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情報とクエスト

「先輩、この生徒……いや、この方はいったい」

「私も完全に把握している訳じゃないが、こういう場面でウソを言うタイプではないはずだ」

「という事は本当に……」

 正直得る物が特に無いなら今この場に居る意味があまりないからちょっと帰りたい気分だが、今帰ろうとしたら凄い悪い奴な気がする。どうしようこれ?


「あの、欲しい情報も無いみたいですし、とりあえず適当に探しに行くために行きたいんですけど、良いですかね?」

「えっと、もしかするとお手伝いする事が出来るかもしれません」

 おや、ボサ髪先生はまだ何かカードを持っているのか


「えっと、1か所だけ呪いのアイテムに関して怪しいと思っている場所があるんですが」

「ほう?」

 そんな所があるのなら聞かせてもらいたい。そういうところは負の感情とかが溜まってる可能性もあるから、呪いのアイテムが無くても、迷っている魂を冥界に送るとかありそうだし


「えっと、もちろんその場所はお教えしますが、1つご協力をお願いしたい事があります」

「それに協力したら場所を教えてくれると?」

「はい」

 情報を得る為に何かしてほしいという事ならやろうじゃないか。何をやれば良いのかな?


「ありがとうございます。実は、最近学園内で不審者が出るという噂がありまして、その不審者の魔法の腕前も結構あって中々捕まえられないという問題が起きています。どうにかこの問題を解決したい所なのですが、私では中々……なのでご協力していただけたらと」

 不審者を捕まえれば良いのか。となると、現行犯で捕らえるか、不審者が変装を解いたその瞬間に抑えるとかが良いかな


「一応先に聞いておきますが、眼鏡先生がその不審者だったりしませんよね?もしそうなら今の内に言わないと発見した時にプチっと……」

「違う違う違う!疑いたくなる気持ちも分かるけど、私じゃないから!」

 この反応的には違うみたいだな。僕の事をある程度知っていたらここで白状するのと、実際の現場で見つかった時の事を考えたら絶対にこの場で白状してくれると思っている。じゃなきゃ深淵送りだ


「不審者を捕えたとしてその先はどうするんです?」

 問題はその先だろう。捕えたとして、正体を暴いて罰するのか、それとも許すのか。まぁそれは事情をきいたりなんなりしてから決めるんだろうけど、一応どうするかの基本スタンスを聞きたい


「私としては、捕まえて罪を償ってほしいとは思いますが、実際に捕まえてみない事には何とも……」

 まぁ、そんなところだよねぇ。捕まえたいとは思っても、実際に捕まえられるかは別だし、悪い奴は警察に突き出してやると息巻いていた人が、犯人の事情とか聞いたら同情して見逃してしまうストックホルム症候群的な事もあるだろうし、その時になってみないと分からないよなぁ


「分かりました。それじゃあその不審者を捕まえて、この部屋に連れてきたら良いんですかね?」

「えと、はい!」

「はいじゃないが……」

 ボサ髪先生はそれで良いかもしれないけど、眼鏡先生にしてみれば気が気じゃないな


「まぁ、捕まえられたら暴れない様にはしておきたいと思います」

「それじゃあ、お願いできますか?」


『特殊クエスト 学園の侵入者? を開始しますか?』

 んー、クエスト名を見ただけだと、学園の外から入ってきてるって感じだろうか?


「分かりました。それじゃあ不審者を探して捕まえられたら情報お願いします」

 回り道なんだろうけど、これもまたゲームの醍醐味だろう。お使いクエストをやってたらそのお使いすべきアイテムを入手する為にこれが必要だとかでまた別のお使いクエストが始まるみたいな奴だと感じれば別にそこまで苦ではない。クエストを受けよう


「ありがとうございます!」

「どの辺に出るとかそういう情報って出てます?もしくは今まで出ていた場所とか、何か持っていかれた物の情報とか」

 いつ来るか、何が狙いか分からない敵を相手にするのならこちらも情報が居る。何を狙っているか分かればその場所の警戒を高める事が出来るし、出現場所に規則性とかあれば、それを利用して相手が動き出した瞬間に捕まえる事とかも出来るだろう。まずは何をするにも情報だ


「えっと、不審者の出現場所は今の所こういう所で、その、被害は……」

 ボサ髪先生はもじもじしてちょっと言いにくそうにする。ん?これもしかして聞いちゃダメな奴だったか?


「今の所被害に遭っているのは男子生徒の下着だ」

「うわぁ……」

 不審者ってまさかのそういう系かよ……それを捕まえるの?


「それがただの不審者じゃないんだ。魔法の腕前が凄くて、正確で素早い杖捌きで囲まれてもあっという間に逃げてしまうんだ」

「……姿に特徴とかは?」

「ローブは纏っているんだが、その下はほぼ全裸に近い。仮面を被っているから素顔を見た者が居ない」

「ほっ……」

 良かった。ここでスク水で忍者頭巾装備でとか言われたらフレンドを1人血祭にあげなければならない所だった。どうやら別の変態みたいだな。これならしっかり本腰を入れられるぞ!



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― 新着の感想 ―
ハチ君該当不審者なのかなと思ったら、正統派の変態が別にいたんですね。 ちょっとほっとしました。
[一言] いっそスク水で頭巾をかぶってる変態さんを連れてきたら変態同士で響き合うのでは?そうすると居場所も判明しそう
[気になる点] ハスバ 『そんな小物と一緒にしないで頂きたい。』 とか言いそう
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