特別なトラップ
「ふむふむなるほどな?こういうのを設置しようとしたらコストみたいなのが掛かっちゃうのか。上限が決まってるからその上限以上には置けないと」
ただの壁とか見た目変更は何のコストもかからなかったけど、トラップとかだとコストが発生して設置出来る個数が決まっている。トラップによっても掛かるコストが違うからコスト運用が大事になってくる……これも戦争イベントの時の防衛設備の配置に似てるなぁ?こういう所も人の個性が出る奴だなぁ
「でもこの感じだと僕が外から持ち込んだらコスト関係なく設置出来るよな?だから今はこれでトラップを設置しておけば後から追加が出来そうだな」
コスト関係なくそこに落ちてるだけみたいにしておけばコストオーバーしても関係なくトラップを置けるとなると中々面白いけど、やり過ぎはつまらないからとりあえずコストを使ってトラップを置いておくか
「最初から出てる剥き出しトラップ。踏んだら発動。通過したら発動。敵味方判別可能トラップ。ステルストラップ……色々あるなぁ?」
コストを掛ければ掛ける程、より発見しにくくなっている。敵味方判別出来るトラップなら普通にバックステップで距離を取りながらトラップの場所を通るだけで、誰かしら引っかける事が出来るし、通過したら発動のトラップは空中にも設置出来るって事なんじゃないかな?だからこれもまた悩ましい。もろバレトラップなら掛けるコストはかなり低いので大量に設置出来るけど引っ掛かってくれないだろう。その逆にトラップ部分が完全に透明なステルストラップ等であれば引っかけるのはものすごく簡単かもしれないけど、コストが高いので設置数が少ない。そしてこのコストは今回使うこの3段構えのエリア全部のコストが纏まっている。これがまた悩ましいな……
「剥き出しトラップなら100個設置出来るけどステルストラップだと5個かぁ……ん?このコストを25使う奴は……ほほう!これ良いじゃん!これ使おう!」
ふむふむ、こうなるともう4つとも2か所目に全投入するか。ドラゴン2体よりも蟲人2人の方がトラップがあった方がより戦いがやり易くなりそうだ。ここでトラップも全投入してしまって人数を絞って最終戦は特に小細工なしの方が楽しそうだ
「このトラップは、実戦でちゃんと動くかチェックする為にチェルシーさんで試すか」
せっかく大量にコストを使ったトラップが使えるかどうかモルモッ……実験台で試してみよう。あの人ですら引っ掛からないなら正直そこまで使い勝手が良くないかもしれないから、それだったら床をベタベタにするか、つるつるで動きが取りにくい様にした方が良い
『チェルシーさん。ちょっとイベント会場で確認したい事があるので、来ていただけますか?』
『はいはーい!今行きますね!少々お待ちを~』
来たぜぇカモが……
「ん-、ハチさんはどこに……」
「あ、こっちでーす」
「そこに居ましたか。いったい何が……ん?なんかありますね?」
何だと!?あのチェルシーさんが透明なトラップに気が付いたのか……あっ、そう言えばチェルシーさんって盗賊系の職だっけ?そのせいでトラップがバレたか?
「なーんか怪しいですねぇ?」
「いやちょっとこのポイントで気になった事がありましてね?」
「まぁ、なんとなくこの辺にトラップがあるでしょうからそれは避ければ良いとして……なっ!?」
「うん、実験成功。これは使えますね。コスト分の性能はあると思うな」
「ちょちょちょ!?なんですかこれ!?」
トラップが無い所を狙って歩いていたチェルシーさんの足元にワープして発動したトラップ。ステルストラップに短距離ワープ機能が付いた範囲に入った瞬間アウトなワープトラップ。4つしか使えないからこれでチェルシーさんに躱されるようならまず他の人も引っ掛からないだろうと思っていたけど、これはちゃんと使えそうだ。ちなみに今回チェルシーさんが引っ掛かったのは上に引っ張り上げられて吊るされるトラップ。見えてないのに急に逆さ吊りになったらそりゃあどうしようもないな
「チェルシーさんでも捕まえられるならこのトラップは充分有用ですね」
「いやっ、ちょっと、降ろしてもらえます!?」
「まぁ、降ろしても良いですけど……どうしましょうかね?」
あえてチェルシーさんの前で腕組みをして何もしない
「まさかっ!?ハチさんこの状態の私にアハーンでイヤーンな事を!?」
「あ、もう検証は済んだので帰って良いですよ」
パチンと指を鳴らすとトラップが解除されて、チェルシーさんが頭から落っこちた
「痛った~……急に落とさないでくださいよ」
「チェルシーさんが変な事を言うからでしょう?」
「ハチさんってもしかして女性に興味ない方です?」
「あー、女性に興味が無いんじゃなくてチェルシーさんに魅力も興味も無いって直接言った方が良いですか?」
あまりこういう事は言わない方が良いと思うけど、正直ちょっと面倒になってきたので思いっきり突き放す様に言う
「あまりにもバッサリ斬り捨てられて逆になんもいえねーですねぇ」
「まぁ、現段階ではって話ですよ」
今のは言い過ぎて良くなかったかもしれない。フォロー入れとこ
「ふむふむ……ってことは私にもチャンスはあるって事ですね……」
なんのチャンスだろう?まぁ、なんにしても現段階のチェルシーさんはノーチャンスだ
 




