悪魔との約束
「正直自分達が居た島が浮島っぽくて、その浮島から発生している何かを食べる島亀の存在までは確認出来たんですけど、それ以上先は時間が無くて調査出来ませんでしたね。あと憶測ですけど、話を聞いていたら多分クラーケンも島にある何かしらを食べていたと思いますね」
「「「「は?」」」」
僕が最後の方で見たものは確実に島の秘密の類だと思う。アレもしっかり調査しておきたかったけど、時間が完全に足りなかった。むしろ、あの存在が分からせない様にしていたのかもしれない
「まぁ、アレがどんな物か判明して、それを入手しようとかした場合は多分島沈みますけどね」
流石に今からまたイベントフィールドにはいけないだろうけど、裏を考えるとすると、普通の島ではなく、浮島だったら漂流の過程でいつかぶつかる可能性はある。その時に改めて下を調査するなんて方が良いんじゃないかな。後はゲーム内のデータとして、普通の島ではなく、浮島の方が楽だったみたいな……使った後でデータを消すにしても島1つ消すのに、普通の島より消すのが簡単だったりするかもしれない。島?沈みましたで済ませて終わらせる事も出来なくはないだろうし
「一応、聞いておきたいんだが、どうしてそう思うんだい?」
「となりの島に移った時とかに、あれ?この島浮いてない?と思って、そこから島亀が自分達が居た島の底から何かいくらみたいな物を取って食べていたんで、あれが浮島を浮かせている物で、魔力の源的な物にもなっていたのかなって。さっきのクラーケンの話を聞いているとなんとなく自分の説が他のエリアだと島に張り付いていたとか聞いたら、張り付いて食事していたのかもなぁと。5日目まで対処しなかったらそれこそ島が沈んでたんじゃないかなって」
魔力やらなんやらで浮かせていたのにそれを根こそぎ食べられたら島が沈んでいたとかもありそうだ
「説得力があるな……」
「普通にありそう」
「実はギリギリだったのか?」
「流石にボート1つの上で数人で1日過ごすのはかなりキッツイぞ?」
イベントの島を沈めるつもりはないし、これで良かったのかもしれないけど、何かに失敗したら島が沈むとかあったのかなぁ……
「もう終わってしまった事ですけど、もしかするとまた行けるチャンスはあるかもしれませんね。その時はもっとしっかり色々調査したいですね」
自分の存在を隠して調査とかしてるとどうしても調べたい所が調べられないタイミングとか出てきてしまうのが割とストレスだった。そういうのが無いタイミングで調査出来たらもっと色々な事を知る事ができたかもしれない。まぁ、いつまでも後ろを向いてないで、空島に帰るか。レイさんとリーを空島に連れて行かないと
「とりあえずお話はこのくらいで。2人を空島に連れていくんで、僕はこれで。ん?」
リーを肩に乗せ、レイさんは僕に憑依してもらい、一旦空島に帰ろうとしたらメッセージが届いた。運営かな?
「あっ、そ、それじゃ!」
「なんだか慌てていた様な雰囲気だったが……」
「たまには慌てる事だってあるだろうさ」
「あ、ハチさんに試していただきたい薬品があったのを忘れていました。ですが、また今度にしましょうか」
「他の人の為に色々調査したり、自分の姿を隠して支援……自分もそこまでは出来ないにしても出来る限り真似出来る様に頑張ります!」
ハチが慌てて帰った後ろ姿を見送る4人の男達の更に後ろでニヤついている人が居るのを他の人は発見出来なかった
『ハチ?確かイベント前に約束したフィフティシアで庇ってあげたお礼はいつになるのかしら?』
あの時のメッセージはキリエさんからのメッセージだった。これはまずい。自分から約束しておいて忘れてたでは済まされない。それに、確かにキリエさんが巻き込んで来た事とはいえ、庇ってくれたお礼をするって言ったのは僕だ。でも、あのタイミングでメッセージを飛ばしてくるという事は何か手伝って欲しい事があったんじゃないか?
「はい、2人とも。ここが僕の空島だよ」
「凄い……こんな所見たことない」
「……」
2人とも呆気に取られている今の内に返信しておこう
『申し訳ありませんでしたぁ!自分向けのアイテムは見つけられたんですが、キリエさん向けのアイテムを発見する事は出来ませんでした!何かお手伝い出来る事はありますか!』
とりあえずこの文面なら何か手伝って欲しい事があったら言ってくるだろう
「それで、一旦今日の所はこっちで休んでて欲しいんだけど、おっ、丁度良い所に。ジェリスさん新しい住人ですよ」
「また連れて来たんですか。まぁ、心配はなさそうですが」
完全に捨て猫拾ってきたみたいな感じに受け取ってない?
「また街の案内をすれば良いんですか」
「そうそう。よろしくお願いします。ちょっと緊急の要件が入ってきちゃって……」
悪魔からの呼び出しメールがもう来てるんだ。急いでワリアさんの所に行って種とか苗とかを置いてこないと……
『それじゃあ、今からこの場所に来なさい。他の誰にも言っちゃダメよ?』
これはもうその場所に待ってる可能性が高い。可能な限り急いでやる事終わらせなきゃ……




