報告に
「分かりました。とりあえず仲間とか増やそうと思うんで、僕はこの辺で失礼させてもらいます。武器って……これ僕が回収出来るのかな?」
そもそもの話、僕が剣を回収出来るのか
「あ、無理ですね。インベントリにも入れられないんで、本番まで預かっててください」
片手剣を受け取ろうとしてみたけど、弾かれてしまって持てない。【ディザーム】で持つにしても誰かに持ってもらわないといけない時点でこれはもうダメなのでは?
「せめて本番までは人の形のままでいてくださいよ?」
「どんな冗談ですかそれ」
「「「……」」」
なんで皆その人の形のままじゃなくなってそうみたいな反応するんだい?
「んー、もしかして僕と戦いたい人って僕が人の姿じゃなくなるのを期待してたりするのかな……だとしたら色々考えた方が良いのか?」
ボス戦という事を考えたら変身とか出来た方が良いか。でも単純に【バリアント細胞】とか使って変形するのはちょっと違うか。だとしたら何かまた新しい事を習得しないとなぁ
「むしろ、言えば入手出来ると言うのであれば凄まじいんだが……」
「分からないですけど、やるだけやってみますかね」
こうなったら個人イベント前に60レベルに到達して何かしらの進化を見せたいな
「それじゃあまた皆さんと別れてコソコソしたいと思います。島亀は多分あの食料保存庫的な状態の部分を壊さなければ敵対とかはしないと思うんで、それじゃ!」
何かしら新しい物を見せたいのであれば、発表直前までそれまで隠しておきたい。期待を越えなかったとしても、そういう気持ちは大事にしたい
「本当ハチ君は自由だなぁ……」
「思い立ったが吉日って感じですね」
「ヒャッハー!だからこそアイツがどんな姿で来るかは関係ねぇ!俺達の力を見せつけてやるぜぇ!」
「これは少々私も頑張りますかね」
「これは一泡吹かせるチャンスかもしれないわね……」
「あぁ、ハチ君とは仲良くはしたいが、勝負出来るとなれば全力で相手しなくては」
「ハチと遊べる~」
「さっきのはもう少し押せたかも……いや、私の方が恥ずかしい……イベントで勝てば何か1つ……よし!」
ハチが居なくなった後で自分達もやる気を出すフレンド達と……
「個人イベントの話だが、屋台とか出しても良い奴か?ならウチで出したいんだが……」
「これは装備以外にも何か需要の香りがするわね……」
「それでしたら……」
一儲け出来そうな香りを感じとったホフマンとメロにゃんの2人もチェルシーと交渉に入った
「色々考えたけど、やっぱり情報を探すとなると学校の図書館が有能過ぎる」
色んな伝承とかの話がここに詰まっているので、クエストを発生させやすい場所でもあるよなぁ……
「なーんか忘れてる様な……」
「ハチ君。不審者の話だけど……」
後ろの方から1人接近してきた。誰かと思えば眼鏡先生だ。そう言えばあの件って報告してなかったっけ?
「あ、どうも」
「やぁ。それでどうなったかな?今のところ不審者は出ていないけど、もしかしてもう解決済みだったり?」
「はい」
「流石の君でもまだ解決はして……え?いまなんて?」
「一応は解決しました。でもまた出てくるかもしれません」
「どういうこと?それって解決したとは言わないんじゃ……」
とりあえずぼかしながら話した方が良いかな
「不審者と思われていた人は実は学園側が雇っていた生徒の自己防衛力を鍛える為の役者さんらしいです。それで、生徒に本気を出させる為に下着を一時的に持ち去り、後で洗濯して返していたらしいんです。確か女子生徒がその被害には遭っていなかったと思いますが……違いますか?」
「確かに被害報告があったのは男子生徒ばかりだったけど……えぇ?」
正直今の質問はちょっと自信なかったけど、マジであの教頭が女子生徒の下着に手を出していたら僕じゃ庇い切れなかったな……
「元々は女子生徒の為にも女性の役者さんも頼もうとしたみたいですけど……流石にね?」
「それはかなり問題になりそうだし、やらなくて正解だったとしか言えないね」
教頭には悪いがこっちで勝手に話を膨らまさせていただく。何かあっても僕は知らない
「その計画を考えた人曰く、何かを守る為や正義の為なら全力が出せるだろうからとの事なので、下着泥棒という絶対的悪を用意する事にした結果がアレだったみたいです。一応深淵をチラ見せしようかなぁと思いましたが、ちょっとお話した程度で済ませておきました」
深淵チラ見せという話を出したら明らかに苦い顔をした眼鏡先生。あの時の事でも思い出してるんだろうなぁ……
「まぁ、ハチ君とお話したら控えようとは思うかな……そうそう、実は最近教頭先生が魔法の実践訓練とかを担当してくれてね?」
そうなんだよ。正義の為とか変な理屈を立てなくて良いから普通に授業してあげれば良いんだよ……
「まぁ、なんにせよ解決したのなら良かったよ。迷惑かけたね」
「あ、じゃあ仕事に対する正当な報酬って奴を貰いましょうかね。そうだなぁ今探してる物を一緒に探してもらうとか……」
「君ってホント不思議だよね。損しているようにも見えるけど……君にとってはそっちの方がプラスになるんだろうね。で、何を探しているのかな?」
待てよ。教頭が授業とか始めたって事は心を入れ替えてーみたいな事か?だとしたらもう一度教頭と会えばターニングポイントを与えた側として報酬を得られる可能性があるな
「やっぱり、報酬は変えても良いですか?その教頭先生が気になるんで見てみたいです」
「教頭先生の授業かい?確かに君なら少しは歯ごたえを感じるかもしれないね。分かった、それなら今ならまだ間に合うから行こうか」
よしよし、これで眼鏡先生からは特に報酬は貰わずに教頭先生から絞れそうな感じになった。秘密って言うのは高く付くぞぉ?




