不穏な流れ
「やっぱりあの入口みたいな物に近寄ろうとするとそれを阻止するように動いてくるな。人が多いと単純にライオンもどきを端に追いやってる隙にさっさと中に入っちゃうのはアリだな」
ヘイト管理とかしっかりすれば、ライオンもどきを中央から動かして、タンクが注意を引いている隙に床の扉に入る事は出来るかもしれない。ただ、このライオンもどきがカギを持ってるか、倒さないと中に入れないとかだったら僕1人で何かするより他の人に任せた方が良さそうだ
「よし、問題なく出れるな」
あの扉に入るのは中々面倒みたいだし、僕が外に出ればライオンもどきは扉の上で箱座りで寝て、追いかけてこない。これで完全にあのライオンもどきはあの扉を守る番人みたいな存在なのが確定した
「逃げ道を用意するか、戦闘支援か……」
もう一つくらい逃げられる道を作っておいて、他の人が戦闘中は僕が支援魔法を掛けるくらいが丁度良いかな
「この島に秘密があるとするならここは100%何かあるのは間違いないが、他に何かあるとするなら……」
あと何かあるとするなら、崖地帯の側面とか?
「あの崖の側面に秘密の入り口的な物があったりするかな?」
まるで2時間物のサスペンスの最後に出てきそうな所があったので、そこを見てみるとするかな。仮になかったとしても、何か役に立ちそうな場所だし
「それじゃあ、ここは一旦置いておいて、崖にレッツゴー!」
僕も他の人を気にしなくて済む拠点があればかなり動きやすくなるだろう。いつまで隠れられるか分からないけど、他の人が来れない拠点があると今後動きやすいし良い
「きてみたけど、流石に秘密の入口チックな物はないか。まぁなんでも思い通りに行く訳でもないし、たまにはこういう事があっても良いか」
崖を歩いて調査してみたけど、特に何も見つからなかった。秘密の入口は見つからなかったけど、崖を掘って居住空間を作ってしまうのもアリだな……そうフィフスターならね
「まぁ、こんな崖に居住空間を作っても利点はほぼ無いなぁ……」
洞窟を作って雨風を凌ぐとも考えたけど、こんな崖に作ったら波しぶきがばしゃばしゃ入ってきそうだし、そもそもアクセスが良くない。もう少し島の内側に作らないと何か集めるときとかも運ぶのが大変になるだけだ
「うーむ……あれ?確かこの辺って果物とか無かったっけ……」
崖マイホームプランは諦めて、一度戻ってみたら果物が生っていた木から果物がすべて消えている。まさかもう取り尽くしたのか?
「っと……」
果物がまだある木を見つけたので近寄って見てみると、そこには無数の鳥が果物を啄んでいた
「これか」
何か起こるとは思っていたけど、いきなり食料を削って来たか。あの鳥が食べた後だと美味しくないだろうし、ここから先はほぼ完全に魚に移行かな
「なくなる前に1つだけでも入手しておこう。最低限種だけでも入手しておけば何とかなるかもしれない」
渡り鳥なのか分からないけど、昨日まで居なかった鳥がこれだけやってきていると中々大変だな。何というか、あの渡り鳥達もパッと見た感じ、可食部がかなり少なそうに見えるし、体に紫とか赤みたいな色を持っている奴はなんとなく毒を体内に貯めてそうだし、手は出したくない
「1日目は何ともなく、2日目は渡り鳥襲来か……これは日数が進むと凄く厄介な事になりそうだなぁ」
イベントだし、脱落もあるとなると、後半の方ではもっとヤバいアクシデントが起きそうだ
「流石にこれ以上を想定するとなると、簡易シェルターじゃ心もとないな」
簡易シェルターはそもそも雨や風を避ける程度だから、台風とか来てしまえば簡単に飛ばされてしまうだろう。となると……
「やっぱり、あの空間を手に入れないとまずいな……」
ライオンもどきが居たあの空間。島の内側にあるし、天井も着いている。なおかつ、ボスエリアチックだったから台風程度はびくともしないだあろう。あそこを居住空間として入手出来れば残り日数も耐えられるだろう。あとはそうだな……ログハウス近くの水場も多分その内飲めないくらい汚くなるかもしれない。そういう想定で動いた方が気持ち的には楽だし、実際に起きたとしても今の内に用意しておけば何も問題は無い
「まぁ、これはあくまであの9人の話であって僕の話じゃないな」
このイベント中バレずにやり通すと決めたからには、僕も対台風用の備えが必要になってくる。あの簡易ログハウスは多分台風なんかが来たら耐えられないと思うし、洞窟あるいは横穴を掘ったりした方が良いな。流石にそうなるとあの9人が無事か見守る事は出来ないけど、割と早急にあのライオンもどきの討伐を急いだ方が良いかもしれない。僕にはまだまだ食べられる食材のイモムシとかの入手手段があるけど、他の人は違う。魚が釣れなければ終わりな可能性も充分にあるから、まだ食料があり、全員の体調が良いうちにあれは倒しておくべきだ。空腹状態で奴を倒すのはかなり難しい気がする
「一旦様子を見に行くか」
果物の種は落ちていた果物の中に残っていたから入手出来たし、あの9人の所に行ってみよう




