表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1168/2042

手を抜きつつ全力で

「どうした?先程までの勢いはどこに行った?」

「くっ……」

 僕のレベルを見抜いたであろう、相手の目を何とか誤魔化しながら戦闘を続ける。ジャブやローキックで相手の攻撃をけん制しつつ、相手の動きを観察する。正直これは僕の方も色々見抜かれる可能性もあるが、一応見立てでは最低限やりあえるくらい何とかなっているとは思っている。まぁ劣勢なのには変わりないが


「その程度のレベルか!」

 この人なんかレベルにこだわるなぁ?まぁ強さの指針として分かりやすいのは確かにレベルだけど、ゲームでのレベルは案外あてにならなかったりするぞ?全くの別のゲームだけど、伝説の100レベルのモンスターに一番最初の道路で出てくるネズミのモンスターのレベル1で勝ったりする事も出来るし、高難易度の死にゲーとかも装備無し、レベル1固定でクリアも出来る。大事なのはレベルよりもそのレベル差を埋められる技なり能力だろう。まだ僕の手の内がバレてないうちに何とか攻勢に転じるその瞬間を探さないと


「はぁ、はぁ……中々やるではないか」

「なんですか?そうやって誘ってるんですか?その手には乗りませんよ」

 僕が隙を探していると感じ取ったのだろう。わざとらしく乱打攻撃をした後で息切れみたいな演技をしてきた。あんな物に釣られて攻撃は流石にしない。攻撃の誘い方がなってないな?


「ふっ、その余裕な態度がいつまで続くか見物だな!」

 まだだ。多分油断した所を攻撃しようとした瞬間に演技をやめて、僕の技で反撃すると思う。相手の技を真似るのなら相手の技でせっかくなら倒したいとなる心情が湧くはずだ。だからあえて真似させる技を用意するのが良いのかもしれない


「余裕に見えますか?」

「思っていた以上に骨があるようだ、な!」

 振り下ろされる拳が地面に叩きこまれる。これは結構チャンスでは?よし、反撃を貰うかもしれないけど、やってみよう


「そうです、か!」

 きりもみ回転しながらジャンプして、こっちは蹴りを振り下ろす。普通に戦闘中に相手に背中を晒す危険な行為だけど、これを真似してくれれば少し美味しいぞ


「ほう?こう、か!」

 さっき僕が見せた技を真似してきた。だが残念ながらそれは僕が撒いた毒餌だ


「えぇ、そうですね?」

「ぐはっ!?」

 空中で回転して蹴り下ろしするまでの間に距離を詰め、振り下ろされる相手を足を横に受け流してから、そのままがら空きになった相手の腹に向けて掌底を打ち込む。今回の僕の勝利条件は1撃入れる事なので、これで充分だ


「……ふっふっふ、中々やるではないか」

「中々も何も、僕が1撃入れたので試合終了ですが?」

「そんな昔の事は忘れた!」

「えぇ……」

 やっぱり口約束はダメですなぁ。こういうのは書面で契約とかしていた方が良かったかな?


「はっはっは!面白い!久々に血が滾るぞ!」

 地面に手を突っ込んだと思ったら、ハンマーを取り出した男。ここから第二ラウンドだと言いたげだが、僕はマフラーを装備枠を使わない様にしたいだけなんだけど……


「はぁぁぁ!」

 ハンマーを持ち、回転を始めて竜巻の様になっていく。アレに巻き込まれたら一大事だけど、アレを何とかしないとこっちも攻撃も何も出来ない


「ほらほらどうしたぁ!」

 どうしようかな。ああいうのは手でダメージを与えればハンマーは飛ばせるかな?まぁ、手を離した瞬間が丁度僕に向かってくるタイミングだったらおしまいだけど


「あっ、これなら……」

 なんとなくこっちに向かってきているのが分かった。なので足元に深淵触手をコッソリ出して、転ばせてみよう


「おらおらおらおら!」

「よっと」

「おわっ!?」

 気迫は凄い。僕にもついに攻撃を喰らう事になりそうだと思っていた所で、足元の深淵触手にとられて地面に倒される。ハンマーを振ってたからバランスが崩れてそのまま地面に叩きつけられていた。武器は振るう物であってふられる物じゃないぞ?第一そのハンマーの大回転技って個人に対して使う物ではないと思うんだよなぁ


「っと、すまない。カッコ悪い所見せたな。小石につまずくとは」

「もう良いですかね?」

「いや、悪いがまだ付き合ってもらおう」

「………」

 諦めの悪さは嫌いではないけど、もうこれ以上は流石に言い訳がダサいぞ?


「ここからが本当の勝負だ!」

 ハンマーを捨て、また地面から何か武器を引っ張りだそうとしている。これもう良いよね?


「レベル差は関係ありません。あなたと私の経験の差です」

「ちょまっ……」

 武器を取り出そうと動けない男に対してベルトパワーを使って急接近。バッタパワーを使って蹴り上げ、ジャンプして踵落としで更なる追撃。空中で【精神防壁】の足場を出して、またバッタパワーで地面に向かってジャンプ。ちょっと前に考えたコンボは流石に出来ないけど、現実的にするのであれば、蹴りつけた地面で跳ね返った奴をもう一度空中に蹴り上げるくらいだろう。このコンボは空腹度を一気に消耗する割にはあまりダメージの効率は良くないかもしれないな。まぁ見た目は派手だけど



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ハチくん「君が!泣いても!殴るのを!やめない!!」って言いながら10Pぶち抜きくらいでオラオララッシュしときます?
[一言] 意外と諦めが悪い…と言うか、ただ単にハチ様くんが思ったより強くて欲張ったのかなw
[良い点] きあいのタスキ、がむしゃら、電光石火コンボか。 ハチ君はレベルなんてほとんど目安みたいなビルドしてるからなぁ。 おまけに技巧派なうえにセルフ縛りを課してるから技術力が高い。 ねぇねぇ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ