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後輩の主神

「あ、もしもしウカタマ?ちょっと色々頼まれて欲しいんだけど……今忙しいかな?」


『ん?いやまぁ、忙しいという程でもないが……それより今どこに居るんだ?』


「今なんか天界?の牢屋に囚われてるんだ。それで僕の知り合い的に神様であるウカタマとあと、出来ればジェリスさんを連れて来て欲しいんだ。彼女の後輩が会いたくてどうやら独断で僕を天界に連れ去ったっぽくてこのままだとちょっとマズい事になりそうだから連れてこれるならお願いしたいんだけど……出来そう?」

 正直こんな事に神様が許可を出すとは思えない。絶対あの天使の独断でやっていると思う。あの天使がどのくらいの熱量で仕事をやっているか分からないけど、勝手に人を天界に連れ去って許されるのかどうか……まぁ決めるのはこの天使の雇い主?というか神様なんだろうけど、この天使が自分のやったことの責任を取らされる可能性だってあるかもしれない


『天界って……なんでそうなるんだ?分からんが、急いで準備する。その天使も出来れば神の近くに戻すな。ジェリスも話せば来てくれるだろうて。今しばらく待ってろ』


「分かりました。とりあえず待機してますね」

 何とかこの天使もこの場に留めておかないと、最悪責任を取って「姉貴の好きなケジメです」とか言われて翼を切り落とすとかされちゃうかもしれない。そうなってしまうと今目の前の天使だってもう元天使になって自棄になり自分で命を絶ってしまう可能性もある。そんなことは絶対に回避しなくてはならない。だから最低でもウカタマが来るまでの間、この天使をこの場に何とか留めなくては……


「連絡ついた?それならもう帰るけど」

「ちょっと待った」

 僕を攫った相手を助けるというのもおかしな話だけど、尊敬していた先輩が急に仕事を辞めたとか考えたら精神が不安定になってしまうのかもしれない。やってないけど、部活動とかしてたら急に色々教えてくれていた先輩が転校しちゃうとかなると困るか


「何?こっちもずっと相手をする程時間に余裕はないのだけれど?」

 どうする?どうしたら時間を稼げる?ジェリスさんを慕っているの確定的だけど、どうしたらよりこの天使を引き付けられる……


「あなたの先輩、今はジェリスって名前になって 僕の ものなんですけど、昔どんな仕事してたのか知りたいなぁって思ってた所に、丁度良い人が来たなって」

 正直賭けの一手だ。怒らせる可能性もあるが、ここであえてジェリスさんを僕のものとか言ってマウントを取る事を試みる。でもジェリスさんの天使時代の話は知らないから後輩にもマウントを取るチャンスを与えつつ、この場でジェリスさんの事を語ってくれれば、ジェリスさんの過去話とか聞きつつ、ウカタマ達がこっちに来る時間が稼げるだろう


「なっ!先輩はあなたの物じゃありません!先輩は私に優しく仕事を教えてくれて、それこそ周りから姉妹天使みたいなんて言われてたんですよ!」

「はぇーそうなんだー。もっと詳しく聞きたいなー」

「そうでしょうそうでしょう!私と先輩の出会いはですね……」

 シャッ!これは長く語りそうだ!椅子を用意して腕を組んで話出したぞ!相槌をしながら会話を続けていればウカタマ達が来てくれるハズだ!




「それでな?先輩が水浴びをする時は左足から……」

「へぇーそうなんだー」

「先輩の右羽根の付け根のほくろがエッチで……」

「なるほどねぇー」

「先輩の鍛えつつも柔らかな太ももが……」

「分かる分かる~」

 適当に流しつつもジェリスさんの過去の仕事ぶりとか聞けるかなと思ってたけど、コイツ……全然仕事してねぇな?ジェリスさんの事ばっかり見てたみたいだ。懐からジェリスさんブロマイド的な写真を取り出した時はコイツを本当にジェリスさんに会わせても良いのだろうかと凄く考えさせられる。コイツが天使辞めさせられてもそれは仕方ないのではないだろうかと思えて来た




「お前は何をしているんだ」

「そこで先ぱ……えぇ先輩!?」

 体育座りをしながら後輩さんのジェリスさん自慢とかグッズ紹介みたいなのされてたら遂にウカタマとジェリスさん。あと飯綱さんも来てくれていた。2人とも恰好がいつも以上にビシッとしている。やっぱり天界って気軽に来て良い所じゃないよね


「天使が勝手に地上から人間を連れ去る。こんな事がバレたら即刻天使なんてクビになってもおかしくないぞ」

「そ、それは……」

 やっぱり違法だったんだなぁ?


「それにお前の主神に黙ってこんな事をしているなんて他の神に知られたらそれこそ主神がお前に罰を与えなければならないというのに……」

「うぅ……」

 なんだか後輩さんがどんどん小さくなっていってる様に錯覚してしまうな


「とにかく、その人を出せ。お前の主神には我々も一緒に謝ってやるから」

「わ、分かりました……」

 ジェリスさんのいう事ならすぐに聞く聞き分けの良い後輩さんだなぁ?


「ほら、出てこい。その手枷も外してやる」

「あ、これはもう外してあるんで」

 カランカランと手枷を牢屋に落として外に出る。ふぅ、シャバの空気……いや、まだ完全には出てないか


「まぁ、そこに居る人が本気を出したらここの牢屋も自力で脱出出来るだろうが、お前の為に出なかったんだ。感謝しておけ」

「ぐっ、うぅ、あ、ありがっ……」

「別に良いよ。それより主神に会いに行こうよ」

 なんだかものすごく嫌そうだったので、それは断った。それよりもこの後輩さんの主神に会いに行って、弁明とかしてあげた方が良いだろう




「あ、あの……主神様……」

「あぁ、詳細は既に知っているよ」

「ひっ……」

 後輩さんの案内で主神の所に行ったけど、なんか薄い布で姿が直接見えない様になっているけど、これは怒ってるなぁ……


「それよりも……ハチ、久しいな」

「えっ、あっ!あなたは!」

 薄い布が消え、主神の姿が露わになる。そこに居たのはかつて共に戦い、イベントの最後には神になると言っていたバルミュラ様の姿があった



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― 新着の感想 ―
[一言] そうか、こやつは情熱の向き方が狭いのじゃなー、視野を広げるためにもちょっとブートキャンプしてきてもらおう?w と言うか、おおう!ガチ神様だ!確認できる唯一の真っ当な神様!(ニャーとかウッカリ…
[一言] 懐かしのバルミュラさまだ〜。これは良いサプライズ。天から見守っててくれたんやなあ。
[一言] あのイベントで主審殺してたら、人間って、自分らの希望殺してたんじゃね?
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