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レイさんとご飯

「その弓とか矢って僕が触る事って出来る?」

「ん」

「あ、触れない。でも攻撃だと人にも当たるって事は攻撃するという意思があれば触れるって事なのかなぁ」

 普段は触れられないけど、幽霊サイドに攻撃の意思があれば、お互いに攻撃可能みたいな状態になる……って考えて良いのかな?非戦闘時のノンアクティブ状態なら攻撃不可。戦闘時のアクティブ状態なら攻撃可能みたいな……魔法によるアンブッシュとか出来るのであればその限りではないのかもしれないけど


「レイさんって弓の腕はどのくらい?」

「ん、じゃあ……そこ、立ってて」

「え」

 木の前に立たされて弓をこっちに向けられる。あ、これは……


「ひぇぇ……」

「この弓、悪くない」

 僕の頭をなぞる様に矢が木に刺さっている。あの、弓の出来栄え試す感じでロビンフッドみたいな事するのは流石にやめて欲しいんだけど?


「凄い腕ですね。この腕前があれば色々出来そうですね」

「やる気は、ある」

 幽霊になっても新しい弓の入手とかで嬉しいのかもしれない。なんかさっきよりレイさん元気になってる気がする


「今、僕以外に9人この島に人が居て、その9人が死なない様に裏で立ち回ってる状況です。それで、地下への入口を守っていたライオンみたいな奴を倒して、地下に進んだんですが、ロックされてるみたいで先に進めなくて、今に至るって感じですね」

「大体わかった。多分、それは数日経てば行ける」

 やっぱり時間なんだ


「そうなんですね。ならやっぱり食料調達をちゃんとするのが目下の問題かな」

 そこが開くまで食料を調達して、キチンと空腹度を維持出来るかが大きな問題になりそうだな。調査に行くにしても、何をするにしても動けば腹が減る。住居に関してはもう大丈夫だとしても、食料に関しては常に探しに行かないといけないくらいカツカツな状態だろう。何気に辛いのが食料になる生き物を発見出来ていない事。初日に山に登って猪とか見かけた気がするけど、【察気術】にも引っ掛からないし、どこに行ったんだろう?


「この島、食べ物見つけるの難しい。食べられる生き物、少ない」

「今の所果物とか、魚で何とか食いつないでますね。魔物でもいれば肉に出来るんでしょうけど、スライムと幽霊くらいしか今の所見てないんですよ」

 流石にそろそろ魚と果物以外の食べ物を入手しないと、他の人が辛いかもしれない。皆現状は分かってるだろうけど、それとこれとは話が別。肉が食べたい、野菜が食べたい、お菓子が食べたい。色々食に対する欲求はあるだろう


「この島、素材は色々ある。けど食料は、少ない」

 やっぱりそうだよなぁ……竹とか鉄鉱石とか岩塩、良質な木材なんかも取れるから素材としてはかなり良い物が取れる島だろう。食料の現地調達を本当に何とかしないとなぁ……


「まぁ仕方がない。今日は普通に皆に頑張って貰おう。僕は僕の食料を何とかしよう」

 さて、イモムシ探そう


「おぉ!嵐で折れた朽木の中に良いの居ますねぇ。これは後で焼いて食べよう」

 他の人にバレない様に島を歩いていると、嵐の影響で倒れた朽木を発見した。その木にはカブトムシの幼虫っぽいのが居て、食べられそうな感じだったので、頂く事にしよう


「えっ、それ、食べるの?」

「レイさんは虫とか食べた事ない感じ?」

「うん、まず食べられるのかどうかも分からないし」

 サイバさんみたいなのは意外と少数派なのかな……


「これが貴重なたんぱく質なんですよ。本当はレイさんにも食べて欲しい所ですけど……」

「……」

 めっちゃ嫌そうな顔してる


「まぁ、無理強いはしませんよ。僕はこれ食べないとお腹が減って活動出来なくなるから食べるだけです」

 料理人の布巻きから串を取り出して、イモムシに刺し、火で焼く。もちろん僕だって食べるのに若干勇気は要るけど、これのお陰で僕は今日を生き延びる事が出来ると考えたら感謝の念しか出てこない


「よし、それじゃあ頂きます」

「まって」

 レイさんが僕の肩に手を当てて来た


「これなら、一応味は分かる」

「接触してたら味が分かるんですね。もしまずいと思ったなら手を放してください。じゃあ行きますよ」

 焼いたイモムシを頬張る


「ん-。ほんのりピーナッツバター風味かな」

「意外と、いける……これなら生きてる時に食べても、良かった」

 どんな食べ物でも食べてみないと分からない。美味しいのかまずいのか。人ごとで味覚も違うし、思想も違うから基本的に食べられそうな物は広まるけど、食べるのに勇気がいるものは中々広まらないのも分かる


「僕がこういうのを食べてお腹を満たせばその分、他の人が抵抗なく食べられる魚をそっちに回せるからね。僕の食べる分が減るから実はあんまり他の人には教えたくないっちゃ教えたくないんだよねぇ」

 現実の世界でも色々と食に関して一悶着あったりもしたけど、結局食べるのは自分なんだから誰が何を食べるかは個人の自由だろう。健康に良いからと流動食だけ食べろみたいな強制をされても、僕は嫌だしなぁ


「貴重なたんぱく質。ご馳走様でした」

「ん、意外と美味しかった。ごち」

 レイさん割と気さくなタイプなのかな



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― 新着の感想 ―
[良い点] 人を選ぶ食材を自分用に確保することで他の食材を他人に回す 傍から見たら聖人ムーブだけど、知られたら申し訳なくて呵責を覚えるレベルだよねぇw [一言] 実はイベント開始前の虫食いエピソードの…
[良い点] これ、生活環境のために素材を集めるほど空腹度が増して極限状態になるイベントか。 交流と言いつつ意外と厳しいじゃないかw
[一言] そのうち松の皮とか食べるのかなー、タンポポコーヒーとかも? と言うか、レイさんゴチってw礼儀正しいなあw
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