木材市場調査
「あぁ、そうさせてもらう。あの場所を使わせてもらって良いだろうか?」
丁度窓から見えた物置っぽい所を指差す吸血鬼のおじいさん。まぁ、そこなら問題ないかな
「良いですよ。これでそちらの方々も遊びに来る事が出来ますね」
「あぁ、たまに遊びに来るとしよう。それではそのままゲートを作ってそのまま帰るとしよう。2人共これからもしっかり学ぶのだぞ?」
「「はい!」」
これで今後吸血鬼サイドの人もここに現れる様になるのか。ちょっとだけ楽しみだなぁ
「これで島がまたにぎわっていくなぁ」
「凄い手際……」
「あの一瞬でおじいちゃんを……」
その言い方だと僕がおじいちゃんを倒したみたいな言い方な気がするんだけど、そんな事してないからね?
「とりあえず、ダーツの方は的は割とすぐ作れると思うけど、ダーツ本体の用意とビリヤード台とかの作り方とかちょっと調べてこようかな」
何処かにあれば良いけど、その辺は一度キチンと調べて作った方が良いだろう
「あ、そうだ。一旦造船所の人達の所に行って木材がどういう判断されるか聞きに行ってみるか」
折角さっき良い木材が作れそうという事が分かったし、僕の知ってる中での木材のスペシャリストと言えば、造船所のおじさん達だ。久々に行ってみるのも面白そうだ
「また何処かに?」
「うん、前に2人ともお世話になった飛行船を作った人達の所にちょっとね」
「あの飛行船は凄かった!すっごい速かった!」
あれだって僕も頑張って材料を集めたけど、それがもしかするとこの手で更に良質な材料を作れるかもしれないとなれば行って聞いてみない訳にはいかない。さっき切り出した一枚板も持っていこう
「どーも、こんにちわー」
「んお?関係者以外立ち入り禁止……おぉ!これはこれは!」
「お久しぶりです。ちょっと見てもらいたい材料を入手しましてね」
「ほう?随分と気になる言い方をしてくれるじゃないか。どんな奴だ?」
「これっ、なんですけどっ!」
一枚板をインベントリから出すのも中々一苦労だな?
「ほぅ?こいつは立派な一枚板じゃねぇか。家具とか作ってる奴に売ったら中々懐が温まりそうだな」
「評価としてはこれは使えそうって事で良いですかね?」
家具を作る人が買ってくれそうっていう事は物としては良いんだろうけど、飛行船には使えないって感じかな
「じゃあもしもの話ですけど、カーボンウッドがこのサイズ感だったらどうです?」
「カーボンウッドがこのサイズ?そんなサイズの物は見た事が無い。そんな木があったらとんでもない山火事になってしまうぞ?」
確かに。燃える木だったし、巨木になるまで成長させたら大火事になるのも分かる
「なるほど、でももし本当にあったらどうします?」
「本当にあったらか……このサイズ感でのカーボンウッドの一枚板なら凄まじい高値が付くのは確実だな。カーボンウッドは飛行船以外にも色々と使える用途があるから買うとしたら滅茶苦茶高値が付くだろうな……」
なるほどなぁ……やっぱり軽くて強い素材だし高いんだ
「カーボンウッドが取れる木って苗とかあるんですか?」
「苗?燃える木の苗か?」
苗があれば成長させて巨木に出来るはずだ
「はい。もしあるのならうまく行けば……」
「カーボンウッドが取れるのはあの火山の周りだけ。そして苗があっても育つのもあの火山の周りだけだ。だから流石のハチさんでもなぁ……」
ほほう?これはやっぱりビックリさせたいなぁ……
「苗自体はあるんですね。分かりました。それじゃあその内やってみましょう」
そろそろ夕方だから一旦空島に戻って星座魔法強化の準備をしよう。多分何か強化出来るとは思うんだよなぁ
「おいおい、マジで何かやる気か?そんな事も出来んのかよ」
「さぁ、もしかすると何か起きるかもしれませんね?」
「ぜぇってぇやべぇって……その内とんでもねぇカーボンウッドが出てくるかもしれねぇのか……これはちょっと他の奴にも一応声をかけておいた方が良いか」
そう言えばここの人達ってカーボンウッドの匂いを吸ってハイになってなかったっけ?そんな人達にこういう情報流して大丈夫なのかな……
「とりあえず今日の所は何もないですけどね。それでは!」
事前報告だけしておけば何とかなるだろう。やる事が沢山あるなぁ……でもこういう忙しいって楽しいんだよなぁ!
「さぁて、それじゃあやってみますか!」
城の屋上で夜空を見上げながら星座を探す
「おっ!来た来た!」
視界が白くなり、見える様になったと思ったら星座の迷宮に辿り着いていた。えっと、この星座は……
「これは双子座かな?【ジェミニ】の所か!」
大量の相手と戦うとなると確かに手数が増える【ジェミニ】が強化されるのは嬉しい……いや、まだ完全に攻略出来るとは決まってないから捕らぬ狸の皮算用はしない方が良いな
「早速マッピングしますか!ここはどんなトラップとかあるかな」
双子に関連するトラップとかどんなのがあるかな?
「おっ?鏡?いやでも写ってる足場が違う様な……」
ここは双子の場所って考えるなら、鏡の中の自分も落ちたらダメって事かな?




