表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1159/2029

練習の為に

「ハチさん!ちょっと良いっすか!」

「どうしたの?何か問題でも起きた?」

「ファーカインの旦那がなんか腹痛いらしくて……」

「とりあえず今はレース場に寝かしてるんだ。ちょっと来てくれ!」

「うおっ!?おわーっ!」

 こっちの返事を聞く前に右手を掴まれてそのままイグニスが発進する。道を作れるという特性を活かしてレース場から城までの空中に直通の道を作られていた。わぁ早い


「ぐっ、うぐっ……」

「わっ、本当に辛そう……一旦これは【レスト】を掛けて休ませた方が……ん?」

【レスト】を掛けようと思ったけど、ファーカインの腹が今動いた気がした。ファーカインがメスだったらこれはおめでただったかもしれないけど、残念ながら男だ。もし、ファーカインの体内に何か居るかもしれないなら、内部から攻撃されている可能性がある。そんな時に【レスト】を使ってしまったら内部からのダメージが2倍になって余計にファーカインを苦しめてしまう


「オッケー。【バリアント細胞】起動」

「「へっ!?」」

 体を小さくして、躊躇なくファーカインの口の中に入る。大型相手には体内から。ある種常識となったこの攻略法を使った何者かが、ファーカインの体内に居るかもしれない。そうなったら僕も体内に入ってソイツと対峙して倒すか外に出すのが一番手っ取り早い


「さぁ、何が入って来た?」

「いきなりドラゴンの口の中に飛び込むのは、ビックリ」

「……!」

「あれ!?2人もついて来たの!?」

 ファーカインが苦しそうにしてたから少し焦っていたとはいえ、まさか2人が僕について来ていたとは思わなかった。城に置いて来たかなと思ったら、レイさんは僕にこっそり憑依、リーはイグニスに張り付きながら、僕にくっ付いて来たみたいだ。いきなり連れていかれて焦っていたとはいえ、少し視野が狭くなっていたかもしれない


「えっと……来てしまったのなら一緒に最後まで来てください。それじゃあ入りますよー」

 中に何が居るかも分からないから2人を連れて行くのはアリかもしれない。いったい何が必要になるかも分からないし




「うわぁ、結構ズタズタだ……これは酷い」

 ファーカインの体内に入ってみたら食道あたりから切られた様な傷跡が大量にある。これは急いだ方が良いな


「とりあえず手持ちで残ってる回復薬を使うしかないよな」

 野戦生薬になってしまうが、何も使わないよりはマシだろう。内臓という事もあってか、吸収が早いのか結構早く傷は治っていった


「よしよし、これで一応はひとあんし……うおっ!?」

 ファーカインが痙攣している。ヤバいか?急がなきゃ




「あいつか」

 体内を進んで行くと胃っぽい所に出てきた。そこで胃壁に包丁みたいな武器をザクザク刺している何かが居た。なんだか人形に見えるな


「よし!ゲット!【レスト】」

 ファーカインの体内に居た存在を捕まえたので、急いでファーカインに対して【レスト】を使用する。今の内に脱出も果たしておかないと、ファーカインに飲み込まれて僕が溶かされてしまうかもしれない。腕の中で抵抗しているが、リーが武器を持っている人形の右手部分を包むと抵抗出来ない事を悟ったのか、攻撃をやめた


「噛むなよ!ファーカイン」

 回復と原因の摘出が出来たので、ファーカインの口から飛び出す。飛び出した瞬間に口がバクンと閉じたけど、今のに挟まれていたら、僕は間違いなく真っ二つだっただろうなぁ……


「ハチ、助かったぞ。死ぬかと思った」

「こんなのがファーカインの腹の中から出てきたけど、何食べてるの?」

 僕が捕まえたのは黒い服を着た人形。コイツが体内をザクザク包丁で刺していたからファーカインは苦しんでいたんだろう


「とりあえずこの人形は要りますか?」

「いや、要らん。逆に聞くが、自分の腹の中をボロボロにした人形が欲しいか?どうするかはハチの判断に任せよう」

 ファーカインの体内から出てきた曰くつきの人形と言うか、呪いの人形?これはどうするのが正解かな?


「うーん……あぁそっか。こういう物こそあそこか」

 これは多分解呪とかそういう事が必要になるものだろう。それなら行くべき場所は1か所だ


「どうもー」

「ややっ!師匠。どうされましたか」

 モニクがやって来た。君もう悪魔云々とか忘れてないかな?


「ちょっとコイツの解呪と言うか解放をしてやりたいんだけど、お願い出来るかな?もしかしてお金が無いとダメって感じ?」

 やっぱり教会だし、お布施的な物が無いとダメかなぁ


「えぇっと、はい。でも……うーん、そういう事でしたら、ボクが解呪を試してみても良いでしょうか?」

「え?モニクが?」

 出来るんだろうか?


「正直、コレに対しての解呪が確実に成功するとは約束出来ません。他の3人であれば解呪は多分ちゃんと出来るとは思いますが……ボクなら練習の為という事で」

 聖女の幽霊メリア様、教会の付喪神ミリア聖樹イアの3人であれば確かに解呪は出来そうな雰囲気を感じるし、そっちに任せるのが良いとは思うけど……ここは師匠?として弟子が頑張りたいと言っているなら任せてみるか


「オッケー。それじゃあモニクにお任せしても良いかな?」

 どうなるか分からないけどやるだけやらせてみせよう!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] …依代ゲットでしょうか?
[一言] いやいやいや?何喰ってるんっスかファーさんw一寸法師の鬼じゃあるまいしww と言うか、そいつも無言でザクザクしない!怖いわー!
[一言] 悪魔が目の前にいるからと安心した瞬間、祓われる絶望、愉悦!www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ