お悩み?相談
「また後日お呼びしますね。その時はよろしくお願いします」
「分かりました!これ権限を持ってるって事はとりあえずいつでもここに来ることが出来るって事ですよね?」
権限を持っているならいつでもここにやってきてマップをカスタマイズできるって事で良いよね?
「そうですね。権限を使えば行けると思います。イベント後も残るかまではちょっと分からないですけど……」
あーそっか。空島とか無人島と違って、これは個人向けの物だからイベントが終わったらこのマップも消去されたりする可能性もあるのか。それはもったいないというか何というか……いや、こういうデータって新しく何十何百とエリアを作って保存していくって大分難しいか。一度使ったらその後使わないとなると消去するのは全然ありえるな
「まぁ、これに関しては消えてもチェルシーさんに文句は言えないですね」
「えっ」
まさか自分に文句を言われるとは思いもしなかったチェルシーさん。こういう不意を突いた時のちょい絶望顔みたいなのがホント上手いな
「冗談です。とりあえず今日はもう帰りますね。あとはイベント当日までに色々また変えたりしておきますので当日はよろしくお願いします」
「は、はーい……」
そう言って、このエリアから権限を使って退出する。あ、これって……上手く使えないかな?
「ふぃ~……ハチさん。ホントに人が良いから油断しちゃうけど、自分の命がハチさんの掌の上にある感覚が中々怖いんですよねぇ……なんかそれも良いと思っちゃう瞬間も……これあの変態とある意味一緒?ヤバいヤバい、一旦冷静に落ち着こう」
ハチが戻ったあと、あまりにも自分の命が軽く感じて冷静さを一瞬失いかけていたチェルシーであった
「さて、後は夜を待つだけか。ただ待つのはつまらないし、何か作ってようかな?」
またお皿とか何か作って時間潰そうかな?
「そうだなぁ、ふわふわの雲毛とか入手出来るし、なんか人形でも作るか」
人形を操って戦うなんてやり方してる人が居たけど、シロクマの人形とか作って、操り人形っぽい形にしておけば各街の子供達と遊びながら情報収集とか出来るかもしれないし、何よりこれから戦いってなるならその前にまったりとした時間を過ごしたい。誰か遊びに来るならそれでも良いけど、レベルは一旦今綺麗な数値になっているから上げたくないし黙っているのが丁度良い
「よし、とりあえずこの辺を用意して作ってみるか。これでうまく作れたら現実の方でもチャレンジしてみようかな?」
現実でぬいぐるみと言うか、キーホルダー的な物を作って筆箱か何かにつけるとか良いかも
「はーい、こんちわー。ハチ君いる?」
「おっ?ハスバさんどうしましたか?」
ハスバさんが城にやって来た。なんだか久しぶりな気分だ
「いや、今暇かなぁと思ってね。基本的に空島にハチ君が居る時はちゃんと聞けば居るって返事が返ってくるからね」
ゲヘちゃんとかなら確かに城に来た人とかの対応で僕が城に居るかどうかならフレンドの人には教えるだろうな
「そうですね。今はちょっと縫い物でもしようかと思ってまして」
「ほう?縫い物か。少し見ていても良いかな?」
「ええどうぞ。良かったらハスバさんも何か作ってみます?」
「良いのかい?それならお言葉に甘えて手提げ袋でも作ってみようか」
ハスバさんも一緒に縫い物をしてくれるみたいだ。どうせ夜まで暇だし、何か世間話でもしようかな
「最近どうです?何か面白そうな物とか発見しました?」
「最近かい?そうだなぁ。今の所は特にハチ君が求める様な面白い事は無いかな」
それは残念だ。まぁ誰でもそんな面白そうな情報をタイミングよく持っているとは限らないか
「まぁ、そうそう面白い情報とか手に入らないですよねぇ……」
「ところでハチ君は今どこまで行ったんだい?」
「僕ですか?僕は今は7つ目の街に到着した所ですね。そこで泉を見つけて一旦チェルシーさん主催のイベントが終わってから進めようかなって」
実際問題あの独立部隊の団長達も放置状態だしなぁ……
「7つ目か……だとしたら早く追いつかないとな」
今日のハスバさんはいつもと何か違うな?いつもだったらもっと縫い物とか言った時に「口でも縫うのかい!?」とか言いそうな気がしたけど、そういうおふざけが無い
「最近見てなかった様な気がするんですが、もしかしてお仕事が忙しい感じですかね?」
「あぁ、ハチ君には分かってしまうか。ちょっと今は色々と立て込んでいてね。こういう事を嬉しいと思いながらやっていたけど、案が出なくて今はとてつもなく困っている所さ」
まだ学生の身分だから僕から言えそうな事が特に何もない。どうしよう?なんて声掛けたら良いかな?
「うーん……ちょっと待っててください」
「あ、あぁ。こうして縫い物でもしていたら新しい案が浮かぶかもしれない」
解決出来る問題とは言い難いが、ハスバさんは多分何か刺激が欲しいんだろう。となると、僕からハスバさんに対して出来る事とか少ないけど……やるだけやってみるか!
「おい、ウジ虫」
「へぇっ!?」
こういう時はハスバさんを喜ばせるしかない!
 




