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教頭先生(表の姿)

「そこ、踏み込みが甘いですよ」

「はい!」

「攻撃を躱す事に集中し過ぎです。反撃をしないとこちらは魔法が撃ち放題の状況は変わりませんよ」

「はい!」

「仲間に当たらない魔法を選択しているのは評価出来ますが、判断が遅い」

「はいぃ!」

 眼鏡先生と一緒に教頭先生が授業しているらしい所に向かうと、教頭先生1人を囲む様に数人の生徒と戦闘をしているみたいだ。普通に1対多数で、しかも周りを囲まれている状態であれだけ人に教えられるのは能力的に大分凄いな。ホントなんであんな選択したんだか……


「よろしい。今日はこのくらいにしておきましょう。強くなりたいと思った者は応用的な力を好みますが、まずは基礎です。基礎的な勉学や魔法の訓練を積み、意識が曖昧な状態でも正しい魔法を放てるくらい体に基礎を叩きこめば付け焼刃の応用の力よりも確実に貴方達を強くするでしょう」

「「「ありがとうございました!」」」

 うーん、確かにそれは間違っていない。まずは基礎をしっかりする事。四則計算がしっかりできていなければその先の方程式とか間違える様な物だからあの教頭先生が言っている事は正しい。でもバスローブの変態だったんだよなぁ……それは応用の変態なんだよなぁ


「では次は……」

「「「「はいはい!」」」」

 教頭先生が周囲を見て、次に戦う生徒を探す。結構皆手を挙げているから人気はあるんだろうな。まぁ、普通に教頭先生と魔法の練習が出来るって中々無いし、媚びを売りたい人とか、単純に力試ししたい人とか色んな人が寄ってくるのも分かる


「おや、よし。ではそこの君。来てくれるかな」

「ん?」

 眼鏡先生と遠巻きで見てたのにこっちを発見したのか、僕を授業に引きずり込む気みたいだ


「よし、じゃあ今日の授業最後の戦闘をしよう。せっかく外部の人が来てくれているんだ。どういった力を使うか見せてもらおうじゃないか」

「えぇ……まぁ良いか」

 今は制服を着ていないので、外部の人間って感じになってるからこれは魔法を喰らっておいた方が教頭の授業的には良いのかな


「「よろしくお願いします」」

 お互いにお辞儀をしてから距離を取り、戦闘を始める


「おや、杖や武器は構えないのかい?」

 ワザとらしく聞いてくる教頭先生。ここはどう答えようかな


「我が基礎は武器にあらず。己が拳、己が足、己が体こそが唯一にして絶対の基礎なり」

 さっき基礎が云々言ってたしこんな感じで周りの人にも僕は武器は使わないという事を周知させる


「素晴らしい。ですがこちらは魔法を使わせていただきますよ!【ストーンバレット】」

 基礎的な石の礫を放つ教頭先生。あの時みたいにアストラルなんちゃらみたいな魔法は使わないって事かな


「基礎的な魔法故に多くの者が使うが、この威力は中々の物だ」

 とかなんとか言ってるけど、しっかり【受け流し】で逸らしてるからダメージも何も無いんだよなぁ


「だが、我が鍛錬の為に使った山からの落石に比べればこの程度どうという事は無い」

 ウソです。そんな鍛錬とかしてません……が、生徒達に基礎が大事という事を教えるんであればそういった事で基礎の重要性を示していった方が良いだろう


「どんな訓練だ……」

「普通にあんなの防御魔法も無く当たったら死ぬぞ?」

「基礎が既に応用レベルな気がする……」

 なんか色々聞こえて来てるけど……無視だ!


「ふむ、ではそろそろこちらから仕掛けさせてもらうぞ」

「っ!?」

 脱力状態から一気にベルトパワーで加速。顔面にパンチを叩きこむ……


「新米魔法使い達よ。これがまず覚える一番大事な基礎だ。超至近距離では魔法より格闘の方が強い」

 フリをして、回転を利用して一度教頭先生を躱して背後から首筋に手刀を添えて寸止めをする。だって教頭先生も手を抜いてるんだもん。あの感じ絶対突っ込んでくるの分かってたからトラップ系の魔法でも何でもやりようはあったはずだ。でもしてこないという事は教頭先生もこれは授業にするつもりだったのだろう。なら基礎が大事というその一点のみで僕も授業で教える側になるならこういっておけば良いかなと思ってやってみた。反応はどうかな?


「「「「おぉぉ、すっげぇ!」」」」

「このくらいで良いですか?」

「あぁ、充分だ」

 周りからの視線が大分集まっている様な気はする。一応見る意味があったと思ってもらえればラッキーだ


「皆、こちらの方に拍手を。今のを見て分かるように我々は魔法だけ操れれば良いという時代はとうに終わりを迎えています。魔戦会のルールが変わったのもその時の流れが大いに関係しているでしょう。相手との相性、相手の攻撃方法、立ち位置、自分が魔法を発動する為の時間と相手が懐に入ってくる時間。こういった事も実戦では常に考えねばならないので、体に基礎を刷り込み、頭で考えられる事を少しでも増やしましょう」

「「「「はい!」」」

 いやぁ、本当に良い先生をしている気がする。派手な魔法とかに頼らないのは確かに良い。でも、生徒の事を考えての行動だとしても、ほぼバスローブのみの恰好で下着泥棒するのは応用的過ぎない?



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― 新着の感想 ―
[一言] 基礎がよくできている変態だな~、得てして応用は本人の素が出てくるものだから本質は変態で正解じゃなかろうかw と言うか、学生たちよ、かっけーじゃねえぞおいwそっちの道は深淵に続いているからな?…
[一言] ちゃんと良い先生しているのに、リージョンフォームが応用の変態になっちゃったのは何でだ……
[良い点] 終始バスローブへの疑念を挟まざるをえないハチくん。 キミの親友もスク水だし、このタイプには慣れたもんだろ!(暴論
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