苦茶カッコいい名前の付いた刀があるのに今のネーミングセンスがハバキリソードとかなんだよ……


「「……」」

 僕の方を見て「もらっても良いの?」と言わんばかりに小首をかしげる2人。別に拒否する必要も特にないよな?この提案


「2人が自分の身を守る為に必要になってくるだろうから借りておきな。もちろん、2人の活躍だって僕は期待してるから今の内からそれで練習とかもした方が良いんじゃないかなぁ?」


『ありがとうごぢいます』

 ホワイトボードにちょっとだけ誤字りながらも感謝の意を書いて、2人が刀を受け取った。頭の上に3振りの刀を担いでわっせわっせと動いている


「さっきの話だと割と大事な刀だと思うんですけど、本当に良いんですか?」

「あぁ、武器は使ってナンボだ。さっきの奴だって、使えない奴の手に渡ったとしても、ソイツが売れば使いたい奴の手に渡るかもしれないだろ?経済を回すとかは正直どうでも良い。俺は俺の作った傑作を振るってもらえればそれで良い」

 良い哲学だなぁ……


「分かりました。白颯と黒凪。確かに受け取りました」

 白武と黒武がだけど



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― 新着の感想 ―
[一言] 武器は使ってなんぼ  飾っておけば風化して使い物にならないとかなんとか何処かで聞いたことあったね
[一言] まーた鍛冶の技術段階が進んでしまうような事をw ちなみに生体武装はアームドフェノメノンと厨二ルビを振りたいw と言うか、チビ武ーズ可愛いw …もらった刀のネーミングは素晴らしいんだが、こちら…
[一言] 鑑定しとらんってことはトンデモ性能を知らずに振るう事になりそうな…
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