更なるアイデア
「これ、ヤバいな……かなりの高負荷トレーニングだ」
4人4種の4方向からの触手攻撃。これに対応する為に触手で応戦するが、これがまたかなりしんどい
「なんであれに対応出来てんだよ……ムカつくなぁ?」
「いやぁ、改めて思ったけどやっぱ凄いわ……」
「ハチはまだ出来る」
「ん、つよつよ」
僕の訓練の為に4人も工夫して、4人の立ち位置を攻撃しながら入れ替わったりしてかなり良い訓練だったと思う。モノさんにはまだ出来ると言われてるけど流石に疲れた……意外とレジーとイドラの2人への対処が難しくて、レジーが息もつかせぬ連続攻撃と思えば、イドラの緩急をつけた攻撃が反対だったり、隣あった所から飛んでくるから対処を間違えるとレジーの鉄パイプ触手にボコボコにされる。それに、モノさんの基本に忠実な攻撃と、一発防いだとしてもその周りの枝分かれした奴が突破を狙ってくるストリの触手も最初の手ごたえは似ていてもその後があるか無いかの判断を迫られるのも中々に難しいのをモノさんに見抜かれたのか、ストリとの触手の攻撃タイミングを合わせてほぼ同時に当たる様にしてきたから見極めが難しくて脳をかなり使った気がする
「皆ありがとう。これかなり良いトレーニングになってる気がするよ。一瞬の状況判断能力とそれに対処する触手のコントロール力。一瞬で触手の形なり、打ち合い方を変えたりしないとダメだから触手の反射神経みたいなのが鍛えられた気がするよ」
最後の方とか二人は時計周り、もう二人は反時計周りとかしだして背中から出してる触手が絡まるんじゃないかと思う程の猛攻だった
「なんか、ここ、大きくなった?」
「そういや確かになんかデカくなってねぇか?」
「やっぱり?私の気のせいじゃなかったのね」
「ん、疲れた」
イドラはマイペースだなぁ……でも、確かに深淵が広がっている気がする。深淵の扱い方が良かったのかな?
「この訓練……もっと人数が増えたらもっと面白そうだな……」
あと3人は欲しいな?
「これはまた凶具集めの理由の1つが増えちゃったなぁ?」
凶具の仲間が増えれば、訓練の強度を上げる事が出来るし、デメリット効果次第だけど、強くなる事だって出来るだろう。イベント終わったらまた凶具探しの旅に出るかなぁ?
「また、仲間、増える?」
「一応そのつもりで動く気だけど……何かマズイ事でもあるかな?」
「ううん、楽しみ」
良かった。これで増えるのがダメとか言われたら困る所だったけど、良かった……あれ?これやっぱり僕よりモノさんの方が立場が上になってない?
「まずは今度のイベントを成功させないとね」
その為に皆で訓練をしていると言っても過言ではない。防御に関してはほぼ関係ないというか、呪いの力で手元に戻ってくるだけで攻撃は回避出来るからそっちは訓練しなくても問題ないとして、深淵がキチンと扱えれば攻撃性能を更に伸ばす事が出来るから教育方針としては完全に得意を伸ばすって感じで行こう。もちろん苦手を潰すのも良いけどね?
「分かった、頑張る」
「やれば良いんだろ!やってやるよ!」
「まぁ、今のが使えるなら案外行けちゃうかも?」
「ん、ひと眠りしたら頑張ってみる」
おぉ、イドラがやる気を出してる。まぁ寝ながら色々出来る様になったからそれでちょっとやる気とか出てるのかもしれない。怠惰の存在にやる気を出させるってこれ結構凄い事してるんじゃないか?
「よーし、皆頑張ってくれたし、訓練も終わった所だからピカピカにしてあげよう!」
今日の訓練はかなり良い訓練だと思ったし、今後も自分でいつでも使えるというのがこの訓練の利点だ。だからこの訓練は無理してやり過ぎる必要はない。あの2柱の所だったら確実に何か掴めるまで命を削りながら訓練するって感じだけど、このくらいなら結構ハードな訓練って思う程度で済んでる。これなら割と何回でも出来そうだし、仲間が増えたら訓練強度が増していくというかなり良い環境が作れそう。というか、僕が扱える深淵の総量が増えて皆に纏わせる深淵の量も増やせば更に訓練強度も高められるのでは?
「次回はもっと難しく出来るかもしれないな……おっと、まずは外に出てからだ」
このまま深淵の中に居座るのも良くな……この深淵。外と隔絶されてるんだよな?という事は上手く扱えば邪魔される事の無い、こっちのどこからでも深淵による攻撃が出来る圧倒的にホームなキルゾーンを生み出せるのでは?
「なんかもっと良い報酬アイテムとか作れないかな」
報酬アイテムになりそうな物……うーん、カーボンウッドの巨大一枚板を何枚も作れば何かしらのアイテムと交換出来たりしないかな?
「ビリヤードとダーツもまだ作ってなかったし、戻ったら一旦それの作成をしちゃうか」
遊べる物があればそれにつられてやって来た存在の中に僕が求める物とか情報を持っている存在が居るかもしれない。そういう情報収集の為にも遊び場としての機能の拡張は割と急務だ
「ミスリルと何か合金とかで武器を作ってみるのもアリかな?」
あの五鍛冶に協力を求めるのも良いかもしれないなぁ?




