表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1218/2041

第二ラウンド

「そのまま畳みかけるんだ!」

 今有利なのは変わりない。せっかく攻撃が通っているのだから、他の皆も攻撃に参加してもらう


「えい」

「はっ」

「ん」

 モノとストリとイドラも攻撃に参加する。操ったオオカミでそのまま攻撃したり、空中からの落下攻撃でダメージを与えたり各々色々やってるな


「おっと、皆離れて!」

「「「ギャウン!?」」」

 皆で攻撃していたところ、多分HPの減少がトリガーだろう。ボスオオカミの周囲に居た雑魚オオカミがノックバックによって吹き飛ばされた。凶具の皆は僕が声を掛けたお陰か攻撃等を中断して素早く距離を取ったお陰でノックバックに巻き込まれる事無かった。あ、やっば……氷漬けバリア復活してる


「ウォォォォン!」

 ボスがまた冷凍バリアを張った事で、もう一度あのバリアを突破しなければならなくなってしまった。もう巨大氷柱は残っていない……この状況であのボスのバリアをもう一度割らないと、攻撃チャンスが生まれない……


「皆戻って!」

 一旦凶具の皆は手元に戻し、一度状況を最初に戻す。ボス1雑魚3のこの状況であれば、他に気が散らない僕だけの状況の方が避けるのはやりやすい


「怒り状態か第二形態って所かな」

 さっきの1人集団戦で攻撃してHPが減ったからか、少し行動パターンが変わって来た。突進も単なる突進では無く、壁を蹴って勢いをつけた突進になり、空振ってももう一度壁を蹴って僕を狙ってくる様になった。しかも相手は体の周囲に凍結バリアを張っているからこれが中々避けにくい。だから回避行動がいつも以上に大きくなってしまう


「む?なるほどねぇ……中々難しい事要求してくるじゃん!」

 ボスオオカミの突進を避け続けていると溜まっていたダメージが足に来たのか壁を蹴って突進……では無く、そのまま壁に頭から突っ込んだ。そしてぶつかったせいなのか凍結バリアが解除されていた


「うおっと!?もう張り直しか」

 壁にぶつかったボスオオカミが頭をブルブルと振るうと凍結バリアが張りなおされた。だから今回要求されているのはボスオオカミの攻撃を避けた後に追いかけて、壁にぶつかればそのまま追撃に移行。ぶつからなければすぐに迫ってくるボスオオカミの攻撃を即座に避けるという判断をしなければアウトな反射神経と判断力を問われる……深淵での特訓とまではいかないだろうけど、それなりに特訓になりそうな状況になったな


「これは……楽しくなってきた!」

「「えぇ……」」

 ストリとイドラが何か言いたげだなぁ?


「ハチは、これが普通」

「むしろもっとピンチになればもっと獰猛な笑みを浮かべるぜ?」

「え?」

 僕、そんなピンチジャンキーみたいな事になってたかな?ちょっと改めた方が良いか……


「まぁ……確かにそういうのはちょっと感じてたけど、本当にこういう場面で笑う人って全然見ないから本物がこんな身近に居たって言うのがね……」

「ん、ハチ。凶悪」

 イドラに変なイメージを与えてしまったかもしれない。うーん……


「いや、まあそんな事言ってる場合じゃないんだけどね!」

 現在進行形でボスオオカミの突進を避けて後を付けなければならないし、壁に接触した瞬間に判断しなければならないから実はお話とかしている場合では無かったりする


「その辺の奴らはもう別に居ない扱いか」

 ボスオオカミの突進を判断してから回避するかどうかを見てたらもうその辺に居た雑魚オオカミはボスオオカミの突進に普通に巻き込まれていた。魅了で裏切った代償だなぁ……


「さぁ、いつでも良いぞ。お前の突進は何度でも避けてやる」

 突進の威力を上げる為か奴に途中で止まるという選択肢は無いみたいだ。というか、途中で止まれないと言った方が良いかな。そのくらいキレてる挙動をしている


「近過ぎたら氷漬けで腕や足が持っていかれる。遠過ぎたらせっかくの一撃を与えるチャンスを見逃す。このくらいひりつく戦闘が一番楽しいんだ」

 僕の表面が凍り付く程度ならまだ氷を割れば良いけど、それも正直近過ぎだという警告の様な物なので、その凍り付くかつかないかのライン。シロクマコスチュームを着てるから微妙に分かりにくいけど、冷たいと感じるくらいの距離感で回避運動をするのが難易度的にも深淵で訓練している時と同じくらいじゃないだろうか?こういう限界ギリギリラインを攻める事で更に成長というか体の一挙手一投足まで集中して自分の体をしっかり制御出来ていると感じる。そう、ゲームを楽しむのもそうだけど、僕がこのゲームを始めた一番最初の理由はリハビリだ。そうだ思い出せ。足はどこまで上がる?手はどこまで回る?首はどこまで捩じれる?自分の視界はどこまで見える?全てを把握しろ……


「あっ」

 ボスオオカミの突進が正面から来る。このままでは直撃コースだ


「見える」

 スローな世界。ボスオオカミの纏う凍結バリアの範囲がしっかりと見える。危険なゾーンが見える。体から出る冷気が触れた者を凍らせるバリア。だが、今の、バリアはさっきと違う。さっきまで全方位だったのに今は腹付近からは冷気が出ていない。いうなればハリネズミの様な感じだろうか?ダメージを負った事で自分が発する冷気で内臓も凍らせてしまうとかあるのか?だから内側は冷気を発していない……


「とにかくやってみるか!」

 失敗したらその時はその時だ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 思い切り思いきるなあw
[一言] ピンチはチャンスを地で行くのがハチ君 しかもそのピンチを経て1段階上に成長する
[良い点] ピンチジャンキーみたいな? みたいな??? 審議中…審議中…。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ