それぞれの島
「あの、この方々は……」
「あぁ、ハチが連れてきた。私達がお宝だなんだと探して持ち帰っている中、サバイバル中に助け合いをして仲間になって連れてきたらしい」
「か~っ!まーたぶっ飛んでますねぇ!スライムと幽霊?だとしてもかなり意識がはっきりしているというか……幽霊ってもっと意識が薄いというかなんというか……」
そんな事言っても、空島の教会で働いているメリアさんとかバリバリに意識あるよなぁ……
「えっと、ハチの友達?よろしく」
「あ、これはどうもどうも。私は情報屋のチェルシーと申します」
「……!」
「こっちのスライムも中々不思議ですねぇ」
リーの方はかなり気さくに「よっ!」とでも言ってる感じで片手をあげている
「そうだ!せっかく集まってるんですから、皆さんの話を聞かせてくださいよ!各々どんな風に乗り越えたんですか?」
それは確かに気になる。他の人がどういう風に攻略したのか聞いてみたい
「ハチさ…んは最後の方が良いですよね。じゃあまずは私から!」
さっきちょっと話したからまた話すのはちょっと恥ずかしいのにトリにするのはやめて欲しいかなぁ
「簡単にですが、私は情報屋として島の調査をしてマップを作り、そのマップの情報が薄い所を重点的に探していたらボスらしき生物を見つけて全員で力を合わせて討伐。そして地下に通じていた扉を発見したらその下には地下迷路の様な物が広がっていました。そこに出てきたあのベヒモスを討伐して……」
チェルシーさんの話を聞いている限りなんとなく僕と同じ島の話をしている気がする。でも、あの場にチェルシーさんは居なかったから僕と同じ島だけど同じ島ではないみたいだ。別ブロックみたいな判定なのかな?
「という感じでした!」
「おー」
とりあえず拍手しておく。次は誰に話を振るかな
「じゃ、ハスバさんお願いします」
「お、私か。私の所は地下ではなく山の上にボスが居たな。火の鳥を相手に戦闘するから熱くて暑くて……ふふっ」
おう、その時の熱さを思い出して身悶えするんじゃない
「はっ!ハチ君からの冷たい視線!これもまた……」
「はい、話進まないんでちゃっちゃと話してくださいねー」
「おぉん……確かに話が進まないな。日数が進むと火の鳥の圧が増して島の木が焼けたりするから中々大変だったな。水魔法が使える人間がそれなりに居たから消火してボスも討伐して事無きを得たが……」
火災か。それは確かに無人島で起きたら滅茶苦茶大変だ。食べられる物も資材も燃えてなくなるのはヤバい
「ただ、火の鳥を倒してからすぐに森が復活してかなりイージーモードになったな」
「それなら自分の所も似てます!」
今度はトーマ君が声をあげた
「自分の所もボスは火の鳥でした。でも、森が燃えるんじゃなくて、溶岩が島の一方向に垂れたせいでそっち側に行くのが大変になった感じでした」
火災も辛いけど、溶岩で分断も中々ヤバいな。島の中央に山があったとしてOの字みたいに一周出来ていたハズなのにCの字みたいに分断されてしまうと分断された所に行く為には島を回って遠回りするか、船か何かを作って海から向かうかぐらいしかない。ましてや、人が反対側に居たら合流するのも大変だ
「私の所はクラーケンでした。島は自然豊かで果物や生き物が居て最初は食べるのには困らなかったんですが、一時MPが使えなくなる時がありまして……ハチさんのサバイバル術がとても役に立ちました!」
アイリスさんはクラーケンが出てきたのか。それにMPが使えなくなるって中々にヤバいな
「どうやら島にクラーケンが張り付いて魔力を吸っていたらしく、日数が進むと島の果物や生き物が弱っていきました。調査していたら島にクラーケンが張り付いていて、島に残っていた文献で島の果物を海に投げたらクラーケンが島から離れてMPが使える様になったのでクラーケンを討伐したら島の状態が改善して何とかなりました」
島にクラーケンが張り付く……MPが使えない。吸い取られる。ん?もしかしてあの島亀が食べていたいくらみたいなのもある意味それと一緒なのでは?クラーケンの場合は島に張り付いて滅茶苦茶に食べるから島にも影響が出たけど、亀はほんの少しだけ、しかもゆっくり食べていたから影響が出なかったとか……ありえそうだな
「私の所もクラーケンだったよー」
キリアさんもクラーケンの島……これやっぱり複数の島タイプと複数のブロック分けで沢山用意されていて色んな変化があったのか
「1日目に釣りしてた人がクラーケンの足釣りあげて戦闘になったから皆でそのまま倒したー!」
「「「「えぇ……」」」」
初日で狩られるボスェ……
「その後は暇だったから島の皆と試合とかしてた!ハチと戦ったルールそのまま使って戦うの意外と面白かった!」
キリアさんと試合か。決闘機能を使ってやったのは偉い。使ってなかったらとんでもない事になるところだった
「私は別に面白くないわよ。他の奴がレベル低い奴ばかりだったからゴブリンが住んでる島みたいな所に行ったけど、全員屈服させてやったわ」
なんかめっちゃ面白そうなんですけど……
「もう少し詳しく話聞かせてくれません?」
「普通に銃弾がもったいないから石の玉とか、水の鞭でゴブリン共に誰が一番偉いのかわからせてやったら食料とか勝手に貢ぎに来たわ」
「ハスバさんステイ」
話を聞いていてハスバさんがウズウズしていたので止める。なんとなくゴブリン達が神輿の様な椅子を担いでその上に足を組んで座っているキリエさんの姿が想像出来る
「なんだ。キリエもゴブリン島だったのか。私もだ」
ロザリーさんもゴブリン島か
「初心者が多かったからそれなりに配慮しながら殲滅して後はハチ君のサバイバル情報をもとに生活して終わってしまったな」
島に居る人のレベル帯とかでも何か変わるのかな?結構色んなバリエーションがありそうだな
「私は、ごつごつの岩場ばかりの島でしたね」
え?ドクター一番キツい島に行ってない?




