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1193/2019

戦略的勤勉

「なるほどね。反射になると反撃扱いか。これは何か覚えておいた方が良い気がするな」

 仮定の話だけど、何等かのギミックで僕に魔法反射の能力を付与されて、敵からの攻撃によって反応するタイプの敵が魔法の玉をバラ撒いて、反射した玉で自身にダメージを与えたらソイツにヘイトが集中。強力な攻撃でサヨナラみたいな事があるかもしれない。僕も反射によって敵の認識をおかしくさせる事が出来る様になったなら、これからの敵が面倒な能力持ちになる事だって考えられる


「これは中々大きい情報だなぁ」

「そうなのですか?」

 灰色のオーブさんが僕に尋ねてくる。こっちのオーブさんは戦闘とかに関してあまり詳しくないのかも


「強くなって行けばその内、ほぼほぼ倒し方が分からないレベルのヤバい相手とか出てくる可能性があるんで、ソイツが攻撃反射とか持っていた場合の対処とか今の内から考えられるじゃないですか。こういう物もあるって今知る事が出来たのならある意味これも儲けもん?みたいな感じです」

 そういう物があると知っているか否かでは情報アドバンテージの差が生まれるし


「ぶっつけ本番で、今ある物で対処してくださいっていうのと、こういう事があるかもしれないからこういうの今から用意しておいた方が楽ですよって言われてからそういう所に向かうのでは対処に雲泥の差が生まれますよね?」

「こういう所ですよ」

「なるほど、こういう所ですか」

 オーブさん同士でなんか盛り上がってる。ちょっと僕も混ぜてよ


「事前にこうして準備をしているからあのように色々な事柄に対応出来るのですね。そして、ここで様々な状況での自身の能力の出し方を模索しているから対応力がとても高いのですか」

「い、いやぁ……こうしてオーブさんと会話して楽しみながら色々試しているだけですよ?」

 なんだろう?親戚に褒められている感覚?なんかちょっとむずがゆいな


「本来ならこのようなペースで与えるべきではないとは思いますが、これは称号を得るに値するでしょう」

「え?」

 灰色オーブさんが何かくるくる回ったり、少し点滅する。これで何か発動するのかな?


『称号【勤勉】を入手』

『称号【勤勉】が【戦略的勤勉】にランクアップしました』

 ホワッ!?またなんか称号来たんだが!?


『【勤勉】情報を集め、自身に活かす事で入手 お前ら、大学へ行け! 情報を入手する機会が増える』


『【戦略的勤勉】詳細な情報を集め、どんな事も自身に活かす事で入手 いい勉強センスだ 戦闘の際に、有利になるアイテムや、ポジションが発見しやすくなる』

【戦略的勤勉】は色んな事を学ぶから戦場で活かせる物を発見しやすくなるって事なのか。多分傍から見たらただのゴミとかでも、僕にとっては何か戦況をひっくり返せるアイテムとかだったりする可能性もあるとか中々ロマンあるじゃないですか


「流石にこれ以上は出せませんが、こういった物が与えられてもおかしくない程度にはここで様々な事を勉強されているとログを拝見させていただきました」

 灰色オーブさんは僕がどういう事をしてきたか見て来たみたいだ。オーブさんなら誰でも見れるのかな?だとしたらちょっと恥ずかしいかも


「楽しんで模索しているのが伝わってきますね」

「毎回ハチ様の要望を聞いて、この後どうなるのかを見届けるのが面白いんですよ」

「あぁ、それ面白そうですねぇ」

 僕を置いて2人で会話するのなんかズルいなぁ。僕もオーブさん達ともっと色々話したい


「さ、ハチ様。今日はこのくらいにしておきましょう。まだハチ様が懸念されている様な敵と戦っていないのであれば、実際に戦ってみるのも一興かと」

「……確かに新しい称号も頂いた事だし、これを試してみる為にも普通に戦闘するのもアリですかね?」

「はい」

 もちろん、【戦略的勤勉】に頼りっぱなしの戦闘をするつもりはないけど、一度くらいはどういう効果が発動するのか、実際に見てみたいから考えるよりもまず動いてみるか


「それじゃあオーブさん。と灰色オーブさん。行ってきます!」

「「行ってらっしゃいませ」」

 2人のオーブさんに見送られてまた向こうに戻る。多分本当にあと何戦かしたらレベルも上がるだろうし、一回シクサームの先に行けるかどうかボスにチャレンジするのも……アリかな?




「よーし、それじゃあシクサーム周りで少し戦闘しますか!」

 あの極寒環境での戦闘も確実に僕の糧にはなるハズだ。ましてやこんな所のボス戦だ。寒さに慣れるというか砂上戦闘の時みたいに雪上戦闘もしっかりこなせないとマズイだろう。まさか凍った湖の上で戦うとかになったら僕の場合は掌底の威力を出す為に踏み込みとか結構強めに踏む事になるだろうから氷が割れて湖に落ちるなんて事になると大変だ。そういう場合に備える為にもここの周辺で戦ってしっかりとした雪上戦闘での経験値を貯めなきゃ


「あっ!居た!ハチさーん!」

「あれ?チェルシーさん?」

 まさかの情報屋のチェルシーさんの登場。なんだ?また面倒事でも持ってきたのかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 運営AIたちはハチ君のこと純粋に評価して称号授与したりするけど、運営(人間)たちはそれをみて頭抱えるという。 『今度は何をしたんだ…!』って言われるけど ゲーム的な思考はしつつも、そこにある…
[一言] うわー、まあ、これがハチくん様の恐ろしい所よ、自分ができることは当然相手もできるし、相手ができるなら自分もどうにかできるようにするんだ~。 と言うか、また称号もらっちゃったよ、耳が痛い痛いw…
[一言] もう情報屋じゃなくて、(面倒事の)運び屋と名乗ったほうがいいんでない?
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