造られた者
「この手に限る」
水を操るのか何なのか知らないけど、動き出す前に潰してしまえばどんな奴も基本は全部一緒だ。部屋に入った瞬間に僕に攻撃出来ずに体に張り付かれた時点で負けなのだ
「ふぅ。時間が掛かる厄介な案件かと思ったけど、案外楽に行けてるな。まぁ、忘れがちだけど、ここにくるの相当寒いし、この中も結構寒いからその辺を考慮して敵も少し弱めに設定されているのかもしれない」
ましてやここに居るのはロボであって本物の四獣じゃないだろうから、普通に倒せる難易度だろう。そもそも、色んなゲームでもそうだけど、ほぼハメみたいな状態で戦闘を進められるのであれば、理論上はどれだけ敵が高レベルでも、1しかダメージが入らなくても倒せる事にはなる。相手が回復とか使わない前提だけど
「それに弱点も分かってるからなぁ……」
頭部というか、脳の部分を破壊すれば倒せるというものすごい弱点がはっきりしていて、初動が遅かったら……そりゃあ、そこ狙うよね
「さて、次の部屋は……おっと、ここは最初の」
「遅かったじゃない?」
えぇキリエさん?早くない?
「キリエさんはその様子だともう終わってたみたいですね。僕が1体目を倒した時はまだ僕が先行してたと思ったんですが……」
「頭壊せば一発でやられるなんて分かってしまえば1歩も動かなくたって私には倒せるわ」
あぁ、確かにキリエさんなら銃で普通に射撃してヘッドショットで仕留めるとか出来ちゃうか。それは確かに僕より2体目が早くても納得だ
「よくぞ試練をごうかk……」
「「……」」
「話を聞いてくれんか?」
キリエさんと軽く冗談でも話していたら、急に声が聞こえて来て、キリエさんは銃を構え、僕はソイツに急接近からの手刀を首筋に当てる様にして威圧したら、向こうが降参と言うか地面にひれ伏した。というか、なんだコイツ?馬くらいのサイズ感で角があるし、鹿?いや、なんかパチパチしている様な気もする
「殺気立っている所、すまない。こちらの用意した試練を見事突破した者への褒美をと思って出てきたのだが……頼むからその銃と手を下げてくれないか?」
「私は良いけど、そっちは本当に大丈夫かしら?」
「手、下げちゃって良いんですか?」
キリエさんといるとなんかイタズラとかしたくなっちゃうんだよね。だからここでもちょっとした意地悪を言ってみる
「ま、待て。待ってくれ。その手を下げるとは手刀を振り下ろすという意味か?頼む。銃は下げて、その手刀もやめて欲しい。報酬を2人分しっかり出すから許してくれ」
なんか恐喝したようになっちゃった。でも報酬が増えるならまぁ、一応謝っておこう
「いえいえ、ここまで急に説明も無しにいきなり襲われたので、こっちも対応していただけなので、そういう事でしたらこちらが悪いですね。すみませんでした。立てますか?」
謎の生物を気遣って、立ち上がりに補助か何か必要か聞いたりして少し落ち着かせる
「話が通じる方で良かった。私はキーリン。ここでビーストフォーの実験をしていた。私の制作者は街を守る守護者を作る研究をしていて、その研究の一環として四獣を再現する実験としてあの4体を作ったのだが……やはり弱点を攻撃されあっという間に破壊されてしまっているのでまだまだだと報告しなければならない。もちろん、そちらにビーストフォーを弁償していただくなどの心配はしなくていい。貴重な戦闘データを頂けたので問題無い。むしろこちらから強敵相手に対する改善点を教えていただけたのだから報酬をお支払いする」
キーリン……麒麟か?それであのフォルムか。まぁ四獣に関連する能力を持っていたのかもしれないけど、ほぼ瞬殺みたいな物だからかなりの改修が必要な気がするなぁ……
「やはり、人に四獣ウェポンを持たせた方が良いと思うのだが……」
「ん?」
「いや、こちらの独り言だ」
ふむ、その製作者とこのキーリンで意見が違うのか。見たところこのキーリンも麒麟を模したロボの様な気がするが、製作者と意見が違うってそういう自由な発想があるという時点でその技術力はかなりの物だと思う。というか四獣ウェポンって何だろう?
「要するに、人を護るためにロボで守るか、人に装備を渡して守らせるかの違いでしょ?」
確かに今少しだけ聞こえた言葉とか色々つなぎ合わせるなら、製作者とやらは、街を護る為に四獣ロボを。キーリンはそのロボを倒せるだけの人が居るのだからそういう人に武器を持たせた方が強いとそういう意見がぶつかっているのかな?
「人を護るっていうのを全部ロボに任せるのも、全部人に任せるのも難しいと思うけどなぁ……」
護るのにどちらか片方だけ使うつもりなのも大分偏ってるよなぁ……
「ならば、どうすれば……」
「ちょっと気になったんだけど、四獣ウェポンってどんな物?」
一旦ここを聞きたい。正直さっきから気になって仕方ない
「このような装備を人に持たせて守りを固める。その方が良いのではないかと思うのだが」
キーリンが少し長めの虎の爪っぽいクロー。鳥の羽みたいな扇?龍とその口の中に銃口みたいなのが見えたから銃?それと、亀の甲羅を模した盾の様な物を地面に並べた。確かに武装としては、近接と遠距離装備がそろっているし、盾もあるからこれを数揃えて並んでたら確かに強そうな気はする
「この羽みたいなのは?」
「それは魔法の杖の様な物だが、炎による範囲攻撃が出来る物だ」
なるほど、剣、杖、銃、盾か。確かに配備する物としては良いとは思う
「これ、1つに纏められないの?」
キリエさんが口を開いた。確かにこれを1つに纏められたら持ってる人がどの位置に居ても戦えると言えば戦える
「なるほど、この4つを1つに……」
「あ、じゃあ左利き用に左右反転した物とかもあった方が良いんじゃないかな。そうしたら人を選ばないで済むだろうし」
「なるほど、人には利き腕という物があったな」
2人で色々言いながら四獣ウェポンの改良案を出していく
「うむ、これは確かに良さそうだ。ただし、コストがとんでもない事になるな……いや、これも何かの縁。今回の実証実験に付き合ってもらった報酬にこの装備を2人に進呈しましょう。3日後、またここに来ていただけますか」
おっと、報酬が確定したみたいだ




