調べる為に
「うーん、何とか活かしたい能力だけど、わざと攻撃をもらうって難しいな……」
避けるのは自身の身を守る為に出来るけど、問題はダメージを受けないと多分効果が発動しない事。その為にダメージ10%カットが付いてるんだろうけど……この称号の書き方的にダメージを10%カット『して』、相手に正常なステータス状況を認識出来なくさせるって書いてあるからダメージを10%カットする事が発動のトリガー行動なんだと思う。だから自傷ダメージとかは含まれないだろうから抜け道も少ないだろう
「反射ダメージとかはどうなんだろう?」
まだ会った事は無いと思うけど、喰らったダメージの何%かを相手に反射するみたいな能力を持った相手なら僕が攻撃したとしても、反射される事で相手からのダメージになって効果を発揮したりしないかな?
「こうやって悩んだ時はやっぱりあそこに限るね!」
分からないなら調べに行こう!そうしよう!
「どもども、オーブさん」
「おや、ハチ様。いらっしゃいませ」
検証したい事があるのならやっぱりここだね
「ハチ様。少々この間のイベントの事でお話したいのですがよろしいですか?」
「ん?無人島イベントの事?何かあったかな……」
正直何か言われる様な事に心当たりが……あ、もしかして勝手にロボットの真似とかした事かな……
「今回のイベントで実は無人島に鍵をお持ちの方は入れる様になったのですが、そこにハチ様のPVを隠そうと思っているのです」
「僕のPVを無人島に隠す?無人島にまた行けるって言うのも初耳なんですけど、なんでまたそんな事に?」
無人島にまた行けるってマジ?あのまだ色々ありそうな無人島とか他の人が行ってた無人島に行けるって事?そこに僕のPVを隠すってなんで?
「ハチ様は無人島の秘密に一番迫った方です。正直に申し上げますと、周りの方々の支援など行っていなければ確実に無人島の秘密を解き明かしていたと確信しております」
「確かにあの時は時間が足りなくて最後まで謎解き出来なかった感じでしたね」
海に入って島の底とか見たかったなぁ……
「なので、島の秘密を解き明かすヒントとして、ハチ様のPVをヒントとしてその島に隠したいと思って……いえ、正直に言いましょう。もう隠しました」
「へ?」
「ハチ様に事後報告になってしまいましたが、今まで通り、イベント参加申請の際に動画化するの旨を入れてあるので勝手にPVを作って勝手に島に隠しました。見つかれば無人島の調査が進みます。ハチ様、お許しください」
たまにオーブさんってどうにもならない事後報告してくるよね。まぁ、別に最初から動画化するかもしれないから勝手に撮るよみたいな一文は見てたから良いんだけどさ
「構わないよ。別にそのくらいでオーブさんを責めたりもしないよ。今までの付き合いでそのくらい気にしないって分かってるでしょ?」
「ありがとうございます。因みに、ロボットになったくだりも収録されてますが大丈夫でしょうか?」
「あ……ま、ま、まぁ、大丈夫でしょう……」
もし仮にそのPVをあのギャル2人組に見られたらちょーとマズイかもしれないけど
「おっと、失礼しました。何かお試ししたい事があって来たんでしたね!」
「そ、そうそう!ちょっと称号で面白そうな能力の物が入手出来たから試してみたくて!」
僕のPVがある時点でまずデータという形で残っているだろうからオーブさんが見てない訳が無い。あの割と感動的なお別れが演出だった事もPVでバレてしまうと余計な敵を作ってしまう可能性もあると分かってるけど、PVを作った人が悪いのか、それを隠した人が悪いのか、そもそも僕が悪いのか。色んな人が悪いという事実を忘れる為に話題を変える事にした
「どのような称号で?」
「【詐欺気質の寛容】っていう称号で敵からの被ダメージ10%カットして、敵に正常なステータス状況を認識出来なくするっていう能力があるんだけど、これって敵からの攻撃を受けないといけないだろうからそれに関して色々調べたくて来たんだ」
称号と効果を口でざっくり説明して、ウィンドウで称号を見せる
「確かにこの書かれ方だと、敵からのダメージをカットしないと能力が発動しないでしょうね」
ん?オーブさんの口ぶり的に知らないのか?
「オーブさん、この称号は知らないの?」
「称号は旅人の行動によって付きます。ただ、称号の中でも進化する称号などで、特殊な物は私とは別の独自AIによって作られたりするので、私も把握していない称号もあったりします」
オーブさんと別のAIか。そことの連携は出来てないというか、あえてしてないのかな?
「その別AIさんとも話したり出来ないかな。話を聞ければ1発で分かりそうな気もするけど……」
「分かりました。一度連絡してみましょう」
オーブさんが若干暗くなったり明るくなったりと、何か通信しているみたいだ。その別AIと連絡してくれてるみたいだけど……どうかなぁ?
「お呼びになりましたかな?」
「お待ちしておりました」
なんかダンディな声の灰色のオーブさんみたいなの出てきたぁ




