秘密兵器発見
「おっ!なんか行ける所増えてるぞ!」
「ホントだ。こっち側ってまだ行けなかったよな。にしても気を付けろ。あんまり派手に動くとアイツに気付かれるぞ」
アイツと言うのはベヒモスの事だろうか。確かに気を付けて行動した方が良い。地下空間の移動出来る範囲は徐々に大きくなっているという事は、戦闘可能領域が広がっているという事。狭すぎる場所でボスとの戦闘となれば、全滅はほぼ確定だろう。まぁそれがあるだろうから温情として、まだベヒモスは僕達が居る所に来てないのかもしれないけど
「こっちの方、なんか色々資料が置いてあるっぽい」
「えぇ?無人島じゃなかったのか?」
「んー何々……魔物に対抗する為の兵器を作る為に無人島で研究してたみたいよ」
僕が適当に考えた1人の天才科学者チックな人が魔物に対抗する為の秘密兵器を誰にもバレない様に無人島で作ったけど、結局その科学者は兵器自体はある程度完成させたけど、無人島の外に持ち出せない状態になってしまったので、本当に誰も知らない秘密兵器になってしまったみたいな話を数枚の紙に分けて配置しておいた。そしてその紙を辿ると謎水槽の中に居る僕の所まで辿り着く様にしてみた。ゲヘちゃん装甲、ポン君装甲をミックスしてシスター服を隠し、仮面もロボット風のデザインにして、人型兵器っぽい感じになった。この2人に協力してもらえれば本当にゴーレムっぽい姿だけじゃなく、ロボット風の恰好も出来るの凄いわ
「人型兵器ラムダオーラムダ。我が生涯を掛けた最高傑作を世に出す事が出来ず本当に申し訳ない。その力振るう時がいつか訪れる事を……だって」
「じゃあ、この水槽に入っているのがその人型兵器とかいう奴?」
おっと、話をしていたらもう目の前に人が来ていた。ただ、今は動かない。僕を動かしたかったら謎解きをするんだな!
「とりあえず、ここまでの説明を見る限りだとアイツとの戦闘でも使えそうな気がするけど、起動用のパスワードが無いっぽいんだよな」
「一旦皆を呼びに行くか。こういう時は人手が多い方が早く見つかるだろうし」
人を集めてパスワードを探そうとするのは良いぞ。まぁ起動も何も最初から起きてるんだけどさ
「さて、後はどうなるかなぁ」
そうだな……ベヒモスとの戦いが終わり次第そのままラムダは退場の方が話の流れ的には良いかな?戦ってる途中でゲヘちゃんアーマーが少しずつなくなって行くのもアリだな……終わり方には出来るだけこだわりたいけど、かといって自爆みたいな事は出来ないからなぁ……自爆はしたかったな
「うーむ、どうやって退場しようかな」
途中までは普通に戦闘しても問題ないけど、最後の方をどうするかが一番の問題だ。秘密兵器としてベヒモスと戦闘するにしても、他の人と連携して事に当たるか、僕が前線に立って主に戦闘を回していくか。最後まで戦闘に参加してベヒモスに僕がトドメを刺すくらいまでやるか、機能不全みたいな事を起こして途中で戦力外になるか。要するにこの戦闘限りの仲間か最後まで行くかの違いだけど……これに関してはこの戦闘限りの方が美しい気がする。確かに、発見された秘密兵器を持ち帰るじゃないけど、ロボットと親交を深めていくのは良いと思う。でも、中身が僕だからその展開よりも、機能不全で途中退場が良いかも。何ならベヒモスと相打ちが一番美しいまでありそう
「徐々に動きが悪くなっていくのが理想だけど……」
長年起動していなかった秘密兵器が起動され、最初で最後の1戦。その過程でパーツが外れたり、動作が悪くなる中で何とか勝利して、最後に崩壊。これが理想なんだけど、多分あのベヒモスの攻撃を一発でも喰らったらそれこそ一瞬で崩壊してしまう可能性が高い。フルアーマーゲヘちゃんモードであれば防御力はカッチカチだけど、もう姿を見られてしまったし、出来ればゴーレム感を薄くしたかったからこれはもう仕方がない。【アビスフォーム】を使えば【抑圧】の効果で敵のヘイトを集める事も出来るハズだから僕がタンクになる事も可能になるからそれでうまくベヒモスの注意を引いて、味方には後ろの方から攻撃してもらう形にすれば良いか。それならこっちの姿をベヒモスの体でブラインド出来るし
「戦闘に関してはまぁ、何とかなるかな」
正直アビス様とか、ニャラ様に比べたらただのデカい犬程度にしか感じないし、僕にだって力を貸してくれている存在が沢山居るんだからこんな敵で躓いていられない。9人全員生還させる為にもここは完璧にやり切ってみせる
「ほら、あれだ」
「わぁ、なにこれ!すっご」
「ロボット?」
「無骨なデザイン……好きやわぁ」
「これが協力してくれるかもしれないって事か」
「よし!それじゃあ起動用パスワードを探しますか!」
リーからまた人が入って来た連絡が来たので、動きを止める。そして、9人が僕を囲む様に見てくる。結構しっかり見られるなぁ?まぁ、まずはこの水槽を開けてくれないと起動も何も無いんだけどね?流石に僕だってどこぞの生物兵器みたいな水槽をぶち破ってなんか前に居た人を貫くみたいな事はするつもり無いよ?




