メリアさんへ聞きに
「お前っ!?なんでここに?」
「街の中に行きたかったんですけど、身分証を提示しないといけないって言われたんで入れなかったんです。団長さんが来たら何とかなるって話だったんで待ってました。あの人はサッサと街に入っていきました」
「あいつ……」
事情を知っている団長さんは頭を掻いて色々考えているみたいだ。まぁ、先に一緒に帰った人は自分だけ入ってたり、逃げられると思えば逃げられる状況に居るのにお茶してるとか。まぁ頭を抱えたくなると言えば抱えたくなるかな?
「で、僕はどうしたら良いですかね?荷物とか捕虜扱いで街に入るんでしょうか?」
一応考えられそうなのは単なる荷物か、捕虜的な扱いで国の内部に連れていくかだと思うが……
「いや、あれだけの事をした人間を捕虜とか荷物の扱いで入れるのは忍びない。独立部隊に仮入隊という事で
俺達の管理下に居る事が条件になるが、ある程度の自由は保障されるっていうのはどうだ?」
ふむふむ、正直な気持ち一か所の軍事的組織の一員になるのはあまり良くない気はするが、この人たちは多分そういう拘束とかはしないんじゃないかな?国の一大事みたいな事になったとしてもどう動くかは独立部隊は独立部隊独自の権限とかありそうな雰囲気だし
「それで身分証が無しで行けるならいいですよ」
「そういう裏道的なので通ろうとするの出来れば止めて欲しいんですけどね……」
門番さんもちょっと困った表情をしているけど、実績と言うか、信頼があるんだろう。さっきまで僕を止めていた門番さん達がどいてナーセイブの街に入れる様になった。これ普通に冒険者ギルドに所属してたらこの無駄な手順とか踏まなくて行けたんだろうなぁ……
「じゃ、団長。よろしくお願いします」
「あぁ、街中では大人しくしてくれよ?」
「……約束は出来ないですね」
「約束してくれよ……」
そりゃあ、街中に僕の興味を惹く物があればそっちに行っちゃうだろうし、そこまで面白い物とか無かったら団長さん達について行った方が面白いだろうから約束は出来ない
「僕としては旅人の泉に触れれば後はどうでも良いんで」
「あぁ、あの泉か。そんじゃ触りに行くか?」
「お願いします」
ナーセイブの街の探索は後回しにして今すぐ出来そうなことと言えば第二成長制限の解除だろうか?さきにこれを何とかしないとチェルシーさんのイベントの時に進化した自分を見せられない
「とりあえず泉に触ったら一旦帰ります。その内時間が合えばまた一緒に街中探索とかしましょう。実は僕今色々立て込んでて急いで帰らなきゃいけないんです」
「そうか。まぁ、お前が居ない間は平和になると考えれば充分か」
この団長……いつか怖い目に遭わせてやろうかな?
「ほら、見えて来たぞ」
「あぁ見覚えのあるあの形状。間違いないですね」
旅人の泉だ。これでここにもファストトラベル出来る様になるからまた移動範囲が広がったぞ
「それじゃあ団長さん。また今度」
「あぁ、とりあえずこっちも報告はしておく。刺激しなけりゃ良い奴だったってな」
「ははっ、団長。次来た時は良いところに連れていくか、それとも良い物見せてあげますよ」
「おい、やめろよ……お前が言うと怖ぇよ……」
えぇ?せっかくパゥワー溢れる暇してる方々かその力の一端を見せてあげようってだけなのに……あっそうだ。後でその2柱にも会いに行かなきゃね
「それじゃ、本当に忙しいのでこれで」
「あの時お茶飲んでたのは暇してたんじゃねぇのかな……」
ワープ寸前に後ろから団長の声が聞こえたけど、もう何も言えないタイミングだったのでスルーするしかなかった。くそぅ、良いタイミングで煽りよる……
「ただいま!そしていざダッシュ!」
レベル上限に到達したので、早速教会に向かう。メリアさんにあげてもらえるかなぁ?
「メリアさん居ますかー」
「あら、ハチさん。どうしましたか?」
「またレベル上限に到達したみたいなんですけど、これ僕って上限突破出来るんですかね?」
とりあえず単刀直入に聞いてみる。さて、どうなるかな
「そうですね……流石にこれは私では無理です」
「あれま……」
「大教会か、特別な神の力が無いと……」
「大教会……フォーシアスの街にあるあの総本山みたいな所ですか……」
あそこ行かないと出来ないとか紋章とかのせいで僕は入れないんですけど?
「マジっすか……となると、もう一つの特別な神の力とやらを見つけないといけないみたいですね」
教会は結界が張られているから僕は行けない。普通のプレイヤーだったらこれが大教会に行って何か特別なクエストとかやって突破するのが正道なら裏の道だろう特別な神の力とやらを見つけるのが僕の道だ
「ウカタマ様は……個人的予想ですが、ハチ様の力になるかどうかは……」
「もしかしてその協力してもらう神の力によって進化の方向性とか決まっちゃう奴ですかね?」
「完全には、決まりませんが、その力を、より使いやすく、なるかもしれません」
「仮の話ですけど、剣士の人が火の神の力を借りて進化というか、上限突破したら火の魔法が使える剣士になるみたいな?」
「その道も開かれるという事です」
ふむふむ、これ、選ぶ神様次第で進化の方向性が増えるって感じならものすごい楽しい場面なのでは?あっだからかぁ……




