4凶
「まずは回避だ!」
チャンスを掴む為にまずやらなきゃいけないことは回避。その時がいつ来ても大丈夫なように回避に徹する。ボスはバリアを持っているけど、雑魚にはそういうのが無いから一応ボスの動向を一番に注意しておけばいいはずだ
「まずは分断……【ジェミニ】」
とりあえずボスと雑魚3体が同じ動きをしてしまうとダメなので、1体でも別の動きをする様に【ジェミニ】を使って分断を試みる。この戦闘で一番大事なのは雑魚敵の方だ
「「よし来い!」」
左右に飛んで絶対に片方は視界から出る様に挟みに行く。こうする事でもう片方を確認する為にも首は振らなきゃいけないので、隙は生まれる。が、今欲しいのは隙ではない
「ガウッ!」
「「「ワンッ!」」」
雑魚オオカミの方がこっちに仕向けて来た。これは好都合だ
「「よっと」」
ボスの突進を避け、雑魚の方はゆっくりでも確実に氷の柱に進んで行く。ここが有利なポジションと言うなら多分、僕の想像なら何かしらが起きるはずだ。だからこっちはこっちでしっかりとこいつらの攻撃を誘発するのと、タイミングを合わせてあっちの方も位置調整だ
「オッケー!」
「このタイミングなら!」
雑魚オオカミの掘削攻撃を氷の柱に誘導、そして、天井の巨大氷柱の下あたりに分身体の僕を誘導
「今!」
「【バインドハンド】!」
分身体の方はもう全身が氷漬けになる覚悟でボスオオカミの懐に入り、その手でボスを触る。あれはもう芯から凍り付いているだろうから、今あの分身体の両手は確実に使い物にならなくなった。というかほぼ全身凍傷みたいになっているかもしれない。こんな方法しか思いつかなくてすまない僕……
「ウガッ!?」
ボスオオカミが【バインドハンド】によって動けなくなったのと同時に氷の柱が掘削攻撃によって崩れるとそれに連動したかの様に天井の巨大氷柱の根本に罅が入る……あっこれもしかして片方じゃ足りないのか!?
「モノ!レジー!向こうのを頼む!」
「はーい」
「ったくよー!」
雑魚のオオカミに出来るのならモノとレジーの2人でも破壊出来るハズだ。硬貨状態のモノを投げ、枷状態のレジーも外して反対側に向かって投げて、2人に向こうの氷の柱の破壊を任せる。ここで破壊出来なかったら、分身体の決死の【バインドハンド】が無意味になってしまう
「そい」
「はぁ!」
2人の蹴りによって氷の柱は根本から破壊された。罅が天井まで広がり、ついに巨大氷柱の反対側にも罅が届き、巨大な氷柱が落下する。もちろん落下地点に居るのはボスオオカミだ
「ギャゥゥン!」
巨大氷柱の直撃でボスオオカミが悲鳴の様な声をあげ、辺り一面に雪煙が舞って前が見えにくくなるが、よろよろと立ち上がるボスオオカミの姿を【察気術】で捉えている。【ジェミニ】の僕もかろうじてまだ息があるみたいだが、ほぼ風前の灯の様な状態だ。しかも全身氷漬けで動けない状態……
「やっぱり今の一撃で氷漬けバリアは取れたか。じゃあここからが本番って訳ね。来いよ犬っころ」
まず挑発してこっちにおびき寄せる。足元の僕の分身体から離れればまだ何とか出来る可能性は残っている
「ウォォォン!」
さっきよりは遅いけど、体の大きさ的に充分僕を跳ね飛ばす威力はありそうな突進だ。だが、そのお陰で分身体から離れたな
「その程度のスピードじゃ追いつけないぞ!【アクエリアス】」
突進を躱し、分身体の元に向かう。【レスト】を掛けた方が良いのかもしれないけど、この場合は【アクエリアス】で状態異常を治療しながら徐々に回復させた方が良いだろう。【アクエリアス】ならうまくいけば30秒経たずとも移動出来る様になるかもしれないし、僕も範囲内に入れば回復出来る状態になるから、戦闘がしやすくなる
「いよいよこっちの攻撃タイムだ。お待たせしましたってねぇ!」
氷漬けバリアが消えた事でようやくこっちも物理攻撃が通せるようになった。やっと反撃出来るぞ
「ストリ、あの3体を頼む」
「はいは~い」
「「「クゥゥゥン?」」」
ストリの魅了に掛かったらしい雑魚オオカミ達がこっちからボスオオカミの方に向いた。別にあの3体に苦戦する事はないけど、こういう事も出来るのはデカいよな。あと単純に目の前で裏切りって結構心理的に来るものがある……けど、オオカミだとその辺どうなんだろう?
「イドラ、行ける?」
「ん、ちょっと遠いかも」
まぁ、元が香水ならそんなに広範囲まで広がる気もしないからある意味これは納得かな。じゃあもうちょっと近寄ったら行けるというなら、接近されたら能力をつかってもらえれば引っかける事も出来るかもしれないか
「ハチ、どうする?」
「アイツはボッコボコにしても良いんだよなぁ?そうだよなぁ!」
いつの間にか手元に戻ってきていたモノとレジーの2人。この2人と一緒にあのボスオオカミを倒すための方法を組み立てていこう
「もちろん。そうそうレジー?こういう事って出来る?」
こっそりとレジーに耳打ちをする。これが出来るなら結構面白い戦闘も可能になりそうだが……
「はっ!駄犬に引っ張られんなよ!しゃあ!」
レジーが走って行き、僕の左手とレジーの右手に手枷が現れ、それを繋ぐ様に赤熱した様な色合いの鎖が僕達を繋いだ




