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作って試そう

「あ、そうだ」

「どうされました?」

 ゲームを始めてから聞いておきたかった事を聞いてみる


「補助術士って最初は魔法使えないの?」

「へ?」

「へ?じゃなくて、魔法……」

 最初に格闘術を入手した事を伝えてステータスを開いたけど魔法の欄に何も無かった事を告げる


「あぁ……その事ですか。詳細はお教え出来ませんが術士と言っても最初から魔法を使える訳では無いみたいです。レベルアップすれば覚えられますよ」

「やっぱ最初は覚えられないかぁ……まぁ職業の名前からしてパーティを組めって言ってる様なものだしなぁ……でも今のままだとパーティなんて組めないけどなるようになるかぁ……」

 別に何か間違っている訳じゃ無い。魔法を最初は覚えていない……ただそれだけって事が分かれば後は問題ない。良かったぁ不具合とかじゃなくて


「それだけ教えてもらえたら後は大丈夫かな?じゃあ行くよ」

「はい、行ってらっしゃいませ」

 グルグルとオーブさんが僕の体の周りを回り、アルテアに転送される


「全く、悪ふざけでこんな職業作らないで下さいよ……ハチ様でなければ即刻キャラクターデリート案件ですよ……」

 補助術士……それはとある技術主任が悪ふざけで作った職業。その技術主任がとある実証実験の為に助けた子がまさかその職業に付くとは因果か運命か……




「おぉ、生きてる」

『称号 【肝っ玉】を入手』

『称号 【肝っ玉】が【豪胆無比】にランクアップしました』

「またかぁ」

 また称号を入手出来た。これは何だ?


『【肝っ玉】 戦闘中に食材を採取して食べる等で入手。肝座ってますねぇ? 恐怖耐性アップ』

『【豪胆無比】 【肝っ玉】の進化称号。戦闘中に1時間以上ログアウトして生き残ったままログインし直した単独プレイヤーのみ入手。戦闘中にログアウトするとか頭おかしい…… 精神系状態異常無効』


「うおっなんか凄い称号じゃないこれ?」

 何にせよ無効に出来るのは絶対強い。条件的にはかなり厳しいんだろうけどもう取っちゃったから関係無いかぁ


「とりあえずもう居ないみたいだね……」

 木の下を見るとオオカミ達は居なかった。1つだけアプリンの実を落として確認してみたけど草むらの影に隠れていたりはしていなかったので一旦降りよう


「ふぅ、木の上に居れば何とかなりそうなのは分かったけど……もう少し対策を練らないとなぁ」

 いつまでも木の上に逃げるというのも良くないだろう。今のままじゃ多分またオオカミの集団が現れたら死ぬ。だから対策する為の物を何か作るか獲得するしかない


「とにかく草と蔦と葉っぱを集めよう。オーブさんから貰ったローブが汚れちゃうけど……致し方ないと割り切るか……」



 木登りをしてオーブさんから貰ったナイフを使って蔦を切ったり、葉っぱを切ったりして素材を集める。後は出来るだけ長めの草を取る。ちょっと葉がツヤツヤしていた草もあったので試しにナイフで取ってみると……


『薬草(優) 状態の良い薬草。使用するとHP8%回復。通常の薬草より効果の高い薬を作成する事が出来る』


 薬草も見つける事も出来た。でも今はそれよりも背の高い雑草が欲しい




「ふぅ……とりあえずこれだけあれば……」

 蔦×40 葉っぱ×60 雑草×53 薬草×5 薬草(優)×3


 敵に遭わない様に何か動いた気配を感じれば木の上に逃げ、やり過ごしてこれだけ素材を集めた。後はどうにかして組み合わせてみよう


「こうして……こうして……結構編み込みって難しいな……あ、こうした方が良いのか!よし!後はこれに草とか葉っぱとか差し込んで……」


 一人であーだこーだ言いながら蔦を編み込み、その隙間に雑草や葉っぱ、薬草なんかも差し込んで遂に作りたい物が完成した


 ---------------


 お手製ギリーマント 


 レアリティ PMプレイヤーメイド

 DEF +1

 耐久値 100%

 特殊効果 草木のある場所での隠蔽率大幅上昇。火属性攻撃弱点化


 ---------------


「おぉ!やれば出来るもんだ!」

 自分でアイテムを作る事に成功した。ちょっと試してみよう


 今度は気配を感じても木の上に隠れない。このマントの効果を試さないとな




「お、居た居た」

 前にも倒した兎さんを見かけたので近場に落ちていた石を兎の近くに向けて投げる


「ピギュッ!?」

「あ、当たっちゃった?」

 石が直撃して一気に臨戦態勢になる兎さん。投げた時には既にマントを被っていたので怒っている兎さんはキョロキョロしながらも石をぶつけた犯人を捜している。大方飛んで来た方に見当をつけてこっちへ向かってくる


(見つかってない。大丈夫……)

 ぴょこぴょこと跳ねてこっちに向かってくる兎さんはどう見ても怒っている


(わおっ、これ本当にバレてないよね?)

 なんと、ギリーマントで体を覆って地面に伏せていたらその上に兎さんが乗り上がった。そして立ち止まるものだから中々にスリリングな状態だ


「ギュ?ギュッギュ……」

 不思議そうに思いながらも通り過ぎる兎。んー石当てちゃった罪悪感もあるし、このままやり過ごそう。ゲームとしては率先的に倒していくのが良いんだろうけどね……


「ふぅ、行ったか」


『スキル 【擬態】を入手』


「お?」

 スキルが入手出来た。早速確認だ


『【擬態】 アクティブスキル 消費MP10 発動するとその時の周囲の風景と同化する。動かない限り敵に発見されなくなる』


 これは一度使ってみないと効果が分からないからまた敵が来ないと使えるかどうなのか分からないな……


「「「ガウガウッ!」」」

 おっと……オオカミ達がやってきた。けど前より数が減ってるみたいだな……対多数戦。やってみるか



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 『豪胆無比』は、ある程度レベルを上げて低レベルエリアでログアウトすれば取得出来てしまうのでレベルもしくはプレイ時間制限を設定するか、恐怖無効や精神系状態異常耐性に格下げした方が良い気が…
[一言] ・『【肝っ玉】 戦闘中に料理を食べる等で入手。肝座ってますねぇ? 恐怖耐性アップ』 アプリンを食べただけだから『料理』ではなくないでしょうか? また、回復効果のある食材などがあれば食べるこ…
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